「過去生からのメッセージ」(主人公:里美、35歳、女性、ヨガインストラクター)
ヨガインストラクターの里美は、日々の瞑想には欠かせないフェナカイトを、いつものようにお気に入りのポーチから取り出した。石を手に取った瞬間、温かなエネルギーが体中を包み込む。深呼吸をしながら、意識は深い瞑想状態へと誘われていく。
里美は、フェナカイトのエネルギーに導かれるまま、意識を内側へと向けていく。すると、目の前に一筋の光が現れた。その光に吸い込まれるように、里美の意識は現在から過去へとさかのぼり始めた。
遥か昔のエジプト、自分は神殿の巫女だった。荘厳な神殿の中で、女神イシスに仕える日々。瞑想と祈りが生活の全てだった。里美は、過去生の自分の感覚を鮮明に味わう。聖なる香りが漂う中、巫女としての自分が神聖な儀式を執り行う姿が見える。
さらに記憶をたどっていくと、巫女としての人生の目的が明らかになってきた。人々の心と体を癒すこと、スピリチュアルな智慧を伝えること。里美は過去生の自分と完全に一体化し、魂の奥底からメッセージを受け取った。
「今世でも、あなたにはヒーラーとしての使命がある。ヨガを通して、人々を癒やし、導いていきなさい」
目が覚めた時、里美は全身が熱くなるのを感じた。フェナカイトが、自分の魂の物語を教えてくれたのだ。過去生の巫女からの叱咤激励が、里美の心に深く刻み込まれる。
里美はフェナカイトを胸に抱きしめ、心の中で誓った。「前世から続く使命を、今世でも全うするわ」と。そして、ヨガのクラスで生徒たちに向かって語りかける。「私たちの体は神殿。心を込めて大切にしましょう」その言葉には、エジプトの巫女の面影が宿っていた。
里美とフェナカイトの絆は、過去世からの縁。今世でその絆を胸に、里美は静かに、しかし力強く、ヒーラーとしての人生を歩んでいく。