子分
私は声の聞こえた方を向く。
「ん・・・あぁ・・・あんた達か。おひさ」
そこには集会所の子供会で遊んだ糞ガ・・・子供達がいた。
「エリザこんなとこで何やってんの?不審者?」
「マーク、不審者には近付いたら駄目って言われてるだろ!!」
「カルロ、エリザは不審者だけど不審者じゃないよ?」
「えっ?ネネもこの不審者を知ってるの?」
子供数人に囲まれた私。
しかも好き勝手言って騒いでるし・・・。
「はい。ストップ!!こっち注目!!私は今、配達の仕事をしてるの。不審者じゃないから」
「配達?どこいくの?」
「ん?ココ。場所分かる?」
「これトム爺ちゃん家じゃね?」
「あ、ホントだ!!激おこジジイの家だ」
「それはマークがトム爺ちゃんの家の壁を汚したからでしょ」
「わ、わざとじゃねぇーし」
子供達が好き勝手に騒ぎ出した。
通りを歩く人がこっちを見てる。
あれ?私、まわりから子供に近付く不審者に見られてないよね?
「場所分かるの?ならそこまで案内してよ?」
「えー、メンドクセー」
「地図あるなら案内要らないよね?」
「エリザ困ってるの?それなら良いよ」
「えっ、ネネ良いのかよ?」
「困ってるなら助けないと」
「不審者は困ってる人のフリして誘拐するってうちの父さんが言ってたよ?」
「エリザはそんな事としねぇだろ」
「私もエリザ信じてる」
ちょっと待て。
なんで私が子供を誘拐する不審者になってるんだ・・・。
いや、1度しか有った事の無い他人を無闇に信用するのは駄目だけどさ。
「あ・・・無理には良いよ。せっかく仲良く遊んでるの邪魔してゴメンね」
「まってエリザ。連れてってあげる」
ネネが私の手を引っ張り歩き出す。
「ちょっとネネ!!」
「カルロはマークと遊んでて良いよ。私はエリザ送ってくる!!」
「いや、俺も行くし!!」
「ぼ、僕も!!」
3人の悪ガ・・・子供達に案内して貰って配達する家に案内してもらう。
「こんにちわ!!商業ギルドの者です。商品配達に来ました!!」
【収納】から商品を取り出して渡し、受け取り書に名前を書いて貰う。
「よし、1件終了っと。3人ともありがとうね」
「エリザ、次はどこだよ?」
「【収納】ってエリザは異界人なの?」
「もっと配達するのあるの?」
コイツら完全に付いてくる気だな・・・。
ん・・・まいっか。
子供達の案内で迷わず次々と配達を終わらせる。
「こんにちわ!!商業ギルドです!!すいません!!いませんか!!」
参ったな。留守のようだ。
この場合、また後から来なきゃ駄目なのか・・・面倒臭いな。でも受け取りを書いて貰わないと駄目だからな・・・。
「ここのオバチャンなら多分あっちの家で遊んでると思うぞ。行くぞエリザ」
そういうとマークは1人で行ってしまう。
「ね、エリザも行こう」
ネネが私の手を握り引っ張る。
「あ、エリザ、居たぞ!!」
遠くからマークの声が聞こえる。
「あのすいません、商業ギルドの配達なんですが・・・」
「あっ!!そう言えば今日だったねゴメンナサイね。つい忘れちゃってて。」
「えっと荷物なんですが・・・」
「あぁ、ココで受け取るよ。大きい物でも無いし家は直ぐ近くだからね」
「あ、そうですか。こちらがお届け物です。受け取り書の署名お願いします」
無事に商品を渡す事が出来て良かった。
こいつら使えるな。
と言うか私要らないんじゃないかな?こいつらがアルバイトで商品配達やれば良いのに。
「よし、これで全部終了。みんな手伝ってくれてありがとう」
「ええ・・・もう終わり?」
「エリザ、地図も読めないし頼りないからな」
「僕はみんなが行くって言ったから」
「よし、じゃ御礼にお姉さんが屋台でお菓子を買ってあげよう何が良い?」
「えっ?ありがとうエリザ」
「やりぃ。ジュースも付けてくれよ!!」
「今食べるとお昼ご飯が食べられなくなるから・・・」
「じゃ、何か後でオヤツにでも食べられる奴ね。特別にジュースも付けてあげるよう」
大通りの屋台で果物のジュースとクッキーみたいな焼き菓子を買って3人に渡す。
「それじゃ私は商業ギルドに戻らないと駄目だからこれでね。3人ともありがとね」
「エリザ、じゃあな。またお菓子で手伝ってやるよ!!」
「エリザ、ばいばい」
「お菓子ご馳走さまです」
次もお菓子を奢るは確定なのかい(笑)
よし商業ギルドに戻るか。
ヒルデとサンドラはもう帰ってきてるだろうか?
商業ギルドの前に戻ると2人とも居なかった。
・・・これ2人が先に終わってて私を置いて何処かに昼御飯を食べに行ってたら泣くぞ私は。
『終わって商業ギルドに付いたよ!!2人とも何処?』
2人にメッセージを送る。
『私はまだ終わってないよ。少し待ってて』
『私もまだ。と言うかエリザなんでそんなに早いの?』
2人からメッセージが返ってきた。
お、私が一番だ。屋台で買い食いして時間ロスしたのに。
私は商業ギルドで配達終了の手続きをしてお金とイベントポイントを手に入れた後、20分近く経ってサンドラが帰ってきた。
更にそこから1時間してヒルデがやっと帰ってくる。
「ヒルデ遅い!!もう昼過ぎてるよ?」
「だって留守の家があって二度手間だったんだよ。他の荷物を渡し終えて、留守の家に戻って玄関前で帰ってくるまで待ってて時間ロスしたわ。それが無ければ私が一番だったのに」
「でも、私が一番だからね。お昼ご飯はヒルデの奢りね?」
「はいはい。エリザ様の仰せのままに」
「それでお昼ご飯は何食べよう?」
「ん・・・焼き肉?」
「馬鹿じゃないの!!」
「ヒルデ、王都の外で魔物を狩ってきて焼いてエリザに食べさせようよ(笑)」
「それ焼き肉じゃなく、焼いた肉じゃん・・・と言うかヒルデは早く受付で配達終了の手続きやってきなよ」
近くの喫茶店でホットケーキとメロンフロートを御馳走になる。
子供達に奢ってるからヒルデに奢って貰ってトントンだ。
「それにしてもエリザ早かったね?迷ったりしなかったの?」
「ふっふ、私には108匹の子分が居るからね?」
「なにそれ?わんちゃん大集合?」
「あぁ、留守の家が無ければ私が一番だったのに」
「私の配達先も留守の家あったよ?」
「それでどうしたの?」
「ん・・・子分が頑張った?」
「ゴメン。ちょっと何言ってるか分からない」
「あぁ、子供会の時の子供達に遭遇してね、案内して貰ったのよ」
「はい。ヒルデ裁判長!!」
「どうぞサンドラさん」
「エリザの不正行為を訴えます!!」
「訴えを認めます。エリザ、有罪!!」
サンドラとエリザが小芝居を始める。
「なんで有罪なのよ?声を掛けてきたのは子供達からだし、ちゃんと御礼にお菓子買ってあげたし」
「裁判長!!買収です!!」
「訴えを認めます!!エリザには罰として夕飯を私達に奢る事を命じます!!」
「なんでよ(笑)そんな事よりこれからどうしよう?午後も配達やる?」
「ん・・・半日で3500マニ。イベントポイント250だから悪くはないと思うよ?」
「そうだね。地理もだいたい覚えたし、続ければ続けるだけ時間効率が良くなると思うから続けた方が良いと思う」
「それじゃ当面はこれを続けてイベントポイントを稼ごうか?1日やれば食事代と宿代も稼げるし」
そう言う事で私たちはそれから数日間、[日陰屋]で耐久値を回復させた装備を受け取った後もリアルで2日間商業ギルドの個別配達をやってイベントポイントを稼いだ。
そのおかげか東側の地理には詳しくなって個別配達の効率も良くなり、午前と午後の1日2回の配達じゃなく1日3回の配達も出来るようになっていった。
そんな時・・・。
「ねぇ、私たちなんでゲームでアルバイトして働いて居るんだろ?」
不意にヒルデが言い出した。




