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IFルート 主人公闇落ち

作者: 詩稀

書きたい部分だけ書いているので途中で終わっています。

長い旅をやってきた。

俺は魔王となった。魔王はあいつらじゃないと討てないらしい。だから早く討ってくれ…。



かつて仲間だったあの3人は途中で捨てた。この成長速度だと4年では終わらなさそうであったからである。実は旅を始めて1年目の時に4年で討てなかったら死ぬ訳ではなく、普通のゲームと変わらないと嘘で塗り直した。ただ魔王はみんなじゃないと倒せない。だからまだ旅を続けてくれないか。そう続けて。


本当はあの3人と旅がしたかった。もっとみんなとワイワイしながらやりたかった。だがそれだけの時間がなかった。悩みに悩んだ末に嫌われて別れた方が俺が魔王だとわかった時のショックが少なくて済む。そうして別れの言葉を紡ぐ時が来た。この言葉でもう元には戻れない。何も感情を伴わない目で言った。


お前ら約立たずで邪魔なんだよ。

ちんたらしているお前たちに愛想つきたから。

もう話しかけんなよ。







俺はあの日の言葉を今でもずっと後悔している。



魔王になった今各地で味方を送り込んだり、戦争を起こしたりした。時には自ら赴くこともあった。いつから人間を殺すことに抵抗がなくなったのであろう。きっとあの時だな。


俺はあの3人と別れたあと、聖女と名乗る女と魔法使いと名乗る男を仲間にした。こいつらは人を人とは見ていないそんな奴らだった。


初めの頃は、愛想良く活動し1番魔王を倒せるパーティーと名を馳せていた。この有能さなら本当に魔王を倒せるかもしれない。そう思っていた。無理だとわかっていても。

しかし有名になるにつれ、その有名具合を使い様々なものに落ちていった。

そんな日々を過ごしついには聖女も魔法使いも毎日毎日どこかへ行っていて魔物は倒さない。俺も民から貰った金を湯水のように使った。こうして俺たち一行は評判が悪くなっていった。


ここまで落ちぶれたら、まずあいつらの中にいい評価は生まれないだろう。落ちぶれることを決意した時からその考えはあった。ただやはり俺も心があった。にじりにじりと罪悪感がやってきて俺はいつしか眠れなくなっていた。


眠れなくてできた体調不良は全てチートでなんとか誤魔化して。


来る日も来る日もそうすごしていたら流石にチートを使っても顔色を誤魔化せない所まで来てしまった。


そんな折に魔王討伐本格化を2人から誘われた。2人はきっと討伐によってさらなる箔付けを狙ってだろう。今は顔色が誤魔化せられるならなんでも良かった。


だが魔王討伐の旅はそう簡単に進まなかった。行く村行く村で豪華な宴会を求めたり、最高級レベルの宿泊をよこせとわがまま放題。


元々良くなかった評判がさらに地に落ち、遂にはこの一行を処刑すると言われた。俺はなんとか逃げ出せたが2人は連れていかれた。俺を見たものは憎しみの籠った顔だった。


俺が魔王になるまでその時点で残り10日だった。その間にもあの3人のパーティーの噂を聞いていた。最近勇者を入れたらしい。


急いで行ったが着いたのは残り半日であった。転移の魔法を使えばよかったのだが、魔王討伐のための転移はできなかった。


そこで魔王と出会った。


「お前が今代の勇者か。うん?違うな。お前仲間はどうした。」

「置いてきたよ。あんな使えないやつら。」

「そうか、じゃあお前は俺を倒せない。なぜなら俺も元勇者であり、仲間を連れずに魔王を討伐しようとしたものだからだ。お前と同じだ」

「そうか、では行こうか」


そこからもう10秒でその日が終わりそうな時間にやっと首を捉えられた。さすが元勇者だけあってチートを使ってもなかなか決着が付けられなかった。


そして一瞬のスキをついて首を取ろうとした。だが取れなかった。これが現実である。この瞬間無常にも4年目が過ぎた。そしてこのときを持って魔王は春になり、あっけなく先代魔王(人となった)を屠ることが出来た。


このときに人ってこんなものなのかとあまりの命の軽さに拍子抜けしていた。これがおそらくきっかけなのだろう。


そこから俺は急に代替わりをしたことによって暴走した魔族を治め、魔物に対して統率力を発揮しなんとか王と認めてくれようになった。


いつあいつらが来てもいいように、死ぬ準備を進めておく。


それがせめてもの手向けだ。




不眠不休で動けるようになった体は率先して物事を行うようになってきた。あくまで魔王を倒せて貰えるように、しっかり場所別にモンスターのレベルと種類を振り分けて配置した。


時には3人の元に入った勇者を見に行くこともあった。


俺の中で雪と太陽はまだ俺がいい人と思っているのではないかとも思ったけれど、お酒に酔った弾みで口にしていた俺への恨み言で嫌われているという確信がもてた。


元々チートの使い手であったのである。時には危険なこともしたが、死にはしなかった。


ここのところ冒険者が送られてくる頻度が高く、中々多忙な毎日を送っている。冒険者の処理が作業に感じ始めた頃、1人のやけに強いやつがやってきた。


そいつは挨拶もそこそこに急に斬りかかってきた。俺はなんとか避けられたが、かなりギリギリだった。


「なぜそんなに急ぐ勇者よ」



そう俺が問いかけても答えは返ってこない。それどころか態勢を立て直してもう一度斬りかかろうとしてくる。


これは1回コテンパンにやっつけてから話を聞いた方がいいかー


そう考え勇者の顔を見てみると安らかな笑顔を浮かべていた。


うーん、話聞いてみっか!


そう考えた瞬間チートの力を使い勇者を捕縛していた。勇者の顔が憎悪へと変化した。


「聞きたいことがあるのだが良いか?」


やはり、話しかけても答えてくれない。俺に話術なんてものは無いからチートに頼るか。そう思った瞬間


「お前を殺さねばならないからだ」


そう言った後勇者は口を閉ざしてしまった。

うーん俺は別に今殺されても構わないんだが、代替わりしたばかりだからな、ちょっとややこしいことが起きてしまう。


まぁでもこの世界は実力主義だからなんとかなるだろう。そう考え勇者を連れて何が起こっても大丈夫な所に連れて行った。ついでに勇者の剣も盗んでおいた。なにか起こった際に対処できるように分身も置いておいた。


捕縛を解く前に勇者に剣を投げた。この剣は魔王を殺せてかつ勇者の力量が量れるという優れものだ。持った瞬間に実力に応じて光る。俺が作った。


はてさてこの勇者はどれくらいなんだろう。今までの勇者はこれを持つにも値しないやつばかりだったから楽しみだ。


捕縛を解いた瞬間勇者はその剣をとり、そして赤色に光った。


一瞬驚いていたがすぐに態勢を立て直して俺を殺そうとしてきた。


それなりに強いバリアを張りながら内心驚いていた。


腕前を測る光の中で一番強いのは赤だ。それを光らせてきたということはかなりの実力者。俺は警戒して聞いた。


「お前は誰だ」


「俺は…」


そう言って黙り込んでしまった。

俺はその隙に危険な勇者を殺そうと思ったその瞬間、体が動かなかった。いや、動けないわけではなく動こうとしないのだ。


俺がなんとか動こうと奮闘している間に危険な勇者は去ってしまった。


その後動けるようにはなったが、何故だが後を追って殺そうとはしなかった。


そして俺は気づいてしまった。心が魔王になってきていることを。殺してきた勇者のことを振り返ると最初は気絶させて人間の国に返していた。しかし次第に危険なものだと判断するようになり、そうして…。


流石にそれはまずいと思い、どうしようもないときだけ魔王のように振る舞おうと決めた。






このあとにはクライマックスの仲間に倒される編があります。そこに急に行くとなんかちょっとという気分がするので、もう一本くらい話しねじ込みたいです。

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