ステージ 1-10
まあ、そうなるよな……
僕は、校舎内で繰り広げられた戦闘の結果を確認する。
曰く、白羽 柚姫、現在、無傷で全勝。
他参加者、死んでいるか、怪我をしている。
さて、次の白羽の対戦相手は……
美少女。
…………は?
え、待て
待て待て待て
どういうことだ?
なぜ美少女がいる?
しかも、金髪ツインテイル。
……さらに、なぜ学校の制服に黒ニーソ?!
……反則です。
ええ、これは立派な反則です。
駄目です。黒色と金色のコントラストは反則です。
生き残っている男性陣は目が釘付けになっている。
そして、戦闘が始まる合図の携帯がなった瞬間
両者、同時に前に走り出し
キンッ!
の音をたてながら、戦闘を開始した。
かと思えば距離をとり、白羽は超電磁砲を撃つ。
が、コインが弾かれる前に相手は軌道から体をずらし、超電磁砲を撃つ。
すぐさま白羽は防御の能力『絶対防御』を発動する。
コインが落ちた後
パチッ!
の音を確認した白羽はすぐさま横にとぶ
次の瞬間、白羽が立っていたところから火柱が上がった……
予想外だ。
予想外だ。予想外だ。
予想外だ。予想外だ。予想外だ。
予想外だ。予想外だ。予想外だ。予想外だ。
誰だ?
一体、誰だ?
誰が言った?
いや、誰も言ってない。
コピー能力者が二人もいないなんて誰も言ってない。
僕が勝手に錯覚していただけだ。
だから、落ち着け
このぐらいのミスだったら大丈夫だ。
あの時みたいにはならない
いや
待て
じゃあ、何で僕は気づけなかった?
猫から貰ったデータに載っていなかったから
なんで載っていなかった?
本当の能力をメールに記されてなかったから
なんで記されてなかった?
決まってる。裏に誰かがいるってバレていたんだ……
…………落ち着け。
まだ切り札を出すな
お願いだ。まだ出すな。
そう願いながら、僕は戦闘を見た。
またも接近戦にはいっている二人はどんどん加速していく。
コピーされた能力をお互いにコピーしながら、だんだんと速さが増してくる
そして、気づく。
いつの間にか、まわりに人は居ない、
いや、ただそこらへんで死んでいるだけなんだけどね
……内海か。
横を見ると、仮面を外しサラリーマン姿の内海さんがいた。
「いやー、凄いねー。あのお二人」
「そうですね。さすがコピー能力同士ってところですね」
「そうだねー。もしかしたら僕、負けるかもねー」
「何言っているんですか? 貴方に勝ってもらわないとこちらは困るんです」
「あはは、冗談だよー」
「……周りの人を殺したのは貴方ですか?」
「うん、この左手でね。パァーと殺した」
「……もし、急に人が消えたことに気づかれたらどうするんですか?」
「あれほど熱中していれば大丈夫でしょ」
「まあ、そうですけど……」
「そんな事よりさー。あの娘何? 君に貰った資料には無かったから、わざわざ見に来たんだよ」
「ええ、どうやら、裏に誰かがいることが気づかれてしまったようで……、すみません」
「いや、別にいいよー。コピー能力ぐらい簡単に殺れるからさー」
「まあ、そうですね……」
「お、もうすぐフィニッシュかな?」
内海さんがそう言って数秒後
お互いに手に槍を持ち、盾を持ち一気に突っ込んで行って……
白羽の盾が壊れると同時に、相手の槍が壊れ
相手が倒れると同時に、白羽は膝を突いた。
つまり、白羽は勝った。
そして相手の盾が壊れると同時に、白羽の槍が壊れた。
そして気づく。
周りに僕と仮面の内海さんしかいないということに
一瞬、彼女はこう思ったのだろう。
『終わった』
と
けど
残念だったね
まだ
終わってないよ?