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ゲーム  作者: 中二 病
4/21

ステージ 1-3

 本当に今更だけど、この物語はあなたにとってはフィクシュン、


 じゃなくてフィクションだ。


 だけど、僕にとっては現実でしかなくて、日常でしかなくて、遊びでしかないんだろう。


 だから感情移入して無理に読むことは無い。


 蔑んだ目でも、尊敬の目でも、無関心の目でも、怒りの目でも、憎しみの目でも、僕を見てくれたって、勿論かまわない

 さて、本当に突然だけど……


 僕の家では美少女・・・を飼っている。


 え? これってシリアスな物語じゃないの?


 って思った人


 の為に説明しておくと……


 彼女は数週間前に落ちてきた。


 勿論空から


 俗に言う『落下系ヒロイン』だ。


 その時のことを詳しく説明すると


 朝

 

 登校していたら 


 落ちてきた。


 以上。


 本当にこれだけだ。


 自らを猫と名乗るその美少女は、綺麗な蒼い髪をしている。


 一度、四次元ポケットは何処にあるの? って聞いたら引っ掻かれた。


 さて、なんで最初からこんな事を説明しているのかというと……


「っな! 貴様! 今、私のから揚げをとったなぁ!!」


「防御しとかない方が悪いんだよ~? ね、とっしー?」


「っは、そんなことが許されるわけが無かろう! な、とっしー?」


 現在、なりゆきで居候している落下している美少女を紹介するため


 なんだけど……


 うん、まあ兎にも角にも念のために言っておく。


 僕の名前は智梨ともなし ひとしだ。


 まあ、現実逃避はともかく、ここはひとつ家主である僕ががつんと言わないといけないよな、


 いや、別に家主は僕の両親なんだけどね


 どうして家に親が居ないかはご想像にお任せするとして……


「わかったから。追加で揚げてきたあげるから落ち着け……」


 がつん?


 なにソレ?


 美味し(略


 すみません。無理です。こいつらには敵いません……


 とゆうことで、さらに鶏肉を揚げる為に台所に行く僕。


 ついでにから揚げを頼んだのは猫だ。


 居候の身の癖になぜか権力が僕より上なのは何故だろう?


 そして殺人者も家に上げたらついでにと夕食の席に居るし……、しかも喧嘩してるし……


 ほんと、最初のシーンは何?


 もう絶対僕のキャラが崩れてるよ。


 一応言っておくけど、僕、情報屋だよ?


 そして猫と一緒に飯をがっついているのは殺人者だよ?


 ああ、もう……


 と、何百もの愚痴を呟いている(心の中で)うちにこれで三回目のから揚げが揚がった。


 それをテーブルに置いた瞬間、すぐさま箸が飛んでくる。


 いや、別に飛んできてないんだけどね


 ただ、あまりにも箸の動きが早すぎてそう見えてしまう。


「『制限複製ポイントコピー』」


「?」


 それは十回目の鶏肉を揚げ、やっと落ち着いたときだった。


「それが私の能力だ」


「……なんか、痛いねー。そのネーミング」


「言うな。あの中二病患者に付けられたんだ」


「あの中二病患者ってだれー?」


「猫、後で説明するから今は黙っとけ。で、能力は?」


「まあ、簡単に言うと相手の能力のコピーだ」


「じゃあ、さっきそのまま瞬間移動できなかったのは?」


「コピーできるといっても、完璧には出来ない。先ほどお前が見た通り、時間、場所、回数、威力、範囲などがどうしても劣化してしまう」


「だからポイントか」


「そうだ」


「してコピーするための条件は?」


「相手に触れる、見る。これだけでコピーできる」


「なるほど。で、ゲームで勝てるのかい?」


「さあな。『幻想イマジンブレイカーし』と『現象リアルブレイカーし』さえ居なければ勝てるかもしれない」


「…………なんでそんな勝てる見込みが無いゲームに参加したの?」


「これは他の参加者にも言えることだが、自分の能力だったら勝てるだろうとゆう希望的観測があったじゃないかと思う。それに、勝った時のリターンが大きいってゆうこともあるはずだ」


「なるほどね…………」


「ねえねえ、とっしー。何話してるのー?」


「ごめん、猫。最後にこちらからの提案を言ったら説明するから」


「りょーかいー」


「提案?」


「ああ」


「なんだ?」


「単刀直入にいうけど……」


 ふう、一瞬、たんとうとつにゅうって言おうとしてしまった、


 いや、別に言おうとはしてないんだけどね


 危ない危ない。


 漢字にすると担当突入だねー。


 って猫に言われるところだった。


 さて、もう十分溜めただろう


 遠慮なく提案させてもらおうじゃないか


 いや、別にそれ程凄いことじゃないんだけどね


 兎にも角にも


「僕と手を組まないか?」


 彼女はしばらく黙考した後


「一応言っておくが、参加者は人を殺してもなんとも思わない連中だぞ?」


「ああ。分かってる」


「お前ももしかしたら死ぬかもしれないんだぞ?」


「そんなの承知済みさ」


「はあ、私としては情報屋が味方についてくれるのは嬉しいが……」


「なんか問題でも?」


 殺人者は猫がうとうとしているのを横目で確認し


「訊くが、私と手を組むことでのお前のメリットはなんだ?」


「ん、暇つぶし」


 猫のこっくりが5回ぐらい上下した後


「……は?」


「だって運悪く学校でやってた遊びが中断してしまってね」 


「遊びって……」


「ん、リアルでギャルゲーを再現して最後にはバッドエンドに送るゲーム」


「……そんなことが出来るわけ」


「出来るさ。といっても中断させられたけど」


「まさか……主人公って……」


「その通り。あの可哀想な青橋あおばし 由一ゆいち君さ」


「…………たぶん、これからもお前に言うけど……、最低だな」


「ああ。それぐらい分かってるさ」


 微塵ほどだけどね。


「で、どうする? 僕と手を組む? それとも勝率の低いままゲームをするのかい?」


 今度は猫のこっくりが三回分ぐらい考えて 


「いいだろう。お前と手を組もう」


「そりゃよかった」

 

「私の名前は……白羽しろば 柚姫ゆきだ。よろしくたのむ」


「僕の名前は、智梨ともなし ひとし。こちらこそよろしく」  


 白羽が差し出した手を軽く握り、握手をする。




 こうして、僕と白羽は文字どうり意味どうり手を組んだ。  

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