とある勇者ととある魔王と
ついに俺は魔王との決戦の場所、魔王城までたどり着いた。
本当に長い旅路だった。
始まりの村に産まれて、勇者の洗礼を受け、伝説の剣を手にしたときから俺の運命は決まっていたのだ。
さぁ、いよいよ魔王との決戦だ!
勇者「おい、魔王! いるんだろ! 出てこい!」
魔王「ふふふふ。よく来たな、勇者よ」
勇者「今日こそ決着をつけてやる!」
魔王「貴様のようなただの人間にやれるかな?」
勇者「覚悟しろ!」
俺は伝説の剣を天高く掲げ、呪文を唱える。
勇者「天上の神、大海の王、地上の星たち今こそ我に、力を与えたまえ」
魔王「くっ、まばゆい光が広がって前が見えぬ!!」
呪文を唱え終わった俺は伝説の剣を魔王に向かって振り下ろす。
しかし、魔王は間一髪のところで俺の攻撃を避けてみせる。
魔王「ふははは。遅いぞ、勇者よ! 何度も食らった技! さすがに見きったわ!!」
勇者「くっ! さすがに初手で毎回同じ技を使うと見切られてしまうか!」
魔王「次は私から行くぞ!」
勇者「望むところだ!!」
魔王は禍々しいオーラを身に纏い、詠唱を始める。
魔王「Цяжка больш заа, але ці маг спыніцца」
魔王「喰らえ!!」
魔王は右腕から熱波をこちらに放ってくる。
範囲が広すぎるその攻撃を避ける手段は、俺にはなかった。
しかし、その時、俺の幼馴染の女の子が助けに入ってくれた。
幼馴染「勇者! あんたはこんなところで負けちゃダメよ! あんたを必要としている人たちがたくさんいるんだから!!」
勇者「幼馴染! ありがとう! 助かったよ!」
魔王「ふははは。勇者よ。女に助けられるとは情けない奴よ!」
勇者「だまれ! さぁ、リベンジマッチだ! 覚悟しろよ!」
俺たちの戦いはこれからだ!