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ゲーム  作者: 中二 病
20/21

ステージ 2-2

 放課後の三月との密会ののち、僕は街に出ていた。


 もちろん、ナンパをするため、


 いや、別にそんなことはしないんだけどね


 ということで、僕は普通に情報収集をするために街に出ている。


 さて、誰から聞こうか……


 まずは噂好きの大阪から出てきたおばちゃんから……


「っふ、我がそれに参加してないとでも? 教えてやってもいいが、これ以上ここにいると力が暴走するのでな……。さらば、少年よ……」(注意:中二ですがおばちゃんです。中二ですがおばちゃんです。大事なことなので二回言いました)


 と、それだけ言ってから去っていった。


 あの噂話には敏感なおばちゃんが知らないとなると……、あっち側か……


 あっち側、つまりは魔王や天使の類が関わっている側のことだ。


 なんてことを画面の向こう側に説明していると


「手を上げて、動かないでください」


 カチャリと、初めての感触が僕の背中に伝わる。


 なんとなく鉄の感触がしたので、多分、銃を突きつけられているんだろう。


 やばい……、僕、初めて銃を突きつけられた! テンションがかなり上がる


 が、そんなことをおくびにも出さずに大人しく手を上げる。


「私の質問の応答する時以外の言葉は禁止します、いいですか?」


「はい」


「では、質問します。あなたは智梨ともなし ひとしですか?」


「はい」


「家に蒼い髪の女の子はいますか?」


「はい」


「では魔王という単語についてすべて答えてください」


 一言だけで終わらせない気か……


 このままだと癪だから、相手を推測していくか……


「魔王……、悪魔、魔物などの頂点に君臨している者」


「他には?」


 あっち側を知っている?


 余計、広がったな……


「えーと、他になんか答えがある?」


「質問に、質問で返さないでください、打ちますよ」


「いや、だってさっき言ったこと以外、知らないし……、ゲームとかもあまりしないから……」


「嘘ですね、あなたが智梨ともなし ひとしで猫と自称する人外が家にいるのだったら他にも知ってるはずです。違いますか?」


 本当に誰だ? こいつは……?


 噂屋か?


 いや、噂屋はこんなに行動的ではないはずだ


 だったら


「はい」


「では、先ほどの質問にしっかりと答えてください」


 やけにこだわるな……


 ということはやっぱり


 魔王継承ゲームの関係者か?


「強いて言うなら、魔王が継承者を決めるゲームをしたぐらいしか知らない」


「それだけですか?」


 罠か?


 いや、一応、嘘を吐きとおすか……


「え、それ以外なにかあったけ?」


「……あなたは参加してなかったんですか?」


 質問は無視された。


 まあ、相手が有利なこの状況だった仕方がない


 さて、この質問のおかげで相手は大体特定できた。


 だったら、この答えでも……


「参加していたけど……、あの『制限複製ポイントコピー』に負けちゃったから……」


「そうですか……、では、このまま前を向いて走っていってください。もし、振り向きでもしたらすぐさま撃ちます」


「僕が人ごみに紛れたら撃てないんじゃない?」


「いえ、紛れたら紛れたで、すぐに殺れますから」


「了解、まっすぐ走るよ」


「1、2、3で走ってください」


「りょ……、了解」


 わざと震える声で言う


「1」


 袖から、それをバレないように押し出す


「2」


 もう少しだ。後、もう少し


「3」


 『さ』と言われた瞬間、振り向いてそれを相手の首に押し付ける


 予想外の行動らしく、引き金を引けずに膠着した金色ツインティルの美少女がそこにいた。


 勿論、制服で黒色ニーソックだ


 脳裏に白羽と戦っていた金色ツインティルの制服の黒ニーソの美少女の顔を思い浮かべる


 そして目の前の美少女と顔を合わせると


 一致した。


「……で、どうしたいんですか?」


「何が?」


「私はカッターナイフを首に押し付けられるなんて初めてなのでどうしたらいいのか分からないんですが……」


「とりあえず、お互いに相手の命を握っているんだから質問のし合いと洒落込まない?」


 少し、考えて


「…………。分かりました、お先に質問をどうぞ」


「じゃあ君は誰?」


「……私は、『教会』の者です。私の番ですね、あなたは何故、私たちが生きているのか知っていますか?」


「知っている、で、きょうかいって何?」


「人外などの処理をする機関です、で、なぜ私たちは生きているのですか?」


「噂では、魔王を引き継いだ『制限複製ポイントコピー』が魔王の力で、生き返らせたかららしい、なんでこんな所に来たの? まさか、こんな事を知るために?」


「いいえ、これはあくまでついでです。本命は『望箱パンドラ』を奪い合うゲームでの情報漏えいを防ぐためです、で、あなたは今回の件に関わっていますか?」


「関わろうとしているとこだよ」


「馬鹿ですか?」


「僕の番だよ、君の方はどこまで関わっている? 『箱』ともう出会った?」


「いえ……、まだです。あなたは何故、今回の件に関わっているのですか?」


「面白そうからと、知り合いに頼まれたから」


「そうですか……、で、その知り合いは誰ですか?」


「…………」


「質問を変えます、その知り合いは今回の件に直接関わっていますか?」


「ああ、直接関わっているよ、で、なんでツインティルにしているの?」


「特に理由はありません、何でそんな事聞くんですか?」


「いや、個人的には金髪サイドティルもアリだと思ったから。と言うことでサイドティルに変えてみない?」


「分かりました……って、なんか空気が変わっているのでシリアスな質問をします。あなたの能力は何でしたか?」


 と、言いながらもサイドティルにする目の前の美少女。


 って、そんな事より過去形って事はやっぱり消えているのか?


「『藍色の地獄プロミネンス』、発火能力だよ、で、君の名前は何?」


 まあ、能力なんて本当はないんだけどね


「……宴崎えんざき シノルです。最後の質問です。なんでそんな事聞くんですか?」


「特に理由はないよ」


 こうして僕と宴崎えんざきとのファーストコンタクトは終わった。

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