始まりの桜
桜が舞う季節。
4月は始まりの季節だと考える。進級、入学、それに新社会人。なんだか新しいものづくしの月。
そんな新しい季節は好きだった。
運命的な出会いをした、新しい出会いの季節でもあるのだから。
「大学生になってクラス替えって・・・まぁ、しょうがないのかな」
登校中。
今日から新しい学年へと上がる。大学2年生。その響きはどこか大人びていて嫌いじゃない。
桜が風で舞う。
この大学の近くにはたくさんの桜の木があるらしい。
「あー、クラス替え。前年の頑張りが無になる悪魔の行事・・・友達の作り直しってどんな地獄だよ」
正直、クラス替えしてもクラス替えの前の友達とは会う機会も多い。
いろいろな教室を使うから結局は形だけ、新しさを求めた結果なのかもしれないな。
「作り直すほど多いわけじゃないけど・・・・・・」
空は晴れている。
いい日だ。
「げ・・・・・・」
前言撤回。
最悪だ。
クラス替えのはってあるボードの前にはたくさんの人がいた。
この人数をかきわけて見るのは至難の技だ。
でも、そのうちいなくなるだろうと希望を持ち、空を見上げる。
春、いいなぁ。暑くもなく寒くもない。どこかわくわくする季節だ。
はじまりの季節。始まりの場所。
「さて、と」
なかなか減らない人をかきわけることを決意した俺はゆっくりと歩き出す。
「ん?」
そこで何かがはねているのに気がつく。
なんだあれ?ジャンプしてんのか?
「あ、あれー?み、見えません!七実さんの大学本当にここでいいんでしたっけ?それにしても大学生となると背もでかいですね。まったく見えません!」
俺は少し驚き、そして笑う。
俺は春が一番好きだ。
始まりの季節。始まりの場所。
そして始まりの桜。
プロローグと名前同じじゃね?と思われた方、ミスじゃないので安心してください。
まさかの最終回と同日に投稿できるとは・・・。
というわけで、ついに完結しました。
見てくださったみなさん、本当にありがとうございました。感謝しても感謝しきれません。ここまで続けてこれたのもみなさんのおかげです。
簡単な告知を最後に。
番外編をいくつか投稿する予定です。主に後日談となっております。
時系列で最初のほうのやつもありますが、そこは懐かしい感じがどこかするものとなっているかと・・・故意ではなく、書いたのがそもそも最初の方なので。
ただそこに修正を加えたものを上げようと思います。
ではもう少しだけお付き合いいただけると嬉しいです。
ありがとうございました。
ではまた別の作品か、番外編後日談でお会いしましょう。