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ゲーム  作者: 中二 病
21/21

ステージ 2-3

「としさん、としさん」


「人を新撰組の土方ひじかた歳三としぞうみたいに呼ぶな!」


「え、かっちゃんって呼んでくれないの?」


「それは大河ドラマでの脚色だ! って、まったく話が繋がってないように思うのは僕だけか?」


「それはね、私が話を聞いてないからだよ」


「自分で胸張って言うことじゃない気がするんだけど……」


「ともかく、とっしー」


「何? 三月?」


「ヘタレでチキンなとっしーの事だから心配ないとは思うけど、こんなとこに連れてきてどうするの?」


 さて現状説明。


 宴崎えんざきとのファーストコンタクトの後、そのまま街をぶらついていたら三月とエンカウント……


「あれ? 私はモンスターか何かですか?」


 接触エンカウント……


「ルビも禁止!」


「いい加減、地の分を読まないでくれ!」


「いいじゃない、とっしーをからかえるんだから」


「断じてよくない! というーか、まだ現状説明してないのに喋るな!」


「はい、はい」


「そんなきらきらした目でつっこみを待つな! いまだに画面の向こう側の皆様は白いもやもやが僕達の背景になっているんだから!」


「仕方ないね……、ほら、ちゃっちゃと説明終わらして、私の虐めにあいなさい」


 ……もう、ツッコミはスルーして現状説明する。


 現在……


「私こと、銀髪ツインティルの美少女の三月貴美葉はとっしーに捕まえられ、路地裏に連れ込まれて、ピンチに陥っているのでした~」


「人の役目をとるな! あと、僕の動機を捏造するな!」


「破かれる服、あらわになったシルクのような肌を、とっしーは獣のような舌使いで……」


「おい、待て! この物語を捏造の18禁にする気か!?」


「『ツッコミを放棄せずに頑張ります』って言ってくれたら官能小説的な描写を止めるけど?」


「なんで僕がそんな事……」


「男の愛撫はだんだんと激しくなっていき、そして……」


「『ツッコミを放棄せずに頑張ります』」


「うむ、よろしい」


 とりあえず僕は三月と街の路地裏に来ていた。


 はあぁ……、疲れた


 なんで僕がこんな目に……


「ともかく、とっしー。現状説明が終わったんなら、なんでこんな所に連れてきたのか教えて」


「いや、ここに来たことには特に意味無いよ」


「え、じゃあ私達、今何しているの?」


「相手からの接触を待っているんだよ」


「相手って誰?」


「他の箱の使用者」


「……ってもうバトルパートですか!?」


「いや、バトルって言うよりかはお遊びかな……?」


「?」


「別に相手を見つけても攻撃する必要はないし、もし攻撃してきても逃げてもいい」


「それじゃあ、意味が無ないよ」


「あるさ、お前は死なないんだし、ゆっくり対策を練っていけばいい」


「まあ、とっしーがそこまで言うのならいいけどさ……」


「よし、じゃあゲーセンに行こう」


「なんでゲーセン!?」


「まったく、これだから素人は……」


「っう、まあ素人だけどさ……、でもゲーセンって何か関係あるの?」


「想像してみたら? 参加者が呑気にゲーセンで遊んでいたらどうする?」


「そりゃあ罠って……、あ、そうか……」


「そう、ハッタリの牽制。そして遊びながらも付近に来た不審者をマークしていけばいいのさ」


「さすがとっしー、腹黒いね」


「そりゃどうも」


 よく言われるよ


 いや、青橋が死んだせいでだいぶ減ったんだけどね


 なんて下らない戯言を考えてる隙に路地裏から一歩外に出る前に……


 後ろの三月を押し倒す。


 自分が何されているかよく分からない顔を三月はしていたが、しだいに赤くなっていき……


「ちょっ、とっしー! 本気でそうい……」


「ごめん、少し黙って」


 次の瞬間、


 ガシュッ!


 の音と共に銃弾が路地裏のコンクリを貫通する。


 ようやく事態を飲み込んだのか、ようやく黙る三月。


 コンクリを貫通するって事は……


「アンチマテリアルライフルか……」


「?」


「戦車の装甲を貫通するほどの威力がある50口径ぐらいのライフルのことだよ」


 しかも音が聞こえないって事は、かなり遠い位置からの狙撃。


 てか、アンチマテリアルライフルなんて街中で使なよ!


 と、心の中で叫んでいる間にも、銃弾が頭の上をかすめ飛ぶ。


 段々と、狙いが迫ってる所を見るとどこかで監視されているのだろう


 と言っても、監視カメラなんかは周りに無いし


 ということは、だ。


 素早く携帯を手に取り、猫に電話する。


『も~しもし~、オレオレ詐欺なら5万円までだよ~』


「ごめん猫、今はそのボケにツッコミしている暇は無いから率直に言うけど今現在、秋葉町付近に飛んでいる人工衛星の機能をダウンさせてくれ」


『りょうかい~』


 それだけ聞くとすぐに電話を切る。


 人工衛星なんか使う奴が盗聴しない保障は何処にある?


 すぐに正確になってきた狙いがまた荒くなる。


 人工衛星は当たりか


 ということで、僕は靴を脱ぎ、すこし外から見えるぐらいの所に置く。


 ガシュ!


 その靴の垂直上に銃弾が伸びるが、僕達は伏せたままなので当たらない。


 さらに


 ガシュ!


 と銃弾が通るが、今僕が居るところとはぜんぜん違うので当たらない。


 さて、バレる前にズラかるか……


 そのまま僕は三月を連れて路地裏の闇に姿を消した。


 いや、別に路地裏の奥に進んだだけなんだけどね 

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