タイトル未定2025/04/02 19:47
初投稿です!
適当にメモで書いてた妄想をコピペして投稿してみました!
読んでいただけたら嬉しいです!
森の中を駆けていく
追手に捕まらないように
家はすでに焼かれた
帝国の者が襲いにきたのだ
お父様とお母様はどうなったのだろうか。
足の裏が痛い
突然のことだったので裸足で逃げ出してきてしまった
帝国軍が追ってきていないかと振り返った瞬間足を踏み外してしまった---
目が覚める。
飛び起き、周りを見渡すが人は見えない
ただパチパチと燃える焚き火が目に入る。
昔、お父様と行ったキャンプを思い出す。
「おい」
背後から聞こえた声に慌てて立ち上がり逃げ出そうとする。
「待て、何かするつもりはない」
そう言われ、思わず止まって振り返る。
そこには歳を取ったケンタウロスがいた。
「えっと...」
助けてくれたんですか?と聞く前にそこに座れとジェスチャーをされる。
横になった丸太に腰をかけると老人は話し始めた。
「あそこで倒れてたのはなんでだ」
「帝国軍に追われていて、逃げていたら足を踏み外してしまって...」
すると老人は不思議そうな顔をして聞き始める
「帝国軍...何かしたのか」
その言葉に首を振り、起こった出来事を説明する。
「そうか。」
それだけ言い、テントを設営し始める。
(それだけ?)
正直彼には関係ない。
ただ、感情のやり場を探していたんだ。
「冷たい人ですね」
吐き捨てるようにそう言ってしまう。
老人はこちらを一瞥し、作業の続きをする。
「関係ないですもんね。私たちの村のことなんて」
口が止まらない
あぁ、お礼をしたいと思っていたのに
それでも彼は
「手伝え。」
優しい声でそう言った。
「......ごめんなさい。」
この人に会えたことは幸運だった。
この出会いがなければ私はきっと帝国軍が獲った首のひとつとなっていただろう。
「寝ろ」
テントを作り終えたあと私にテントに入るよう促すと彼は焚き火の前に寝袋を敷き始める。
「朝になったら俺の小屋まで帰るぞ」
「小屋...ですか?」
私の言葉に頷くと寝袋に入り込んで寝てしまう。
(また、明日聞こう)
そう思ってテントで毛布にくるまる。
疲れていたのかいつのまにか朝になっていた。
幼かった頃の夢を見た気がする。
懐かしさと共にもう会えないのかという思いで胸を締め付けられる。
...?
外が騒がしい。
「帝国の者だ。ここらにエルフの娘を見なかったか?」
帝国軍だ...私を探している!
荒くなる息、止まらない動悸
「嘘をつくならお前も殺す」
もしかしたら、知らされてしまうかもしれない。
(逃げる準備をしなければ...)
そう思った時
「知らん」
その声を聞き、安心する。
「そうか、周辺を探せ!まだそう遠くは行っていないはずだ!!」
軍馬の蹄音が去っていく。
助かったのだろうか...
「おい」
突然のかけられた声に驚く!
「なにを変な格好をしている。さっさと行くぞ」
老人はテントもそのままにし、
去っていったであろう方向と逆に歩き始める。
帝国軍に見つかることもなく無事に木の小屋が見え始める。
「着いたぞ」
そういうとさっさと小屋に入って行ってしまう。
ドアが大きい。
ケンタウロスサイズだ。
少し背伸びをしながらドアを開ける。
(開けといてくれてもいいのに...)
結構開けるのはきつかった。
「俺はテオドロスだ」
ドアを閉めると急に自己紹介をされる
戸惑っていると
「名前」
そう言われようやく自分も聞かれていることに気づいた。
「あ、私の名前はアリサです」
それから何日か、その家で過ごし
たまに獲ってくる鹿などの肉を食べるうちに手伝えることがないか探し始めた。
「テオドロスさん。私にも弓を教えてください。」
そういうと驚いた顔をしてこちらを見てくる。
「力になりたいんです。」
少し躊躇った顔をした後
「わかった」
決意をしたような顔でそう言った。
その後、少し笑いながら
「それと、テオでいい。」
「違う」
「そうだ」
「完璧だ」
「クソだ」
そんなことを言われながら少しずつ学んでいき、半年が過ぎた。
「よし...」
ついに狩りに行くことになり、心構えを教えられる。
「奪うことを忘れるな。奪ったものはお前の助けになっている。感謝を込めて奪うんだ。」
独特な言い回しだが命の大切さを説いてくれているのだろう。
「わかりました。」
私がそういうとなにも言わずに歩き始める。
この半年で分かったことは、とても彼が弓が上手いということと、非常に不器用だということだ。
うさぎを見つける。
「あいつを狙え」
当たり前のように言ってきたが
当たる気がしない。
「あの...当たる気がしないんですが...」
「良いからやれ」
そう言われ、私は弓を引き始める。
やはり外れた。
ザザザっと森の奥にウサギは消えていく。
「よし、よくやった。」
「ありがとうございます?」
この人はなにを言っているのか
変な顔で見てるとまた喋り始める。
「やることが大事だ」
言葉足らずにため息をつきながらまた他の動物を探し始める。
また、半年経ちようやくうさぎにも当たるようになってきた頃
森の様子がおかしいことに気がつく。
焦げているような、そんな匂いがする。
「アリサ」
ようやく見分けのつくようになった表情、
焦っている。
「逃げろ。帝国軍だ。」
「えっ、テオは?」
「俺は残る。やることがあるからな」
「やることってなに!良いから逃げようよ!」
引っ張った手をするりと抜かれる。
「生きて、お前も誰かを導くんだ」
「なにを言って...」
言い終わる前に裏口から外に出される。
「奴らがもうくる。行け。」
強くそう言われ、何も言えなくなる。
「俺は死なん」
私は、逃げ出した。
一年だけど彼の暖かさ、優しさ、強さ。
全て伝わってきていた。
きっと、嘘は、吐かない。
一月ほどした後あの小屋に戻ってきた。
焼け落ちずに残っているその小屋と
大量の人間の死体、
そしてその中心にいる、一人のケンタウロス。
「テオ...」
無数の槍がささっているが倒れず、堂々と立っていた。
テオを埋め、墓を立てた後小屋に戻る。
机の上には遺書があった。
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同志たちよ。
こんなに遅くなってしまったことをすまなく思う。
俺には、勿体無い友ができた。
土産話にしてやろうと思う。
クソだがいい人生だった。
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やっぱり、あんまり書かれていなかった。
「ふふっ」
少し笑い
机にまだメモがあることに気付いた。
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アリサ。生を楽しめ。
笑って生きていけ。
お前の笑った顔が俺は好きだ。
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あぁ、限界だ。
読んだ瞬間泣き崩れる。
まだ、話したかった。
父も母も、テオも、みんな自分を逃して先に行ってしまう。
残された私はどうしたらいいんだろう。
ひとしきり泣いた後、テオの使ってた弓と短剣を持って小屋を出る。
いつか心の底から笑える人生にしたい。
そう思いながら。
赤い花を墓前に添え、旅に出る。
決めたんだ。
私はテオがしてくれたように、誰かを導ける人になりたい。
それと、どうしてもやっぱり私には許せなかった。
くだらない復讐だと言われても...
最後まで読んでいただかありがとうございました!
また機会があれば!
感想ももらえたら嬉しいです!