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第9片 理系少女と文系少年の語り部

おぉ!わぁ!すごいです!これが語り部!これが地の文ですか!おっと、こほん。どうもです、理系少女の岸島数夏きしじますうか高校2年生、16歳ですぅ。これで私は主人公なんですね!私が語り部になったからにはえっちぃ事件なんて起こさせません!いや、そういう物語じゃないんですけどね・・・。


「ふー、なかなか疲れました」


翌日の昼休み。さて、では早速七実さんでも見つけて褒めてもらいましょう。語り部をやったとなれば褒めてくれるでしょう!あっ!いや、その、褒めてもらいたいわけじゃないんですけどね!どうしても褒めたいっていうのなら褒めさせてあげますが・・・。


「あ、いました。七実さーん・・・・・」


よく見ると七実さんは廊下で他の女の子としゃべっています!戸張さんです。先を越されてしまいましたか・・・。


「でも話し終わるのを待っても遅すぎることはありません」


話が終わるのを待つことにしました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「山梨は最近規則正しくなったよな」

「いつでも寝てるってわけじゃないからねー。七実くんも丸くなったよねー」

「いや、俺は不良かよ」

「そうじゃなくってなんか明るくなった」

「そうか?」

「うん」

「そう・・・・か」

「よっかったよー、明るくなって。私もいじりがいがあるし」

「最悪だな!感動がまるまる吹っ飛んだよ!」

「うそうそ。ほらそのツッコミとかさ。いい感じだよね」

「そ、そうか・・・なんかはずかしいな」

「な、なにがさ」

「いや、なんでも・・・」


イライライライライライライライライラ!なんでイチャついてるんですか!長すぎます!でもなんででしょう・・・。最近、七実さんが女子と話してるのを見るとモヤモヤします。なんか心臓あたりが痛くなります。私は病気なんでしょうか?チクリと針で刺されたような感じがします。


「ふーっ!」


なんか犬みたいに威嚇いかくしてました!自分の行動にびっくりです!でも邪魔したくてしょうがないですね・・・。なんなんでしょうか、ほんと。・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか、これが『どえす』というやつですか!?なんてことでしょう。数夏16歳にして『どえす』に目覚めてしまいました!


「じゃ、じゃあ俺2組に戻るわ」

「うん。私は水道いってくるねー」

「ふぅ、今のうちに明日の宿題を・・・・・」

「七実さん!」

「ん?岸島か?どうした・・・」

「七実さんは蝋燭ろうそくって好きですか?」

「おいおいおいおい!!なんだその真っ赤な蝋燭!何に使うんだ!」

「いや、ちょっと七実さんを蝋人形ろうにんぎょうにしてやろうか?」

「ちょっとじゃねぇ!断るわ!なに!?どういうこと!?」


七実さんは混乱しているようです。そりゃあそうでしょう、私も混乱してますから。なんか別に楽しくないですね・・・。『どえす』とは違うみたいです。


「やっぱりなんでもないです」

「気になるわ!説明しろよ!」

「いえ、私はノーマルなようです。よかったですね、蝋人形にならなくて」

「説明になってねぇええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


急に叫んでしまいました。急にキレる若者怖いです・・・ぶるぶる・・・。さて、私は異常じゃないことが分かったので教室に戻ることにしました。


「え?マジで?本当にいっちゃうの!?ねぇ!ねぇってばぁああああああああああ!!!」


私は笑顔で教室で戻りました。







現在は放課後です。帰ろうと身支度をしていると・・・。


「あーそれは今日じゃなくてもいいよ」

「そうか、ありがとう」

「おう」


また女の子としゃべってました!しかも今回はクラスの委員長です。男勝りな口調ですねぇー・・・。


「いたっ・・・」


おかしいですね・・・。また心臓が痛いです。なんででしょうか?くっ・・・。それにしても委員長さんのおっぱい特盛りじゃないですか!・・・・・・・・・・・・やっぱり七実さんも大きい方がいいのでしょうか?口では私ぐらいでもいいと言ってくれてますが、本当にぷっくりとしかないんですよね・・・。


「はぁ・・・・・あれ?なんでテンションが下がっているのでしょう」


私らしくないですね!『人類滅亡してもずっと笑顔』がポリシーなこの私が何を暗くなっているのでしょうか!


「人類滅亡しても笑顔・・・人類滅亡しても笑顔・・・人類滅亡しても笑顔・・・・・・」

「お前、何こわいこと呟いてんの!?」


近くに七実さんが!?そのせいで七実さんに気付かれてしまいました。


「だいじょうぶです!私はまだ笑えます!」

「だからなんでそんな意味ありげにいうんだよ!」

「さー、あじさい荘へ帰りましょう!」

「あぁ、まぁ、帰るけどさ・・・・・・」


さーてあじさい荘に着いたら何をしましょうか・・・・・。むむむ考えなければです!


「七実さんは帰ったら何をしますか?」

「えーと・・・」

「いや、まってください!確率であてます!うーん・・ドアノブを触る!」

「確率で出すようなことかなぁ!?」

「じゃあ、ドアノブに触れないように寮に入ってくださいね」

「無理だよ!そんな高等技術できるわけねぇだろ!」

「他人のカバンにでも入っていればいいじゃないですか」

「俺はエ〇パー伊藤か!無理だよ!体かたいし!」


さっきから文句ばっかりですね・・・まったく。あ、でもなんか分かりませんが他の人のカバンには入ってほしくないです!


「私のカバンに入ることしか許しませんからね!」

「お前のカバンにも入らねぇよ!ドSなの!?」

「だって私のカバンの臭いが好きなのでしょう?」

「高度な臭いフェチ!そんな悪趣味はないよ!やっぱりドS!?」


なんかあらぬ誤解を受けてるようですが別にいいです。さぁ、もうすぐ我が家であるあじさい荘ですよ!まずは七実さんが入れるようなカバンを探しましょう。


「ただいまですー」

「ただいま」

「おー、おかえり」

「香織さん、今日はもう疲れたんで寝ていいですか?」

「今寝たら夜寝れないでしょ」

「相変わらずお母さんみたいですね!私感動しました!」

「数夏ちゃん。私は22よ。お姉さんといいなさい」

「おばあちゃん・・・・・」

「こら!七実未空!今なんつった!!」

「私も逃げます」

「あぁ!分かりやすく逃げるって言ってくれたのに捕まえられない!」


香織さんもおかしい人ですね。っと・・・・・・・・・あ!!


「・・・・・・・・・・・・・・私の嫁」

「緋色さん!?目の色がおかしいですよ!」

「やべっ!あいつ学校帰りで疲れてるからいつもの10倍の攻撃があるぞ!」

「なんと!危機じゃないですか!」

「岸島逃げろ!ここは俺が食い止める!」

「少年漫画の主人公の味方みたいでかっこいいですよ、七実さん!」

「そんな感想どうでもいいから逃げろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「はいっ!」


シュタッ!と走ります。


「ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああ!」

「七実さぁあああああああああああああああああああああん!!」


七実さんが緋色さんの下着を見せられて倒れてしまいました!・・・・・・・・・・あの方はバカなのでしょうか?食い止めてないじゃないですか!


「・・・・・・・・・・・・・・・見つけた」

「ひっ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・どうして逃げるの?」

「なんで追いかけてくるんですか!?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・触りたいから」

「だからにげてるんですよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


私は生きれるのか!手に汗握る展開ですね!






あのあとかけつけた香織さんのおかげでなんとか生きれました。ふぅ・・・・。


「なぁ、岸島」


夕飯準備ちょっと前。七実さんが私に声をかけてきました。


「なんですか?」

「お前、今日なんかちょっとおかしかったぞ?」

「なっ!?失礼な!ちょっと蝋人形にしようとして、カバンにつめようとして・・・・・」

「それがすでにおかしいことだろうが!」

「緋色さんの下着見て倒れた人がおかしい・・・ですって。ちゃんちゃらおかしいです」

「くっ!あれはしょうがないはずだ!お前を守るためであってな・・・」


ん?なんか今少し嬉しかったですよ?ポワンとしました。どこにそんな要素があったのでしょうか?


「もう一度いってください!」

「は!?なんで?だからお前を守るためであって・・・」


あれ?やっぱりなんかポワンとします。なぜでしょうか?今日は心臓が忙しい日ですね・・・。


「で、何があったんだ?いいたことがあるならいってみろ」

「いや・・・その・・・」


本当に何もないから不思議です。理由がないので話すこともないんですが・・・。


「数夏ちゃんは晩御飯何食べたい?好きなもの言って」


すると台所から香織さんの声がしました。ここはリビング。みんなでソファに座ってテレビを見ています。戸張さんと緋色さんはテレビに夢中でこちらの会話は聞こえていないようです。


「ん?どうした?言ってみろよ」

「いえ・・・」


好きなものですか・・・・・ハンバーグもいいんですが七実さんにまた子供っぽいって言われちゃいそうです!どうしましょう・・・好きなもの・・・好きなもの・・・。


「もったいぶるなって」

「あぁ・・・はい」


今、考え事してるんですよ!静かにしてください!まったく!・・・・・・好き・・・うーん、ラーメンもいいですねぇ・・・。好き・・・・・・うーん。


「なぁってば!言いたいことがあるなら・・・」

「好きです!」

「へ?」


あれ?私、今なにいいました?うるさいです!って言おうとしたんですが思考が混ざってあらぬ言葉を発してしまった記憶が・・・。バッ!っと戸張さんや緋色さん、そして香織さんまで顔をむけてきました。


『えぇえええええええええええええええええええ!!!』

「な、なんですか!」

「zんhぃうえfんぉいえもぃおどf!」

「七実さん!?日本語話してくださいよ!」

「数夏ちゃん!?本気!?」

「え?だから何がですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・未空、殺す」

「ちょっ!俺だって混乱してんだぞ!これ以上場を乱すな!」

「あらあら、甘酸っぱいなぁ」

「香織さんは落ちつきすぎだよー!」

「いいじゃない、戸張ちゃん」

「・・・・・・・・・・・・・・・・未空、海に沈める」

「さっきより具体的になってるぅううううううううううううううううううううううう!!」


あ、思い出しました!好きですっていっちゃったんですね!なんていうミスを!なんか顔が熱いです!顔が真っ赤になっている気がします!でもどこかスッキリしたのはなんででしょう?と、とにかく誤解を解かなくては!


「べ、別に七実さんのことが好きなわけじゃないんですからねっ!」

『ツンデレ!?』


またみなさんでツッコミをしてきました。


「岸島よ!誤解を解こうとしてるのならそのセリフのチョイスは致命的だぞ!」

「あぁ、そうだったんですか?じゃあ、誤解です。晩御飯の何が好きか考えてたら口にでちゃっただけです」

「軽い!俺の初告白がぁああああああああああああああああああ!!」

「なーんだ、違ったんだ。つまんないのー」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・命拾いした」

「残念だったわねー」


誤解はとけたようですがなぜでしょう。スッキリしたのがモヤモヤに変わっていきます。不思議でいっぱいですね、この世の中は。


「香織さん!私はハンバーグが好きです!」

「わかった!じゃあ、今から作るね」

「子供みたいだな」

「うるさいです、自意識過剰さん」

「それ、お前のせいだからね!?」


そんなこんなで1日が過ぎていきます。語り部は疲れますね。もうあんまりやりたくないです。





というわけで語り部編?といっていいのでしょうか?

まぁ、2話にわたってやらせてもらいました。


次あたりに新寮生でも出そうかな・・・と思います。


でわ

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