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「祈りの先に」(主人公:舞、35歳、女性、看護師)

看護師の舞は、日々の業務に追われ、心に余裕を持てずにいた。ある日、患者さんからロシア産フェナカイトのペンダントを贈られる。「このペンダントに願いを込めて瞑想すると、心が癒されるのよ」その言葉を胸に、舞は瞑想を始めた。


ペンダントを握りしめ、深い呼吸を繰り返す。すると、意識の奥底に、かつて忘れていた記憶がよみがえる。幼い頃、祖母と一緒にお寺で祈りを捧げた日のこと。祈りの言葉が、舞の心を優しく包み込む。


瞑想を続けるうちに、舞は仕事に対する姿勢が変化していくのを感じた。患者さんに寄り添う気持ちが以前にも増して強くなり、心に余裕を持てるようになる。祈りの心を忘れずにいれば、どんな困難も乗り越えられる。そんな確信が、舞の胸に芽生えていた。


ある日、末期がんの患者さん、良子さんを担当することになった。良子さんは、残された時間を穏やかに過ごしたいと願っていた。舞は瞑想で培った祈りの心を胸に、良子さんに寄り添う。


「一緒に瞑想をしてみませんか?」そう提案すると、良子さんは嬉しそうに頷いた。二人で手を取り合い、フェナカイトを握りしめる。静かに目を閉じ、祈りの言葉を唱える。


瞑想の中で、舞と良子さんの意識は、美しい光に包まれていた。光の中で、良子さんの笑顔が輝いている。「もう怖くないわ。この光に導かれて、安らかに旅立てる気がする」そう語る良子さんの言葉に、舞は涙を流した。


その日から、舞は良子さんとの瞑想の時間を大切にするようになった。穏やかな時間が流れる中で、二人の絆は深まっていく。そして迎えた良子さんの最期の日。舞は良子さんの手を握りしめ、祈りを捧げた。「安らかに、あの光の中へ」。良子さんは微笑を浮かべ、静かに息を引き取った。


良子さんとの別れを経験し、舞はフェナカイトとの縁を感じずにはいられなかった。このペンダントが、自分に祈りの心を思い出させ、良子さんを導いてくれたのだと。


舞は看護の道を究めようと決意を新たにする。そして、ロシア産フェナカイトのペンダントを胸に、患者さんたちに寄り添い続けた。瞑想で培った祈りの心を持って、一人一人に向き合う。時に涙を流しながら、時に微笑みながら。


「祈りの先に、必ず光はある」。そう信じて、舞は看護師の道を歩んでいく。ロシア産フェナカイトが、その歩みを優しく見守っている。舞の祈りは、患者さんたちの心に希望の灯をともし続けるのだった。


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