表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

第2話「猫くんの初ドラ」

猫くん、第2話でついに魔法を使う!

真夜中に拾った子猫の中には、300歳の大魔法使い!軽め、短めのローファンタジーです。お気楽に是非。



 ぶーん。


ママが運転する黒いボックスカーは、雨の中を走ってる。


ゲリラ豪雨って言うのかな。まさかこんなに降るとは。傘持ってなかった。


なので、電話してみたら、ママが学校まで来てくれた。



こういう時、帰宅部である事がラッキー。帰りの時間が判り易いからね。


更に嬉しいのは、ママが猫くんを連れて来たこと。


猫くん、初ドライブ。



 わたしの胸に抱かれている猫くんは、さっきからキョロキョロ。


見慣れぬ景色に驚いてるんだねー!かわいー!




 …なんだ、この鉄のチャリオットは!?速い!速すぎるぞ!


この光る3つ目は何だ。あれが規則なのか!?赤だと止まるのか!?


面白い世界だ…!面白い!実に面白い!


さっき”めいる”が出て来た。“学校”という所も面白い。魔術学院のようなものか。参考になる!




 「ところで、まだ猫くん(仮)なの?パパの言ってた“クロたお”で良くない?」


むむ、どこかで聞いたような?


「うーん。どうも違う気がして~。」


レテネージだ。テレパシーで送ってやろうか。


「いつまでも“猫くん”も可哀そうじゃない?」


「うーん。もうちょい考える。」


…よし、送ろう。テレパシーの呪文を…。



 その時だ。横から違うチャリオットが飛び出して来たのは。


似たような大きさの、グレーのチャリオットだ。


こっちが青では無かったか!?


芽唯流が悲鳴を上げる。



芽唯流!!



 “テレキネシス!”邪魔だ!浮け!


「ミャミャミャミャヤヤ!」


グレーのチャリオットは空中5m位に浮き、我々のチャリオット…車を通す。



ママ殿は、ぜえぜえ息を切らしながら、車を止めた。


「し、死んだかと思った…。」


「ママ…あの車浮かなかった?わたし、夢見てる?」



背後に、ドンっと音がする。


30cmぐらいまで下げてから落としてやった。



 もう1つ位、罰を与えておこう。くっくっく。


“ラスト!”サビの呪文。金属を一瞬で錆びの粉にする凶悪な魔法。


これを掛けられた戦士とかは良く泣いていたなぁ。くっくっく。


「ミャミャミャ―!」


後ろのグレーのヤツが天井を失って、ずぶ濡れになることをイメージした。


…あれー。この私の魔力を受けて何故無事?落ちたものだなぁ。


天上に変化は見られない。



「ミャミャミャ―!」今度は車全体を覆ってやる!


ガコっと音がして、グレーの車は下に小さくなった。何か潰れたらしい。


中からオヤジが出て来て、車を見てなんか叫んでる。


次の瞬間、オヤジのズボンが下にずり落ちた。


…腰の留め金も金属だったか。


オヤジが<いや~ん>、なポーズを決めている。ちょっと可哀そうになった。



「…ママ、ぶつかって無いし、行っちゃっていいよね…変質者っぽいし…。」


「そ、そうね、よくわかんないけど行きましょう。」


ぶーん。


車は走り出した。



「夢でも見た?錯覚?魔法にでもかかったみたい。」


芽唯流はそんなふうに呟いた。いい勘してるじゃないか。


――――――――――


 あ、そう。アルミとかプラスチックって言うのはサビないのか。


本体の駆動部が鉄で、粉になったのか…。


へー。言ってくれよ。へー。



芽唯流のスキを突き、スマホで検索。


普段のオマエを見て、凡その操作法は理解したぞ。



「あ、猫くん、スマホは触っちゃ駄目!」


…バレた。まさか操作してるとは思うまい。



ヤレヤレ。魔法の触媒無し。指輪も杖も無い。魔法を連続で使うのは、この体ではキツかったらしい。せめて触媒を造れたらな…。


ひょい。軽く持ち上げられた。


「眠いの?猫くん。」


そのまま、抱きかかえられる。


…いつものことだが、そのムネでぎゅっとするのやめてほしい…。少しはうら若い女性である自覚を…。


…猫だからいいけどな。いや、いいのか…?


あ、ダメだ。眠い。精神力が…。



…ママ、温かいニャ。


やめろ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ