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エッセイアラカルト

苦手から好きを見つけたい

作者: 降井田むさし

苦手から好きを見つけたいんだ。




●苦手なもの① ⇒よくある柔らかめのアイスクリームに、カラメルとかキャンディーとか、カチカチの硬めの小さい物質がいくつも混ざっているもの。柔らかいものと硬いものの、差が激しいものほど、ゾワゾワする。


○見つけた好き ⇒硬いものだけで食べるとおいしい。柔らかいものだけで食べるとおいしい。見た目が美しい。他の人を幸せにしている。食感に遊びを入れた勇気に感謝。挑戦する心がいい。




●苦手なもの② ⇒金属の容器に入ったババロアを、同じく金属でできたスプーンで食べること。他の人は普通に食べていた。ゆっくり掬おうとしても、擦れる音がする。シャンシャンみたいな、不快な音がする。その音に、ゾワゾワする。


○見つけた好き ⇒ババロアがぷるぷるだった。美味しかった。容器がキラキラしていた。少しずつ食べて、味わえた。耳栓をするという、考えが思いついた自分がいた。楊枝や木の匙などの木製道具が、好きになった。イヤを感じられる自分がいた。




●苦手なもの③ ⇒英語の月の名前を覚えること。【なんとかリー】とか、【なんとかバー】がありすぎて、ごちゃごちゃになる。卯月とか如月とかも、月が重なるが、それは大丈夫だ。日本語だから。


○見つけた好き ⇒なんとかリー、なんとかバーのなかに出てくる短いヤツ。マーチとか、メイとか。それは、分かりやすくて、好きかもしれない。特に、5月生まれだから、メイは好きかもしれない。長い名前の中に、急に出てくる2文字とか、大好物すぎる。




●苦手なもの④ ⇒近くのディスカウントストアの、飲み物とか売っている冷蔵庫。そこで、鳴り響いている轟音。脳に響くような、低音と高音が混ざったような【ゴォーッ】という音。それが、かなり苦手だ。だから、なるべくそこは、はやく通り抜けようとしている。


○見つけた好き ⇒他のお客さんは、嫌な顔もせず、平然と買い物をしていた。僕は、耳を塞いだり、顔をしかめたりしていたのに。ごく普通だった。僕と他の人は、一緒の空間にいる。なのに、別世界にいるみたい。そんなのが、少し好き。そんなシチュエーションが、少し好きだ。




●苦手なもの⑤ ⇒信号のない横断歩道の前に、立ち止まっていること。そこに立っていると、車を止めることになってしまうから。車を止めてまで、はやく渡りたいとは思わない。止まってくれたら、はやく渡らなければと、思って走る。それが、なんか嫌だ。だから、横断歩道ゾーンから、少し離れて待って。車がすべて通りすぎたら渡る。それをやっている。


○見つけた好き ⇒小学生は横断歩道で、手を上げて堂々と渡っている。その姿が好きだ。小学生と一緒に、横断歩道で待って。手を上げて堂々と渡る小学生の後を、申し訳なく渡る。そのシチュエーションは、今までに一回もなかったが。なんか、好きかもしれない。

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