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ボーン!!ボーン!!ボーン!!と3日盆

西の街の東門から出て街道から外れて北に向かって1時間ほど歩く。

草木が生い茂る藪が延々と続いているが他のプレーヤーも通っているのか細長く草が押し倒されてて獣道のように成っている。


「他のプレーヤーもここを通って湿原に向かって行ってるの?」


「さぁ。でもそんな感じじゃない?ここを通るプレーヤーが湿原以外に目的あると思えないし」


私の質問にヒルデが適当に答える。


「湿原のログアウトポイントまでこの獣道が続いてれば迷わないで済むんだけどねぇ」


「えっ?それはマッパーとしての私の腕を信用出来ないの?」


「エリザが地図を持ってるの久し振りに見るんだけど?」


「前も言ったけど私たち探索とか殆どしてないじゃん。ダンジョンにも入ってないし」


そんな話をしていると頭上で何か気配がした。


「ちょ、デッカいヤブ蚊!!数匹いるよ!!ヒルデ、サンドラ迎撃して!!」


私は叫ぶも持っていた地図と方位磁石を【収納】にしまい込み、長杖を取り出す。


「アテンション!!」


サンドラが大盾の技を使いヤブ蚊を自分に引き付ける。


「ねぇ、これヤブ蚊じゃなくでガガンボじゃない?脚が長いよ?」


サンドラがどうでも良いような訂正をしてくる。


「このガガンボが!!」

「ライトスピア!!」

「ダークスピア!!」


変なテンションのヒルデが魔法を連射する。


「ファイヤーショット!!」

「ソイルショット!!」

「ウォーターショット!!」

「ウインドショット!!」


私も負けじとレベル15で覚えた各属性魔法を放つ。

ボール系よりも速く遠距離まで届く小さな弾丸を発射する魔法。


「エリザ、新しい攻撃魔法を使えるようになったの?光と闇はぜんぜん新たしい攻撃魔法を覚えないんだけど、なんなの!!」


ヒルデがなんかボヤいてる。


「ちょっとエリザ!!そんな魔法じゃなくて範囲魔法で一気にやっつけてよ!!」


ガガンボに纏わり付かれ、魔法を撃ち込まれてるサンドラが叫ぶ。

あれ?少し怒ってる?


「2人とも散って!!」

「ファイヤーサークル!!」

「ソイルサークル!!」

「ウォーターサークル!!」

「ウインドサークル!!」


私が範囲魔法を連射するとそこで戦闘は終わった。

ガガンボのHPが低いのか、新しい長杖で私の魔法威力が上がってるのか。


「もう!!エリザもヒルデも弛んでるよ!!攻撃を受けるの私なんだからね?」


空を自由に飛び回るガガンボと片手斧しか攻撃方々が無いサンドラは相性が悪い。

しかもサンドラは魔法スキルを取ってないので魔法攻撃にも弱いので相性最悪の魔物だったようだ。


「ごめんごめん。ほら回復するから許して。ヒール!!」


「サンドラ、対空と魔法防御の弱点なんとかしないとね」


「一応、私は前衛として敵を引き付けるって最低限の仕事はしてるんだよ?新しく覚えた魔法を自慢しようと魔物と相性の悪い魔法を使う誰かと違って」


「正直、エリザは範囲魔法だけ連射してれば良いんじゃね?的な部分があるよね」


あれ?一緒にサンドラに怒られてたはずのヒルデがいつの間にか私を責める側に回ってる。


「範囲魔法はボール系より威力低いからね?一匹づつ倒した方が受けるダメージは減らせるからね?」


「もう適当な事を。範囲魔法で一斉に倒せるなら、その方がダメージ受けないからね?」


次からはちゃんとやると約束して獣道を湿原に向かって歩く。

何度か魔物と遭遇したがあっさり対処して、やっと湿原に到着する。


「あ・・・ここは私と相性が悪いかも」


湿原に到着するとサンドラがボヤく。

足元は水分で泥化していて泥濘んでいて足を取られる。

全身金属鎧のサンドラは沈む幅が大きい。

枯草が積み上がってて泥が見えない場所でも踝まで沈む所がある。


「サンドラは重いから大変だよねこれ」


「ちょっとヒルデ、言い方」


「あれ?ヒルデは大丈夫なの?」


「私はスキル【走破】を持ってるから茂みでも泥でも砂地でも影響軽減するから蝶のように舞えるわよ?」


「うわ・・・ズルい」


「こんな事もあろうかと最初から走破スキルを取ってたんだからね。この私の先見性を褒めて」


そんな事を言って自画自賛してるヒルデが横に吹っ飛ぶ。


「何?魔物!?」


辺りを見回すと少し離れた場所に中型犬ぐらいの大きさのトカゲが2匹居た。


「ヒルデ生きてる!?」


サンドラが盾を構えてトカゲからの攻撃に備える。

私は【収納】からHPポーションを取り出しヒルデにかける。


「シャャャァ!!」

一匹のトカゲが吠えると同時にもう一匹のトカゲが口から何かをこちらに飛ばす。


「ライトシールド!!」


ヒルデの声が響くと、大きなコンタクトレンズの様な幕が私たちの前に出来てトカゲの吐き出したそれを防ぐ。


「サンドラ、エリザ、攻撃は私が魔法で防ぐからやっちゃって!!」  


「ファイヤーサークル!!」

「ソイルサークル!!」

「ウォーターサークル!!」

「ウインドサークル!!」


私が魔法を乱射するとサンドラがダッシュでトカゲに近付き、片手斧を振り下ろす。

更に大盾で殴り付け、再び片手斧を振り下ろし光へと変える。


「ファイヤーショット!!」

「ソイルショット!!」


「ライトスピア!!」

「ダークスピア!!」


サンドラに攻撃を仕掛けようとするもう1匹のトカゲを私が魔法で牽制すると、そこにヒルデの魔法が刺さる。


「サンドラ、トドメ!!」


「兜割り!!」


片手斧の技を使ったサンドラがトドメの頭を叩き割り戦闘は終了した。


「ヒルデ、弛んでるよ?話に夢中になって気を抜いたら駄目だって」


獣道でヒルデに言われた事を言い返しておく。

たまたまヒルデが狙われただけで、私が狙われてたら私も食らってたけど。


「エリザ、良くトカゲに向かって殴り掛からなかったねぇ?」


珍しいものでも見たように言ってくる。


「いや、私は【走破】スキルも【移動速度up】スキルも持ってないからここだと固定砲台だよ?」


「なるほど。殴り掛かりたくても行けなかったんだ(笑)」


ヒルデがここぞとばかりにイジってくる。


「いや、ちゃんと見てよ?私、棍持ってないでしょ?長杖では殴り掛からないから」


「エリザ、前は長杖で殴り掛かってたでしょ!!」


この後、ログアウトポイントを見付けそこで3人合同の探索は終了した。


その後、ソロでログインし湿地の魔物を狩ってイベントに向けてスキル上げを頑張った。

お盆の期間中は湿地の魔物、水球を吐くイモリ、ムカデの様に多足のカナヘビ、近付くまで魔物と分からないミズアオイの様な植物など南の街より私に取ってはソロ狩りし難い魔物も多かったが、新調した装備と範囲魔法のおかげでそれほど苦戦する事も無く狩る事が出来た。


有名な狩り場の近くにあるログアウトポイントには、ドロップアイテムを買う商人プレーヤーや装備の耐久値を回復する商売をする鍛冶系プレーヤーも集まり仮設集落のようになっているのも狩りに集中する事ができた理由の1つだった。


「このゲーム始まってから私、狩りしかしてないなぁ・・・」


王都に帰る乗合馬車の中で私が呟く。


「エリザは何気に戦闘狂だからねぇ」


「サンドラも変わらないでしょ?」


「私にはシエロって仲間が居るから。一緒に狩りをしたりご飯を食べたり、スキル編成を妄想したり」


「あんまり変わらないと思うけどねぇ、そう言えばヒルデはいまいちソロで何やってるか分からないんだよね」


「昨日、野良パーティーで第2の街の奥へ狩りに行って王都に死に戻ったって言ってたよ?」


「何やってるんだか。人見知りの癖に野良パーティーは大丈夫ってのが理解できないわ」


「野良パーティーは大概は仕切る人が居るから淡々としてて楽だよ。パーティー組んだ時に役割決めて役割をこなすだけだし」


「私、野良パーティー参加した事が無いから・・・なんか抵抗があって」


「エリザはカッとなると役割を放棄して殴り掛かるから野良パーティーは向いてないかもね(笑)」


「むぅ・・・その時その時で適切な行動を選んだ結果なんだけど・・・戦闘は臨機応変でしょ?現場の判断でしょ?」


「それに振り回されるまわりの迷惑をね。誰もが即興で合わせられる訳じゃないんだから」


「ん・・・やっぱり私は野良パーティーよりはソロの方が性に合ってるかも」


そんな会話をしながらイベントが始まる王都に向かうのだった。

死に戻りしたヒルデが先に独りで待ってる王都に・・・。

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