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魔物狩り

前回と同じく東の門に向かう。

門の前では臨時の野良パーティーの募集してる人達が結構いる。


私たちは声を掛けられないように足早に門を出て街道を進む。

他のプレーヤーが街道から逸れた草むらで戦闘してるのを見かける。

外から見ると他のプレーヤーの戦闘も私たちと変わらないレベルに見える。

実際はどうだか分からないけど。


ある程度歩いて人気が無いエリアを見つけ街道から逸れて背丈が膝下ぐらい生えてる草むらの中に入っていく。

すると前回も戦った鳥の羽根を丸く集めたような魔物(フェザーボールと言うらしい)が3匹現れた。


「よしやるよ!!サンドラ!!魔物を後に漏らさないように全て抑えて!!」


ヒルデがサンドラに指示を出すが無茶振りに聞こえる。

サンドラが盾を構えて先頭のフェザーボールに体当たりをする。

その間に私は横に回り込んで長杖を構えて、サンドラから遠いフェザーボールに向かって魔法を撃つ。


「ファイアボール!!」

「ウォーターボール!!」

「ソイルボール!!」

「ウインドボール!!」


魔法の待機時間を避ける為に順番に魔法を連射する。

フェザーボールの動きが鈍いお陰か全弾命中し2匹倒す事が出来た。

ちょっと気持ち良い。


サンドラも1匹倒し残り1匹になったので魔法を使うのを止め長杖を構えて近付く。


「ライトスピア!!」


ヒルデが光魔法を使い最期の1匹にトドメをさす。

ライトスピアは白い光の一本の線が飛んで行き刺さる魔法だった。

私のボール系の魔法より格好良くない?


「よし完勝」


ドロップアイテムを確認すると、羽根が4つ(枚?)獲得できた。


「この調子で次も行こう」


更に原っぱの奥に進んで行く。

すると少し遠くに森が見えてきた。


「森だと敵が強く成りそうだよねぇ…」


「もう少し原っぱで練習した方が良いと思う」


「賛成!!」


3人の意見が一致して原っぱ徘徊が決定する。

そして原っぱを徘徊すると魔物に遭遇した。


「なにこれ?歩く大根?」


「大根が2匹か。んっ?大根って匹で良いんだっけ?」


「ほら!!戦闘準備!!倒すよ!!」


私とサンドラが呆気に取られてるとヒルデの檄が飛ぶ。


大根は葉の部分をニョキニョキと伸ばし鞭の様に叩き付けてくる。


サンドラが盾でそれを受け、ヒルデが横からその鞭の様に伸びた葉を片手剣で斬りつける。


「よし!!斬れる!!いけるよ!!」


喜ぶヒルデにもう1匹の大根の葉っぱ鞭がヒットする。


「痛っ!!」


「ヒルデ、気を抜いちゃ駄目!!」


「エリザ~援護は!?」


「そこだと2人に当てちゃいそう!!一旦、後に下がって!!」


2人が後に下がったタイミングで魔法を乱射する。


「ファイアボール!!」

「ウォーターボール!!」

「ソイルボール!!」

「ウインドボール!!」


魔法が命中し大根が怯んだ瞬間にサンドラが斧を振り上げ襲い掛かる。


「よし1匹倒した!!」


「ダークスピア!!」


残り1匹の大根にヒルデの魔法が刺さり大根は光となって消える。

ダークスピアは黒い線が飛んでく魔法だった。


「大根、思ったより強かったね」


「そうね。フェザーボールより強かったわ。一撃貰ったもの」


「HP残量大丈夫?」


「まだ大丈夫。まだまだいけるよ」


大根のドロップは、大根だった。

王都の人々はこれを食べてるの?軽く引くわ・・・。


更に原っぱの徘徊を続けるとまた大根に遭遇した。


「また大根!!しかも数が多い。・・・5匹いる!!」


「1匹、赤いよ!!」


「ちょ!!赤いやつ速いよ!!気を付けて!!」


サンドラが盾を構えて敵の注意を引き付ける。

私は大根の横に移動してサンドラより遠い大根に魔法を乱射する。


「ファイアボール!!」

「ウォーターボール!!」

「ソイルボール!!」

「ウインドボール!!」


全弾命中。

大根を1匹を倒し、次は赤いやつを狙う。


「ファイアボール!!」

「ウォーターボール!!」

「ソイルボール!!」

「ウインドボール!!」


「ちょっ!!避けられた!?」


4発中最初の2発は避けられ、3発目がかする程度、クリーンヒットしたのは4発目だけだった。


「きゃ!?」


声の方を見るとヒルデが大根の葉に足を掴まれ動きを封じられてた。

そこに別の大根が2本の葉で地面を掴み勢いを付けて大根部分を突き出し体当たりを仕掛ける。


「嘘っ!!」


ヒルデは辛うじて左腕に付けた小盾でガードすしたが結構ダメージを受けたみたい。


「エリザ!!余所見は駄目!!」


サンドラの声で我に返ると赤いやつが同じように身の部分を突き出し私に特攻してくる。


「こんのっ!!」


身体を反らし倒れ込みながら躱しつつ、長杖を両手で持ってそれを殴り、打ち返す。

カウンター気味にヒットして赤いやつが光となって消える。

2人の方を見るとサンドラとヒルデがそれぞれ大根に止めを刺した処だった。


「大根、怖っ!!」


「数が多いと苦戦するねぇ」


「あ、赤いやつはニンジンだったみたい。ドロップアイテムにニンジンがある。大根も大量だよ」


「ニンジンも居るのかい!!」


「最大パーティー人数は6人みたいだから、それに合わせた敵パーティーがいるのかも?」


「とりあえずポーションで回復する?それとも休んで自然回復する?」


「じゃあ、ヒルデの回復魔法で回復する」


「あら、こんな処に回復持ちが(笑)」 


「はいはい。お嬢様たち。回復させていただきますわ」


「うむ。良きにはからえ」


「どこの貴族よ(笑)」


「でもMP消費激しいから少し休憩させてね。エリザはMP大丈夫?」


「私はまた1/4ぐらい減ったぐらいだよ?」


「えっ、あんなに乱発してたのに?」


「スキル補正の差じゃない?私は魔法スキルで固めてるし、MPアップとMP回復アップのスキルを持ってるから」


ちょっと自慢してみる。


「その割には杖で殴って無かった?さっき」


あら、見られてた。


「いやあれは仕方が無いでしょ?有名な野球選手が言ってたじゃない?なぜバットを振るのか?それはそこにボールが飛んでくるからだ。と」


「なにそれ?私は聞いた事ないんだけど?」


「うん。言った私も聞いた事ない」


「始まったよ。ホラ吹き娘」


「ホラ吹き娘とか止めて。軽いアメリカンジョークじゃない・・・」


「口からデマカセをアメリカンジョークとは言わないと思うの」


むぅ・・・形勢が不利だ。

話を変えよう。


「そんな事より、ヒルデはMP残り少ないの?」


「残り1/3ぐらいかな?スピア系の魔法も軽く燃費悪いのよ」


「それ燃費じゃなくMPの総量の問題じゃないの?」


「あ、それもあるかも。万能型のデメリットかな」


「今からヒーラー極振りに変える?」


「それじゃ英雄プレー出来ないじゃん」


「聖女プレーが出来るかもよ?」


「ん・・・私の好みじゃない」


「そうなの?」


「想像してみ?聖女様にお嬢様抱っこされるのと、英雄にお嬢様抱っこされるのどっちがいい?」


なんか訳の分からない事を言い出した。

あんたは抱っこする方なのか、されるの方なのかどっちを想定してるのよ?


「ねぇ?英雄にお嬢様抱っこされたいでしょ?」


「ヒルデは英雄になって私達をお嬢様抱っこしたいの?」


サンドラが百合系の妄想を始める。

止めて。身内でその妄想は止めて。


「そうじゃなくて・・・もういいや。兎に角、私は英雄プレーを目指すの。だからこのままで良いの」


なるほど。

よく分からないけど納得しとこう。

面倒くさいから。



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