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行動の成果

「それじゃ、私たちはこれで失礼します。何日も泊めて貰いましてありがとうございました」


魔物と戦闘して疲れているだろうから今日も泊まっていったら?と言う牧場のおじさんの誘いを断り牧場を後にする。

別れ際におじさんと従業員の皆さんが私たちに感謝の言葉をかけてくれた。


ゲーム内の1日で終わる予定だった馬を買うと言う用事は3日もかけてミミズの大群と戦うと言うイベントに変わってしまった。


「うーん・・・」


ヒルデがメニュー画面を開いてメッセージを見ながらまだ唸ってる。


「ヒルデ、何回見ても変わらないよ?」


「私ね、ちょっと期待してたのよ。馬に跨がって羽ミミズと戦っている時にね、あっこれはもしかしてもしかするんじゃないか?って」


「でもそれは、ヒルデの根拠の無い願望だったって事でしょ?」


ここぞとばかりに落ち込んでるヒルデに追撃をしとく。


「ミミズの撃退の御礼でそれぞれの乗ってた馬を貰えると思ったんだけどな・・・あぁ、私のパエトーンが・・・」


「ヒルデ、あんたあの馬に勝手に名前を付けてたの?あのおっちゃん、あの馬を花子って呼んでなかった?」


「ねぇ、その名前って落馬する気満々じゃない?」


私とサンドラの2人からツッコまれヒルデが凹む。


「しかし、こんなにイベント報酬とはまさかの展開よね」


「私は予感はあったよ?【魔力操作】の前例があったし今回もあるのかな?って」


サンドラが想定の範囲内だと自慢気に胸を張る。

いら、答えが出てから予感はあったと言い出しても説得力は無いからね?サンドラ。


私たちが今回の牧場防衛任務で得たものはイベントポイントが3000ポイント。それに【騎乗】スキル。

馬を飼いに牛の牧場に行って、【騎乗】スキルを手に入れた。馬を持ってないのに。

この一文だけ読むとちょっと何を言ってるか分からないだろうけど、実際にそうなのだから仕方がない。


「【騎乗】スキルが手に入ったんだから、これでいつ馬を手に入れても大丈夫だよヒルデ」


サンドラがヒルデに嫌味を言ってニヤニヤしてる。

サンドラも今回の顛末には思う所があるんだろう。


「なんせ3日もかけて手に入れた【騎乗】スキルだからね。大切に使わないと」


私もサンドラの嫌味に後追いする。


「でも、サンドラもエリザも乗馬体験楽しかったでしょ?馬に乗っての戦闘も新鮮で良かったでしょ?牧場で食べたバーベキュー美味しかったでしょ?タダで泊めて貰えたし、私たちは何も損してないのよ?」


ヒルデが早口でまくし立てる。

あれ?イジり過ぎた?


「馬に乗れて、美味しいご飯食べられて、無料で泊まれて、スキルまで手に入って、これって牧場に行こうって言い出した人のお陰だと思わない?誰が言い出したの?そう私よ?その私に御礼も言わずまさか嫌味を言うひとでなしが2人もいるとか」


ヒルデが自画自賛をして更に私たちをひとでなし呼ばわりしてくる。

しかも演技過剰なのがちょっと腹立つ。


「でも、これでヒルデのお願いの権利は無くなったからね?次はサンドラの番だけど・・・」


「ん・・・まだ決まってないんだよ。これって情報も聞かないから。なので明日のログインするまでに考えとくって事でいいかな?」


「別に思い付きで良いんじゃない?そんなに深く考えなくても」


「だってこのイベントでスキルが手に入る可能性が分かったけど私は【魔力操作】も【騎乗】も使い道が無いスキルだからね?死にスキル確定なんだよ?ちょっとは考えたいじゃない」


「え、サンドラそんなの気にしなくても良いのに。私と同じで欲望に忠実で良いのに」


ヒルデがサンドラに悪魔の囁きをする。


「ん・・・今までのやり取りを見ちゃうと下手な真似は出来ないなと思ってね」


「いやサンドラ、あんたが1番ヒルデをイジってたじゃないの!!」


「迂闊だったわ。自分の番があるの失念してた」


そんな話をしながら帰り、東門近くに到着したのは辺りが真っ暗になった後だった。

久し振りにランプに火を付けて歩こうとしたら、ヒルデが光魔法の光源を出す魔法のライトアップを覚えてたのでそれを使って貰った。

どうやらミミズ戦で大きくスキルレベルが上がってたみたいで色々と技や魔法を使えるようになってた。


現在の私たちのスキルレベルはこんな感じ。


『エリザ』(遠藤 葵)

【長杖 Lv.25】

【棍 Lv.17】

【服 Lv.19】

【火魔法 Lv.23】

【水魔法 Lv.23】

【風魔法 Lv.23】

【土魔法 Lv.23】

【魔力up Lv.22】

【詠唱短縮 Lv.22】

【魔力操作 Lv.4】


『控え』

【MPup Lv.17】

【MP回復up Lv.17】

【騎乗 Lv.3】


━━━━━


『ヒルデ』(小野 凜)

【片手剣 Lv.24】

【軽鎧 Lv.26】

【小盾 Lv.25】

【長弓 Lv.20】

【光魔法 Lv.21】

【闇魔法 Lv.21】

【回復魔法 Lv.25】

【敏捷性up Lv.24】

【スタミナup Lv.24】

【魔力操作 Lv.4】


『控え』

【走破 Lv.21】

【騎乗 Lv.3】


━━━━━


『サンドラ』(佐久間 祐奈)

【片手斧 Lv.25】

【重鎧 Lv.25】

【大楯 Lv.25】

【投げ斧 Lv.20】

【投擲 Lv.20】

【力up Lv.22】

【耐久力up Lv.22】

【命中率up Lv.23】

【移動速度up Lv.21】

【調教 LV.14】


『控え』

【HP自動回復 Lv.17】

【魔力操作 Lv.1】

【騎乗 Lv.3】


『従魔シエロ(スズメ)』

【偵察 Lv.16】

【風魔法 Lv.13】

【回復魔法 Lv.11】

【(未セット)】

【(未セット)】


私も魔法スキルが20レベルを超えて新しい魔法を覚えた。

もしかしたら巨大ミミズ戦後には使えるようになってて羽ミミズ戦で使えたのかも知れないけど、スキルレベルを確認してなかったのが悔やまれる。

また騎乗スキルが既にレベル3に上がってるのが興味深い。


「あれ?なんか今日は人が多くない?」


「イベント中だからじゃないの?みんなイベントポイントを集めるのに奔走してるだろうし」


東門から伸びる大通りはいつもより人が多く歩いていて、食堂なども繁盛してるように見える。


「なにかクエスト受けられるのかな?」


「夜しか受けられないクエストとかありそうだよね?」


「『貴族に捕らわれた娘を貴族邸に忍び込み助け出せ』みたいな?」


「それ見付かって投獄されるフラグだよね?」


「で、その投獄されたプレーヤーを助け出すミッションが別のプレーヤーに・・・」


ちょっと想像してみる。

助けに来た見ず知らずのプレーヤーに鎖に繋がれた私たちが助け出されるシーン。

なんとなくサンドラやヒルデが先に優しく助け出されて私が1番最後になりそうな気がする。

そう言う何気ない部分に差別は存在するんだ。

うん、これは嫌だ。


「サンドラ、そう言うの選ぶのは止めようね?」


次の行動を決める権利があるサンドラに釘を刺しとく。


「えっ?駄目?面白そうじゃない?」


「見ず知らずのプレーヤーに救出されるパターンは避けたい」


「えっ、捕まる事は規定路線なんだ(笑)」


「このメンバーで隠密行動は無理だと思う」


「女が3人集まって姦しいと言うからねぇ」


「姦しいってどんな意味だっけ?」


ウンチクを語りドヤ顔するサンドラが無意味になる事をヒルデが質問する。


「ヒルデ・・・君には失望したよ・・・」


サンドラが演技っぽくヒルデに語りかける。

それを横目に私は重大な事に気付く。


「ねぇ、そんな事よりちょっと大変な事に気が付いたンだけど・・・これだけプレーヤーが集まってるなら、宿屋の部屋が空いてない気がするんだけど・・・」



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