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なにこれ?

翌日、家族と朝ご飯を食べまったりとテレビを見てると携帯電話が鳴った。


『ねぇ?見た?FEOが20日からイベント開催だって!!今朝の第2陣参戦と同時に全プレーヤーにメッセージで告知されたみたい。どうする?』


興奮気味の凜からのメッセージだった。


『どうする?って私たちまだ乗合馬車の中だよね?9時半ぐらいなるまで身動きとれないよ?』


祐奈からのメッセージも届く。


『じゃ9時ぐらいにログインして馬車の中で駄弁る?2時間ぐらい無駄話できるよ?』


『オッケー。じゃそれでいこう。それまで掲示板で情報集めしとくね』


『えぇ・・・私の予定が狂う・・・けど了解』


『あ、西の街の情報も仕入れといてね♪』


『少しは自分でやれ!!』


私は9時前にFEOにログインした。

ログインすると直ぐにメッセージ着信音が頭に響く。

メッセージを見ると『第2陣参戦』『第1回イベント開催告知』と2つのメッセージが運営から届いてる。

『第2陣参戦』のメッセージはそのまま第2陣が参戦したので切磋琢磨してゲームを楽しんで下さいと言うありきたりな内容だった。


そして本命の『第1回イベント開催告知』を開くと


――――― 


【fantasy experience Online 第1回イベント開催のお知らせ】


イベント内容 当日まで秘密


イベント開催場所 ミズダシア王国 王都ミズダシア


イベント参加資格 イベント期間内に王都に居るプレーヤー全員


イベント期間 8月17日 午前0:00 ~ 8月23日 午後23:59

       ゲーム内時間 8月17日 1Q 0:00 ~ 8月23日 4Q 23:59


FEOの最前線を歩む第1陣プレーヤーの皆さん。第1陣に追い付きたい第2陣プレーヤーの皆さん。

まったりプレーで自由気ままに楽しんでいる皆さん。

どのようなプレースタイルの皆さんにも参加出来て楽しめ得をするかも知れないイベントを開催します。

詳細はイベント開催時にお知らせします。

イベントは開催期間中ならばいつでも参加可能ですので奮って御参加下さい。


―――――


なにこれ?この適当なイベント告知は。

開催期間と開催場所しか告知されてない。

5W2Hはどうした?これでどう対策を立てろと?


「とりあえず8月17日に王都に居れば良いのかな」


私が独り呟く。


「あ、やる気満々だねぇ」


ログインしてきたサンドラが声を掛けてくる。


「初めてかも。ログインでサンドラより早くログインしたの(笑)」


「急にログイン時間を早めるんだもの。私は一応、計画立てて行動してたのに」


「何か用事があったの?」


「ログインまで時間があったから家の猫たちをシャンプーしてたのよ」


「えっ?じゃあ猫を濡れたまま放り出してきたの?」


「そんな訳ないでしょ。メッセージが来た時には洗い終わってたから、急いで水分を拭き取って乾かしたから。少し濡れてても今の時期なら直ぐに乾くし」


結局、濡れたまま放り出したんじゃないのかな?

その口ぶりは。


「サンドラはイベント告知見た?」


「ん。今見てるけど・・・よく分からないね」


「でも、消去法で何をやるか予想は出来るよ?」


ログインしてきたヒルデが話に混ざる。


「あ、ヒルデ。何か分かったの?」


「第1陣のトッププレーヤーでも、まったりプレーヤーや第2陣も楽しめるイベントらしいから、対戦の戦闘系は無いと思う。クラン対抗戦や1対1のトーナメント戦とか」


「他にイベントって言うと大規模レイドボスとか?防衛戦とか侵略戦とか?自国の王都を守って他国の王都を陥落させろ的な」


「それも無いんじゃない?リアルで1週間、ゲーム内で4週間とか他国に行くだけで半分ぐらいかかるもの」


私の意見はサンドラに即否定された。


「じゃどう言うのか有力なの?」


「掲示板だと宝探し系じゃないか?と言われてたよ」


「宝探し系って何?」


「運が大きく絡む探索系だね。例えばダンジョン探索とか。生産系や第2陣でも運が良ければ素材や武器が手に入ったり、トッププレーヤーでも強い魔物を倒せば良い素材が手に入ったり高経験値が手に入ったり」


「ダンジョン探索か・・・そう言えば東の街の近くにダンジョンがあるとか噂あったね」


「まだダンジョン探索と決まった訳じゃないよ?王都の周りにイベントモンスターが現れるとかかも知れないし」


「あぁ、高ポイントのレアモンスターの取り合いになるやつね」


サンドラがあるあるを披露する。


「それってどう対策すれば良いの?」


「とりあえずスキルをレベルアップさせとくぐらい?私たちは装備新調したばっかりだし」


「レベル上げか・・・それなら西の街より慣れた南の街の魔物を相手にしたかったな・・・」


「あんたが西の街を選んだんでしょ」


「2人がジャンケンで負けるのが悪いんだよ・・・」


とりあえず責任をなすり付けとく。


「西の街にも訓練場があれば良いのに」


「あ、無いみたいよ。あれば南の街の限定施設みたい・・・ってエリザは訓練場に通ってたの?」


「うん。お試しで棍の使い方を少し習ったよ。けっこう為に成った。その後に軽く騙されたけど」


「騙された?なにそれ?」


「あ、聞かないで。嘘吐かれたと言うか、騙されたと言うか、担がれたと言うか」


「エリザは騙され易いんだから気を付けないと駄目だよ?」


「いやそんな事ないから。まさかNPCにからかわれるとは思って無かっただけで」


冒険者ギルドの裏口の話を2人にした。


「そ、それは馬鹿だねぇ(笑)」


案の定、ヒルデに笑われる。


「笑い事じゃないからね。私、完璧に痛い人だったんだから」


「しかしこのゲーム、NPCは凄いよね。ちゃんと会話が成立するし向こうがふざけてプレーヤーをからかったりとか、プレーヤー1人1人と好感度や記憶が設定されてるって事だものねぇ」


「1度恨まれるとずっと粘着されるかも(笑)」


ヒルデが変な事を言い出す。


「いや、それ洒落に成らないから。このゲームの世界観なら暗殺者とか居そうだもの」


「NPCが暗殺者を雇ってプレーヤーを狙うとか?」


「冒険者ギルドのプレーヤーに討伐依頼を出すとか?暗黒騎士サンドラの討伐。報酬100マニ・・・」


「いや、さすがにそれは無いでしょ?そんな事をされたらプレーヤーはゲーム辞めちゃうかも知れないし、そう言う事は運営もやらせない・・・って、なんで暗黒騎士(笑)」


いつものように馬鹿話をしてると乗合馬車は西の街に到着した。


「ここが西の街か・・・。海がこの先にあるみたいだけど磯の匂いはしないね」


「エリザ・・・ちゃんと掲示板で情報を調べて無いでしょ?海はここから数日西に歩いた村の更に向こうにあるって話よ?」


「えっ?海ないの~」


「サンドラ、お前もか・・・ここにあるのは劇場や美術館とか芸術関係だよ?あと海から輸送されてくる海鮮素材と近くの川から採れる素材とか」


「魚や貝とか美味しそうだねぇ。狩り場は?」


「街から北から北東にかけて湿原と枝分かれした小川。南に旧王都、更に南に行くと砂漠があるみたい。ただ旧王都は魔物が強くてまともに侵入出来たプレーヤーはほぼ居ないみたい」


「さすがヒルデ、よく調べたね。偉い偉い」


「ほぼ調べないお馬鹿さんが2人も居るから私は苦労するのよ・・・」


わざとらしく泣き真似をするヒルデ。

いや、あなた調べたり掲示板を覗くのが好きなだけじゃん。


「私たちだと湿原を少し奥に入った辺りが適正な狩り場かな?」


「えぇ、装備新調したのに街の手前が適正なの?」


「3人揃ってるなら街の奥もそれなりに行けるかも知れないけど、ソロだと湿原の手前から順々に行った方が安全だと思うよ?」


サンドラは大胆なのか慎重なのか気分で変わるから面倒くさい。


「湿原は移動し難いから魔物の強さより、そっちの方が厄介だと思うから気を付けてね」


野良パーティーで湿原で狩りをした事があるヒルデが偉そうに語る。


さて湿原初体験だ。


誤字脱字修正しました。

報告と修正ありがとうございます。


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