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このあとどうしよう?

藤田君との情報交換のあと、私たちは3人揃って学校を出た。


「東の街の方にダンジョンがあるってのは探してみたいねぇ」


珍しく祐奈が興味を示してる。


「あれ祐奈はダンジョンに興味があるの?」


「うちのシエロが良い感じで育っててね。次はダンジョンで鍛えるのも良いかなと思って」


「そんなに強くなったの?」


「ん・・・強いって言うと違うかな。攻撃は風魔法だけだし、あとは回復魔法を使えるだけだし、鳥目なのか夜の戦闘は苦手だし。でも良い感じに頭が良くなってるの。それが楽しくて」


「あ、親バカだ。祐奈が馬鹿親になってる」


「ちょっと聞いてって。回復魔法のタイミングとか風魔法で牽制するタイミングとか私が教え込んだ通りにやってくれるのよ。もしかしたら葵や凜より私好みのタイミングかも」


「そりゃ祐奈専用の従魔なんだからそうでしょ」


私と祐奈の会話に凜が全然入って来ない。


「ん?凜どうしたの?」


「あ~ぁ、祐奈が変な事を言うから凜が機嫌悪くなっちゃた」


「えっ、凜~。ねぇ凜ってばぁ~」


「んっ?あぁゴメンゴメン。考え事をしてた」


「考え事って?」


「藤田君がさ、短剣の二刀流って言ってたじゃない?」


「あ、言ってたね。それがどうしたの?」


「【二刀流】スキルってあると思う?」


凜が言いたい事が分からない。

何を言いたいんだろ?


「どう言う事?」


「二刀流って定義がね。片手剣を2本持つのは二刀流だろうけど短槍を2本持ったら二刀流になるのかな?片手剣と短剣・・・例えばソードブレイカーみたいのを持って戦うのは二刀流?両手に盾を持ったら盾二刀流?なら片手剣と盾でも二刀流になると思わない?」


「ねぇ、凜。何言ってるか分からないよ?」


祐奈が凜の考察をバッサリ切って捨てる。


「いや、だからね。私の考えが正しければ【二刀流】ってスキルはFEOには無いんじゃないかと思うのよ?」


「藤田君に聞けば良かったのに。藤田君は短剣二刀流で戦ってるって言ってたんだから【二刀流】スキル持ってるの?って」


「他人のスキルを詮索するのはマナー違反だからね?」


「ねぇ、他人の話を盗み聞きするのはマナー違反じゃないの?」


「それはそれこれはこれはでしょ?」


「ずいぶんと都合が良いんだねぇ」


「そうじゃなくて。【二刀流】スキルが無いなら私も片手剣二刀流が出来ると思わない?」


「・・・どうでもいい(笑)」


「ねぇ、凜。さんざん長々と喋ってオチはそれ?」


「えぇ・・・二刀流ってなんか格好良くない?」


「言いたい事は分かるけど、新装備が出来上がるタイミングでそれを言うのはちょっとお馬鹿だと思うよ」


うん。私も祐奈の発言に同意だわ。

二刀流を考えるなら新装備の注文を出す前に考えないと。それに。


「凜の盾には重要な役割があるんだからね?祐奈は魔法に対して紙装甲なんだから、魔法攻撃は凜に受け止めて貰わないと」


「えぇ・・・小盾って受け止めるより逸らす方がメインの盾なのに・・・と言うか魔法だって火や水や土とか飛んで来るんだから物理じゃないの?魔法防御って何よ?」


「いや、そこはゲームのシステムだって事で納得しなよ・・・」


ゲームのシステムそのものに文句を言い始める凜を宥めながら今後の方針の話をする。


「明日には王都で新装備を受け取れるけど、2人はちゃんと王都に帰って来れる?」


この口振りからすると祐奈は王都周辺でシエロのスキルアップをしてたんだろう。

とは言っても祐奈とシエロの2人(?)での狩りなら王都周辺でも経験値効率はそれなりに良いはず。


「私は家に帰って直ぐに乗合馬車に乗れば明日の午前中、2Qには王都に着いてるよ。凜は大丈夫?遅刻しない?」


「私だって戻れると思うよ?王都から北に少し行ったログアウトポイントに籠もってその日その日で野良パーティーに参加してただけだから」


「ログアウトポイントに籠もってってドロップアイテムはどうしてたの?」


「商人プレーしてるプレーヤーが定期的にログアウトポイントにポーション類とかを売りに行商に来るのよ。その時にドロップアイテムを買い取ってくれるの」


「へぇ・・・そんなプレーしてる人も居るんだ。馬車で来るの?」


「馬は王都の外れに牧場があるって情報があって手に入れる算段は付けるって話してたけど、まだ手に入れる前だって言ってた。荷物は【収納術】ってスキルで収納できる数と種類が増やして、あとは大きなリュックサック担いで行商してたよ」


凜の話を聞くと、前にテレビで見た大荷物を背負って山小屋に荷物を運ぶ人が頭に浮かんだ。

色んなプレーをする人が居るんだなぁ・・・。


「じゃ、新装備を受け取ったあとは、第2陣が来る前に第2の街に移動する?」


「うん。それで良いと思うよ」


「で、どの街に行く?」


凜が真面目な顔で聞いてくる。


私としては南の街サヴァニエミの南東の大森林で狼や大蛇にリベンジするのも良いと思うし。

凜と祐奈は東の街イタプルでダンジョン探ししたいのかな?

北の街ノブヌーイや西の街ウエンシャルもどんな街か気になるし・・・。


「私はどこでも良いよ。どこに行っても楽しめそうだし」


とりあえず2人に丸投げしてみる。


「なんでも良いが1番困るのよ。そう言う人に限って決まった事に不満漏らすし」


「いやいや、私は不満言わないから。たぶん」


「じゃあ、ジャンケンで決める?勝った人が行き先決めるの」


祐奈が思考停止な提案をしてくる。

あ、こいつも何処でも良いんだな。


「じゃ、私が勝ったら西の街ね」


一応、予防線を張っとく。

西の街に行きたくなければ私に勝たせないでね。


「なら私が勝ったら北の街にするわね」


祐奈が乗っかる。


「あんたら・・・。良いわ私が勝ったら明日までに自由に決めるから」


いや、ジャンケンしなくても凜が好きに決めて良いんだけどなぁ・・・。


「1発勝負ね?あとから3回勝負とか無しだからね」


凜、なぜ逃げ道を塞ぐ?


「「「ジャンケン、ポン!!」」」


・・・あ、勝っちゃった。


「ふっふ。じゃ約束通り西の街ね?」


とりあえず、してやったりって顔をしとく。


「これは何かあったら葵の責任ね」


「だね。葵が責任者ね」


「ちょっと!!不平不満を漏らすなと言ってた癖に!!」


家に帰えると母親に捕まり、そのまま家のお墓に連れて行かれた。

お盆にお墓参りする前にお墓を掃除する。

この風習はここら辺の地域のローカル風習なのかな?

個人的にはお盆のお墓参りが墓掃除の為の行事の気がするんだけど。


母親曰く

「お盆は親戚も墓参りに来るのに、粗末にしてたら笑われるでしょ」

と言う事らしい。まぁ確かに納得出来ると言えば納得できる理由だけど・・・。


結局、午後(3Q)はログイン出来ず、夕飯を食べたあとログインする。


宿屋から出ると街は昼前で通りはプレーヤーやNPCで賑わってる。

4Qは社会人の人も多くログイン出来る時間帯なので他の時間帯と比べて狩り場も取り合いになる事が多い。


街の北門から出ると人の少ない狩り場を転々としながら魔物を狩りスキルの経験値集めを頑張った。

ヒルデやサンドラがどれくらいレベルを上げたか分からないけど1人だけ弱かったら何を言われるか分からないし、私も頑張らないと。


トップ層はどれくらいスキルレベルを上げてるんだろう?

ゲームサービス開始から数週間が経ちゲーム内でも多くのクランが結成されてるらしい。

それに伴い掲示板に書かれず、秘匿される情報も増えたんじゃないかな?って気がする。

クランか・・・私たちも何処かに所属した方が良いのかな?


3人それぞれ別のクランに所属してそれぞれの情報を調べるってスパイみたいな事をするのも手かな?

いや、それだと3人で一緒に狩りをしてると怪しまれるから駄目か。


そんな事を考えながらも狩りをして、【収納】やリュックサックがドロップアイテムで一杯になると街へ帰り、そのまま乗合馬車乗り場に向かい王都行きの乗合馬車に乗り込みログアウトした。


これで明日には王都に着いてるはず。


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