「星空の約束」(主人公:大樹、18歳、男性、高校生)
高校生の大樹は、幼いころから天文学者になることを夢見ていた。毎晩、星空を見上げては、宇宙の神秘に思いを馳せる。大樹の母親は、大樹の夢を応援し続けてくれた存在だった。
高校3年生のある日、母親が突然倒れ、余命わずかだと告げられる。母親は大樹に、一つのロシア産フェナカイトを手渡した。「このフェナカイトには、星空の夢が込められているの。あなたの夢を、最後まで見守らせてね」そう言い残して、母親は息を引き取った。
大樹はフェナカイトを手に、毎晩瞑想をするようになった。星空を思い浮かべ、母親との思い出に浸る。すると、意識の中に母親の姿が現れ、大樹に語りかけてくるのだった。「あなたの夢を、あきらめないで」母親は大樹を励まし続ける。
大樹は母親との約束を胸に、天文学者への道を進むことを決意する。大学の天文学部に進学し、ロシア産フェナカイトを片手に、夢に向かって突き進んでいく。
大学時代、大樹はロシアからの留学生、ナターシャと出会う。ナターシャもまた、天文学を学ぶ学生だった。二人は星空への思いを共有し、親友となっていく。大樹はナターシャに、フェナカイトにまつわる母との約束を打ち明ける。
「私の故郷には、フェナカイトにまつわる伝説があるの。星空の夢を叶える力があると言われているわ」ナターシャはそう告げ、大樹を故郷に招待した。
シベリアの大自然の中、二人はフェナカイトを手に星空を見上げた。満天の星が、二人を優しく包み込む。大樹は母を思い、涙を流した。「お母さん、私は必ず夢を叶えるよ」そう星空に誓ったのだった。
帰国後、大樹はフェナカイトを胸に、研究に没頭する。ナターシャもまた、ロシアで天文学者としてのキャリアを積んでいった。二人は星空を通して、いつまでも結ばれていた。
そして10年後、大樹はある発見をする。新たな星雲の発見だった。その星雲は、まるで母の優しい瞳のように、大樹を見守っているようだった。大樹は涙ながらに、星雲に母の名前をつけた。
発見は世界的ニュースとなり、大樹は天文学者としての地位を確立する。記者会見で、大樹はロシア産フェナカイトを取り出した。「このフェナカイトが、母との約束、夢への道しるべでした」そう語った大樹の姿は、母の面影を宿していた。
ナターシャも駆けつけ、大樹を抱きしめる。「あなたは、星空の夢を叶えたのね」二人のフェナカイトが、星空に輝いた。
大樹はこれからも、星空を見上げ続ける。母の思い出を胸に、星空の神秘を解き明かしていくのだ。「星空の約束は、永遠に私の心の中で生き続ける」大樹の言葉は、フェナカイトの輝きとともに、宇宙に響き渡っていった。