電柱 ⑵
見つけてくださり、ありがとうございます✨
私は若い頃、看護師をしていた。
働いていた場所は、地域では大きな総合病院だった。
交代勤務をしており、帰りが夜中になることもある。
当時、車で通勤していたのだが、夜中ということもあり実際に恐い思いをしたこともある。
二車線の道路で、隣にピッタリと付けられて後を追いかけられたり‥‥‥(二人組の○ンキー‥‥‥マジ恐かった)、暴走族の集団とすれ違った時に、ドカッと車を蹴飛ばされたり‥‥‥現実世界はなかなかに恐ろしいものだと思っている。
‥‥‥何事も無くて良かった。
これはそんなある日の仕事帰りのお話‥‥‥。
その日も帰りは夜中だった。
すれ違う車の数も少なく、静かな街中を走っていた。
‥‥‥静かな住宅街というのも結構に恐いものだと思う。
家まで直線で、あと200メートルくらいという辺りで何かが動いた。
道路の左側にある電柱の陰から、白い手がぬぅっと出てきて、手招きをしたのだ。
まるで、‥‥おいで‥‥おいで‥‥としているように、ゆっくりと動いている。
白い手は、少し透き通っていて、それが現実の人間のものではないとわかる。
( うわぁ、不味い。絶対に見ちゃ駄目なやつだよね。気付かないふりをして、通り過ぎないと‥‥。顔も向けちゃ駄目。真っ直ぐ前だけを見ないと‥‥‥)
そして、その通りに顔も意識も前に向けて、車を運転していった。
電柱を通り過ぎる時に、電柱が視界に入ったけれど、もちろん誰もいなかった。
白い手すら見えなかった。
そのまま、真っ直ぐ家まで行くと、最低限の左右の確認だけして、駐車場に車を入れた。
この時も視界にはあの電柱が入るけれど、ただの電柱しかなかった。
( 見ない、見ない。このまま家に入ろう )
家に入ると、どっと疲れが出てきたので、すぐお風呂に入って寝る事にした。
それ以降、その道を通らずに家に行くようになった。
遠回りにはなるが、反対側から行くのだ。
今現在もその場所に電柱はある。
あの白い手が誰かを手招きしているかどうかは、確認していないのでわからない。
確認する気もないけれど‥‥‥。
皆さんも気を付けてくださいませ。
手招きの方に行ってはいけませんよ。
読んでくださり、ありがとうございます✨
誰かに伝えると、スッキリしますね。これからも、おつきあいくださると嬉しいです✨