ステージ 1-13
首を絞められているのにも関わらずに、何故か僕に視線を向けてくる白羽。
もしかして、助けでも求めているのかな?
今更、助ける気はさらさら無いんだけどね……
仕方なく、僕は白羽に笑顔を返す
何かを感じたらしく、目をつぶって思考する白羽
内海は、現在手のに力を使っているので、白羽が考えている事は読めないだろう。
次の瞬間
白羽の目に生気が戻り
口を開いて言う
「最初で最後になるが最悪な人間だな。とっしー」
どんだけ『最』を使うんだよ……
「ん、あれ? まだ喋れるの?」
「そうみたいですね」
何も考えるな。僕
思考せず、ただ目の前の光景を見続けて信じろ。
なんて事を珍しくも僕が思った瞬間
首を絞めている右手に白羽は自分の左手を重ねる
何に驚いたか知らないが、内海は首から手を離した。
が、白羽の左手は内海の右手を離さずにがっしりと捕まえ
右手で落ちていたナイフを起用に拾い上げ、横に一線、内海の首を切った。
体力を消耗しているせいか、首は繋がったままで、動脈だけが切れていた
まったく、無駄な足掻きだとは思わないかい?
そんな意味を含んだ目で白羽を見て、抑えられている右手を首まで持ち上げた。
地の力じゃ、内海のほうが体格的に上なのであっさりと右手は上がる。
が、それでも白羽は右手を離さずに掴んでいた。
やがて、内海の右手は首の傷に触れて
傷を治す、
はずだった。
しかし、結果は……
「なぜ直らない!?」
その時、僕は初めて内海の焦った声を聞いた。
何かに気づいたらしく白羽の手を振り払おうとするが
すぐに白羽は両手で内海の手を押さえ込んでいた
内海も左手で、白羽から手を放そうとした瞬間
白羽は両手を掴んだまま、後ろを向いて
そのまま、内海の体制を崩して背中に乗せ
地面に思いっきり叩きつけた。
勿論、運動場なのでまともに受身を取れるわけも無く
右手を掴まれたまま、喘いでいた。
「たす……け……てくれ……」
「何か言いましたか? 内海さん」
「ふざけ……るな……。やくそ……く……ち……う」
「どの約束でしたっけ?」
「だ……から……」
「あれ? 僕は貴方と手を組むにあたって、戦闘行為に参加しなくてもいいはずですよね」
「うら……ぎった……か?」
「ええ。それがどうかしましたか?」
次の瞬間、僕に掴みかかろうとしたがすでに血が大量に抜けて、尚且つ手を押さえられているので出来ない。
やがで
ビクッ!
としたかと思うと急に、内海さんの息が止まった。
「白羽、そのナイフを貸してくれ」
「ああ」
僕の要求に何の疑いも無くナイフを貸してくる。
まったく、これだから……
受け取ったナイフで白羽の腹を刺す、
いや、別に差していないんだけどね
そのまま、内海さんの死体のところまで行き、ナイフの刃を右肩にあてがって、そのまま足で踏みつける。
そして何度も踏みつけた後、やっと腕を切り落とした。
不意に
視線を感じて校舎を見たが誰も見当たらない。
「何で切り落とす必要がある?」
「人間、息が止まったからって簡単には脳が死なない。だからこうやって危険を排除しているのさ」
「そうか」
「そうだよ」
それだけ言ってナイフを白羽に返した
そして白羽の携帯が震えた。
すぐにメールを開いて確認した後、それを僕に見せた。
そこに書いてあったのは
『魔王就任、おめでとうございます』
とそれだけだった。
とりあえずこれにて一段落です。
伏線の回収などはボーナスステージににて行いますので、しばらくお待ちください。