ユニーククエスト?
[七芒星]の店主ジャネットから遅い自己紹介を受け私達も自己紹介しフレンドコードを交換する。
ちょっとマッタリした空気になる。
「えっとですね?それでサークレットに付与すると幾らぐらいになりますか?」
とりあえず話を戻す。
「そうですねぇ・・・サークレットも私が準備するとして30000マニでどうですか?」
「長杖とローブとサークレットとセットだと・・・」
「330000マニですね」
どうやら割引は無いらしい。
う~ん。既に15万マニを使ってるから合計で48万マニか・・・。サンドラを笑えないな。
なんで一番軽装の私もヒルデやサンドラと同じぐらいお金が掛かるんだろ??
あぁ・・・もう。
「分かりました。それでお願いします」
「ローブとサークレットの付与は何にしますか?各種耐性アップまたは各種能力アップが選べますよ?」
「ならローブは刺突耐性アップ、サークレットは魔力アップでお願い出来ますか?」
「はい。大丈夫です」
「確かにお受けしました」
紙にメモを取り、ジャネットが応える。
前金に半額の165000マニを渡し握手する。
「あ、そちらのお2人も付与されてない装備がありましたら装備品持ち込み1つ5万マニからお受けしますよ?あ、アクセサリーは1万5千マニからです」
「それって魔法耐性も上げられますか?どれか1つの属性でなく魔法全般の耐性は?」
サンドラがジャネットに質問する。
「はい。属性1つに絞るより効果は弱くなりますが出来ますよ」
「じゃあ、後でお願いしようかなぁ。私魔法を取ってないので魔法攻撃に弱くて」
サンドラ、結構気にしてたんだ。
確かに壁役が魔法に弱いと壁役出来ないものね。
その時はヒルデにやらせればと私は思うんだけど。
ヒルデは光、闇、回復と魔法を3つ持ってるからそれなりに魔法耐性が高いだろうし。
「しかしジャネットさん凄いですね。装備に付与とか掲示板でも情報が出てないですよ?」
「そうなんですか?私は掲示板を見ないもので。それ以前にゲーム始めてまだ王都から出てないんですよね」
何気に凄い事を言い出すジャネットさん。
私はこのゲームは魔物を狩ってナンボだと思ってたけど、どんなプレーしてたんだろ?
「王都で何してるんです?と言うかお金足りなくなりません?馬小屋暮らしですか?」
「ゲーム始めて生産のやり方を探してたら、たまたまNPCの職人さんと仲良く成りましてね。今はそこに下宿させて貰ってるんですよ。俗に言う内弟子と言うものですね」
何?宿代がタダだと?
そんな事があるのか?このゲーム。
「それはユニーククエストなんですか?」
今まで静かだったヒルデが話に入ってくる。
「どうなんでしょう?クエストなんてアナウンスは流れませんでしだけど」
「マナー違反かも知れないですけど付与はどうやって覚えました?」
「付与ですか?師匠が普通に教えてくれましたよ?杖や水晶玉の作成と同じように」
何か変ですか?と言う感じでジャネットは質問に答えてくれる。
この人の普通と私たちの普通には若干のズレがあるみたい。
「そうですか。根掘り葉掘り聞いてすみませんでした」
「いえ、私も他のプレーヤーの人と話をするのは始めてだったので緊張しました。実は青空市で店を出すのも始めてだったんです。作るだけじゃなく客の対応も職人修行だと師匠に言われて」
だからこんな端っこで店を開いてたのか。
ジャネットと別れて青空市の屋台で食べ物を買って近くのベンチに座って食べる。
「さてこれからどうする?」
ヒルデが質問してくる。
「これから?」
「そう。第2の街に行くには数日かかるでしょ?でも数日後に王都で新しい装備を受け取らないと駄目な訳で」
「乗合馬車を使って第2の街に行って、期日まで魔物狩りして、全滅して王都に戻れば良いんじゃないの?今なら50000マニ使っても第2の街で1日狩れば取り返せる金額だし」
「やっぱりそれが一番かな?」
「あ、それなら装備が出来上がるまでソロ活動にしない?私、シエロを少し育てたいなぁ」
サンドラがソロ活動を提案してくる。
ちょっと意外。
装備が出来上がるまてまリアル日数で約3日の予定。
ゲーム内時間で約12日。
その間、ソロ狩りか・・・。
やっていけるのかな?私。
「サンドラがそう言うなら、私はソロ活動でも良いよ?」
ヒルデがサンドラの意見に賛同する。
これ私が反対しても多数決で負けるか、ワガママな痛い子扱いされるパターンじゃない?
「私も良いよ。ソロ狩りはちょっと不安だけど」
「でもエリザはソロ狩りの為に棍を買ったんでしょ?なら使わないと無駄遣いになるよ?」
ヒルデが私をイジってくる。
黙ってたのを根に持ってるのか?
「エリザが棒を振り回して暴れてる姿はちょっと興味あるんだけどねぇ」
「ちょっとサンドラ、言い方。私が危ない人みたいに言わないでよ。斧を振り回して暴れてる人が」
「はいはい喧嘩しないの。じゃ今日は早めに宿に戻ってログアウトかな?」
「そうだね。時間も時間だし、宿屋に戻ったら真っ暗だよ」
「それ以前に宿屋でスキルをセットしないと狩りにもいけないしね」
あぁ、そうだ。
私達はデスペナでスキルが全部外れてるんだった。
こりゃ本当に宿屋でふて寝するしかないな。
ふて寝なのにリアルで目を覚ますんだけど。
そしてログアウトする。
リアルに戻ると特にやる事が無かったので犬の散歩をして時間を潰した。
夕飯を食べて再びログイン。
宿屋で目が覚めるとまだ2人はログインしてない。
手早くスキルをスキルスロットにセットすると、食堂に移動する。
朝食を注文し、近くに居た女将さんに声をかける。
「女将さん、南の街に乗合馬車で行きたいんですが乗合馬車ってどこで乗れますか?」
女将さんに乗合馬車乗り場の場所を聞き、一応2人に先に行くとメッセージを残し移動する。
他の街に行っても良いんだけど、前回初見殺しでやられてるので慣れてる南の街にした。
乗合馬車乗り場で行き先を確認しお金を払う。
南の街サヴァニエミまで50000マニ。
3人で狩りをすれば1日掛からず稼げる金額だけどソロではどうなるか。
死に戻ったら、王都の東の森あたりで大根やニンジン狩りかな・・・。
そんな事を考えながら馬車に乗り込む。
何気に初めての馬車。
木で出来た車体に布で幌を張ってある。
馬車の中はログアウトしても他者からイタズラはされないらしい。
馬車が魔物に襲われたらログアウトしててま魔物に攻撃されHPバーが全損すれば死に戻されるらしいけど。
私は覚悟を決めてログアウトする。
ほっとけば明日には南の街サヴァニエミに到着してるだろう。
ログアウトした私はFEOの掲示板を検索する。
南の街の中の情報や周辺の魔物の詳細、ユニーククエストと思われる情報、魔法や棍で次にどんな技を覚えるかなど。
そして色々な情報の中で1つショックな情報を見付けた。
「あ、デブ鶏や大蛇の素材、南の街より王都の方が高く売れる・・・売るの忘れてた・・・」
とりあえず凜と祐奈に携帯電話でメッセージを送る。
まだログインしてなければ見れるだろう。
既に素材を売らずに王都を離れてたら損した仲間だ。同士と呼ぼう。
そんな事を考えてると凜からメッセージが返ってきた。
『ありがとう。ログインしたら忘れずに売ってから移動するよ。素材すっかり忘れてた』
むぅ。裏切り者め。
きっと掲示板の情報を漁っててまだログインしてなかったんだろう。
返信が返って来ない祐奈は既にログインしてるのかな。いつもログインが速いから。
時間を守る人が損をする嫌な世の中だ。
リアルで3日、ゲーム内で12日のソロ活動か。
とりあえずソロでの目標は棍のレベルを10まで上げる事かな?
魔法のレベルも上げて次の魔法を覚えたい。
あとは何かユニーククエストでも見付けられたらいいな。
そんな事を考えながらその日は終わった。
前話で『寄与』と間違った言葉を使っていた部分を『付与』に修正しました。
お馬鹿な作者ですみません。




