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ゲーム  作者: 中二 病
16/21

ボーナスステージ

 白羽がメールを確認した後、僕と白羽は雑談しながら家に着いた。


 そして、今、その雑談の延長戦を居間で繰り広げている。


「で、なんでポニーティルにしないんだ?」


「何度言ったら分かる!? あれはもっと大人の女性がやるからいいんだ!」


「ふざけんな! ポニーティルは貧乳があってこそ、身長が低いからこそ引き立つ!」


「っは、何を言う! ポニーティルはスタイルがよくて、それなりに胸がある人でこそ完成するのだ!」


「いいか? ポニーティルには貧乳が一番だ!」


「違う! ポニーティルは巨乳が一番だ!」


 いつの間にか、ソファーから立ち上げってた僕達は、一度、ソファーに座りなおした。


 白羽は僕が用意したコーヒーを一口すすり、宣言する


「ならば仕方が無い。戦争だ!」


 どこからか、ホワイトボードを持ち出して勝手に色々と喋ってくる。


 勿論、ソファーに眠っている猫などお構いなしだ。


 が、僕も負けれない。


 僕もどこからともなく黒板を取り出してきて、図を描きながら喋る。


「だから、ポニーティルh……」


 しばらくして、白羽はソファアに倒れた。


 やっと、睡眠薬が効いたか


「なはら、ポニーティルわ……」


 こいつ、夢の中まで討論を続ける気か?


 まあ、兎にも角にも


「猫、行くぞ」


「はーいー」


 今まで狸寝入りしていた猫は、そのまま元気に起き上がる


「まったくー、いつまでも討論つづけるから、本気でねかけちゃったよー」


「それはごめんな。ほら、コート着て。結構外は肌寒いよ」


「ん、ありがとー」


 クローゼットから取り出した黒いコートを素直に受け取り礼を言う猫。


 こうして猫を先頭にして僕は家を出た。


 そのまま、学校へ向かう


 そしてついさっき出たばかりの校門をくぐり


 そのまま、校長室に向かった。


 勿論、元魔王に会いに

 

 そして、明かりがついている校長室の部屋のドアを開けた。


 そこには普通のおじさんが、お茶を三つ用意して応接用のソファーに座っている


「やっぱり、貴方でしたか、校長」


「ええ、そうです」


「はじめましてかなー? こうちょーせんせいー」


「はい、そうです。神様」


 そのまま、高そうなソファーに座り、向こうから口を開く


「いやはや、まさか神様がこんなところにいるなんて思いもしませんでした」


 勿論、その言葉は僕に向けられたものだ、


 いや、本当は猫に向けられたものだ。


 そう。


 猫はこの世界一般で言う神様だ。


 落ちてきてからちょっと色々あって、気づいたら猫は神になっていた。


 まあ、この話は今はいいか。

 

「うん。ちょっととっしーに野暮用があってねー」


「うちの一番の問題児に?」


「うん、とっしーは世界で一番の問題児だもんねー」


「そうだけどさ……。と、ともかく今回の件、あなたは何か関わりましたか?」


「今回の件って何のことですか?」


「この魔王継承ゲームです」


「何もしてません。せいぜいメールを送っただけで」


「そうですか」


「でも、まさかあんなふうに神様を使うなんて正直驚きました。あの内海くんでさえ驚いていましたし、まさか、メールの偽造なんて」


「魔王に褒められるなんて光栄です」


「褒めてはないんですけどね……、あと、今はもう魔王じゃありません」


「そうでしたね」


「あ、そうそう私から一つ質問があるんですけど、あの白羽って子。なんで内海君に勝てたのですか?」


「それは彼女が僕のヒントに気づいたからですよ」


「ヒント?」


「ええ、僕は白羽との会話の中で『能力はコピー出来なかったにしろ、一回、ともに戦ったじゃないか』とヒントをあげたんです」


「? それって『幻想殺し』を君達が殺したときですよね? たしか白羽君は一度も『幻想殺し』に触ってなかったはずだからはヒントにはならないはず……」


「いえ、校長。確かに白羽は『幻想殺し』に触ってはいませんが、触ってはいますよ」


「ん、あそういうことですか。首を絞められた時ですね」


 そう、白羽の能力は触れればいいのだから、わざわざ自分から触らなくてもいい。


「そうです。まあ、コピーしたなんて本人も気づいてませんでしたから」


「なるほど、で、君は内海君に『幻想殺し』以外の能力を教えた」


「ええ」


「そして途中、白羽君にヒントを与えて逆転させたのですね」


「ええ」


「でも、待ってください。それじゃあ、あなたは何故、白羽君を一度裏切ったのですか? そんな事をしてもリターンは無い、逆に貴方が白羽君に殺されかけたからむしろリスクしかないじゃないですか」


「ええ、ですが思い出してください。僕の思考は『現象殺し』に筒抜け、だからこそ、一度裏切ってからじゃないと内海さんにはこの策が通用しない。なぜなら、対抗策をあの右手で練られただけで終わりですから」


「ああ、そうですね。私はてっきり貴方が、自分の手のひらの上でもっと面白い遊びをするための裏切りと思ってました」


「あはは、そんな訳無いじゃないですか」


「そうですね。さすがは学校一番の問題児でもそんな事はしませんよね」


 元でも、魔王か……


「ねえ、とっしー。もう元魔王を確認できたんならかえろー?」


「そうだね。帰ろうか」


「では、また明日からよろしくお願いしますね。智梨君」


「ええ、こちらこそよろしくお願いします」


「じゃあねー。こうちょー」


「ええ、さようなら。神様」


「あ、そうそう、校長先生」


「まだ、何か?」


 ドアを開けて一歩踏み出したとき、振り向きざまに僕は言う。


「ネーミングセンス。悪いですよ」


 校長先生こと元魔王こと『名造者クリエイター』は一瞬、呆けた顔をした後


「ええ、自分でも分かってます」


 こうして僕と猫は校長室を後にした。

 これにて、第一章、終わりです。


 読んでくれて有難うございました。


 さて、次章は三月の話です。

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