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第5話「猫仲間」

 うひょひょひょ。


「ウチの猫くんは魔法使い~!」


うひょひょひょ!



 最近、コイツ壊れている。


まぁ、超常を理解してしまった人間に冷静さを求めるのは酷と言うモノか。


この異界には、魔法は無かったようだからな。その分、科学という凄いモノがあるが。



「何か起きないかなぁ~。」


何か言ってる芽唯流。


「あー、でも、魔法使う場面って、不幸な場面が大半かぁ。事件かぁ。いかんいかん。闇落ちする所だった。」


ヤレヤレ。



「でもやっぱ友達には自慢したいから出かけよう―っと。」


スマホで何やら連絡を付ける芽唯流。


――――――――


 散歩に出る。


私は芽唯流の腕の中、胸の中の定位置だ。


もう少し大きくなったら自力であろうか。まぁいい。



「あ!猫くん!ベビーカーの赤ちゃんが坂道を!」


「にゃにゃにゃなににゃ!」


ベビーカーは不自然に停止して、バックして坂の上に。


慌てて走って来た若いお母さんが、え?え?という感じでキョロキョロしている。


「猫くんえらい!」


ヤレヤレ。



「あ、猫くん、風船がフワフワ飛んでる。下でちっちゃい子泣いてる!」


空をぴゅーっと飛ぶ。風船をくわえて、小さい子の所に降りて行った。


子供は驚きのあまり硬直してる。


私は再び芽唯流の胸に戻った。


「猫くんエライ!なでなで~!」


コイツはやっぱり事件を探しているのではないだろうか…!?



「あ、猫くん、あそこでカラスに襲われているスズメが!」


「にゃにゃんにゃにゃ!?」(お前は不幸体質か!?)


カラスを追い払う。


「頑張ったね~!大活躍だね~!なでなで!」


…コイツ!危険な奴!




 「芽唯流、その子が猫くん?」


「ああ、瑠香。そうだよ。カワイーでしょ。」


瑠香と言われた子は、芽唯流と同じくらいの歳に見える。


どうやらここで会う約束をしていたらしいな。



ボブカットでクリンとした目の可愛いメガネっ子だ。芽唯流より少し背が低い。


そして、胸に白い猫を抱いている。似たような子猫だ。ほうほう。



「みゃみゃみゃーみゃっみゃ?」(お前、魔法使いか。ご同郷か?)


何だとー!?


「みゃにゃにゃ、みにゃなににゃ?」(驚いたな。貴様も異界から生まれ変わったのか?)


「みゃーみゃにゃにゃ、にゃにゃみゃみゃみゃ」(そうらしい。子猫に転生とは災難だぜお互いヨウ。オレの名はライアン。宜しくな。)



「わーカワイイ、お話してるみたい!」


「え、猫くんまさかその子も魔法使い?」


「芽唯流う、いくら何でも魔法ってさぁ。はは、まじ言ってんの?」


「ほ、ほんとだし!猫くん、魔法使って。」


使うわけ無いだろう。捕まるぞ?解剖されるぞ?SNSで晒されるぞ?



「何もないじゃん。」


「…ちょっと猫くん!何でよう!?」



「にゃみゃみゃにゃ~みゃみゃ。」(カワイイがアホっぽい飼い主だな)


「にゃ。みゃ。」(その通りだ。白猫。)



「…ねぇ、猫くん抱いて見ていい~?」


「いいよ~とっかえっこ。」


オイ。本人の意向を聞け。


ぱふ。瑠香少女の胸に。


ふむ。少々抱かれ心地が違う。


…ママのほうがいいな。


…落ち着け私よ。



「みゃ、みゃみゃあ。」(お、こっちの子の方が胸大きい。)


「みゃみゃみゃ!みゃみゃ!」(貴様、芽唯流をイカガワシイ目で見るな!)


「にゃ、みゃみ?みゃ~ん。」(そんなこと言って、お前も散々楽しんだんだろう?いいじゃねえか。オマエも今、瑠香の胸を堪能しているんだろう?いいんだぜスリスリして。)


「みゃみゃ!にゃあ!」(この下衆が!お前と一緒にするな!)


「みゃみゃ、みゃーみゃみゃ。」(ふふ、このまま顔を舐めてやるぜ…キスしちゃうぜ)


貴様!許さん!


「みゃにゃ!“にゃにゃにゃ”!」(どけ!“テレキネシス”!)


白猫は空中へ。近くの足元におろす。叩きつけないだけ感謝しろ!



「うわー!宙に浮いた!!うっそお!!」


「あー、猫くんさてはヤキモチ焼いたな~!?可愛いんだからー!ちゅっ!」


!……まぁいいか。



「芽唯流、今のが魔法!?まじかー!!」


「瑠香、内緒だよー!てへ!」


白猫は再び瑠香の腕の中に。



「よくわかんないけど、いいなあ。ねえ、アンタも魔法使えない?りりんちゃん?」



「みゃー!?」(りりんちゃんだと!?)


「にゃな。」(うるせえ、ほっとけ。)



「みゃーなみゃみゃにゃー!」(お前、メスかー!)


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