ステージ 1-8
朝、目覚ましを止めて僕は起きた。
しばらくは脳の再起動のために、数十秒かける。
『幻想殺し』を……殺した……後……
えーと、たしか、昨日、猫に協力してもらったんだけ?
あれ? 何を……
バンッ!
僕のドアが勢い良く開かれる。
そして、僕の再起動を中断させてまで部屋に侵入してきた白羽は
そのまま、僕のベットの前まで突進し
ピタリ
と、止まった。
「おい、起きろ! 大変なことになってる!」
僕は瞬時に脳を強制起動させ、差し出された、携帯の画面を見る。
そこには
『この度、魔王、つまり私の称号を得るためのゲーム。魔王継承ゲームに参加していただき有難うござ います。
さて、今の今まで挨拶も無しにゲームを進めていた私ですが、この度、イベントをする事になりました。
このイベントは皆様に強制的に参加してもらいます。
もし、断ったりすればGAME OVERつまりは死んでいただきます。
まあ、皆様には得しかないイベントですから安心して参加してください。
そして、肝心のイベント内容ですが
この度、今まで遭遇戦で進めてきたGAMEを
トーナメントにします。
トーナメントで見事優勝できた方こそが、次代の魔王となります。
さて、このイベントの参加方法と開催時期ですが、各自、メールが届いてると思います。
開催日時はそれに記載されています。
そしてそのメールに自分の能力の名前を記載して返信してください。
ではゲーム参加者の健闘を祈ります。』
ああ、そうか。
ようやく動き始めたか
「なあ、一体どういう事だ……。なんで今更、トーナメントに……」
白羽はサイトを閉じてそのままメールボックスを開ける。
「開催日時は何時?」
「来週の土曜日。時間は深夜2時からだ……」
「場所は?」
「私立赤柳高校」
「って、僕の学校か……」
「なあ、とっしー」
「ん?」
「おかしくないか?」
「何が?」
「いや、なんかこう違和感を感じているんだ……。まるで誰かの手のひらにいるみたいに……」
「考えすぎ。多分、異能者と戦っているからそう感じると思うよ?」
「それなら、いいんだが…………」
「そんな事より、さっさと朝食食べよ。もうすぐ猫が起きてくるからその前に用意しとかないと」
「ん、あ、そうか……入り浸って悪かった」
「いや、別にいいよ」
「……んじゃ、ちょっと顔洗ってくる」
そう言って白羽は普通に部屋を出て行った、
いや、別に普通に出て行っては無いんだけどね
正直、白羽の顔は先ほどの疑問とは違う顔色をしていた。
まあ、多分、この部屋の事だろうけどね……
僕の部屋は
ベットも
机も
壁も
カーテンも
何もかも白色だ、
いや、ノートPCだけはそれに対抗するかのように黒色なんだけどね
別に僕がしたくてこんな色にしたんじゃないけどね、
いや、もしかしたら、したかったかもしれない
まあ、どちらも今となっては確証はできないんだけどね
っと、さっさと朝食を作らないと猫に引っ掻かれる……