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護衛任務

翌日、宿屋でスキル編成を整え、待ち合わせ場所の東の城門前に向かう。

道中で3日分のお弁当を買い準備は万端だ。

城門前に到着するとフォレストキーパーの4人は既に到着していた。

お弁当を色々と選んでて時間を使い過ぎたな。


「すいません。遅くなりました」


「いやいや、まだ約束の時間の前ですよ。私達はここで朝食を食べてただけです」


「えっ?ここで御飯ですか?」


「えぇ。アーヤが【料理】スキルを持ってるので食堂で食べるより安上がりなんですよ。味は味はどっちが上か分かりませんが」


「そこは嘘でも美味しいって言う所でしょ?」


キョウさんとアーヤがじゃれあってる。

むぅ・・・リア充の臭いがする。スルーしよう。

ヒルデやサンドラもレイレイさんと雑談してる。


「エリザさん、それでは護衛の前金の15万マニです」


「はい確かに」


ノッチさんからお金を受け取り、ヒルデとサンドラに5万マニづつ渡す。

うん。クランリーダーって基本的に雑用係だよね。

キョウさんとアーヤさんがイチャついてる脇で依頼料の受け渡しって雑用。

ノッチさんもきっと私と同じ気分のはず・・・いや、もしかしてノッチさんはレイレイさんと出来てるのか!?

そんなカップリング厨みたいな事を考えてモヤモヤしてると出発の時間となった。


今回は護衛なのでアインとラメド、シエロを呼び出し私たち『魔女の庵』は3人と2匹と1羽のフルパーティー。

『フォレストキーパー』はノッチさん、キョウさん、アーヤさん、レイレイさんの4人パーティーで移動する。

フォレストキーパーの4人は皮鎧を装備してるだけで武器は手にしてない。

まぁ収納に入れてるだけで、もしもの時は取りだして戦うだろうけど、基本的に戦闘は私たちが完全に請け負う。


「それでは出発しましょうか」


ノッチさんの声で出発する。

先頭にサンドラとシエロと私、真ん中にフォレストキーパーの4人、後にヒルデとアインとラメド。

・・・なんで魔法使いの私が前を歩くのかちょっと疑問が残るけど、まぁ回復役のヒルデが前を歩くよりはバランスが良い気がするから我慢しよう。


地図を見てるレイレイさんの指示に従い街の北西の森へと入っていく。

今回の私は戦闘に集中。

マッパーをクビになった訳じゃなく目的地までの地図をフォレストキーパーが持ってたのでフォレストキーパーのマッパーのレイレイさんがマッパーを務めてる。

けっして私のマッパーとしての能力の問題では無いと自分に言い聞かせる。


例によって北西の森は巨大な虫祭り。しかもここの虫は酸を飛ばしたり魔法攻撃だったりと遠距離攻撃型が多いから盾を持ってるサンドラとヒルデが大活躍。

サンドラとヒルデで虫の攻撃がフォレストキーパーの4人に向かって飛ばないようにガードし、アインとラメドが主に回復役、私とシエロの魔法で魔物を迎撃する。


「ねぇ、やっぱりエリザはバフやデバフを使うの頭から抜けるっぽいね?」


「いや、サンドラ違うって。まだレベルが低くて単体にしか掛けられないから効率的に使うの控えてるだけだから。ちゃんとサンドラとヒルデには戦闘前に耐久アップのバフ掛けてるでしょ?」


シエロを索敵に飛ばし、戦闘を歩く私とサンドラは雑談しながら歩いて行く。


「あ、そこ採取ポイント!!」


採取ポイントを発見すると採取休憩となり、フォレストキーパーの4人は採取をし始める。

全員が高レベルの【観察】スキルを持ってるらしい。

採取特化パーティーって凄いな・・・。


「結構、採取ポイントってあるんだねぇ」


「だね。これで4回目だもねぇ」


「あんたら・・・採取ポイントはもっとあったわよ?でも売値の安いものはスルーして高値の物だけ選別して採取してるのよ?」


ヒルデが私たちに説明する。

どうやら道中でフォレストキーパーの誰かに聞いていたっぽい。


「それよりヒルデまでこっちに来たら警戒が疎かになるから駄目だよ?」


「サンドラがエリザと無駄話をして警戒をサボってるから注意しに来たのよ?それに警戒はシエロとアイン、ラメドが頑張ってるから」


「そんな事を言って、自分だけ仲間はずれで寂しかったんでしょ?」


「はいはい。そう言う事にしときますよ」


「しかし何度も採取や採掘してるけど【収納】はいっぱいに成らないのかなぁ?」


「その時はリュックサックの出番でしょ?草なら軽いし」


「私達は【収納術】ってスキルを持ってるのでリュックサックの出番はまだまだ来ませんよ」


採取を終えたアーヤさんが教えてくれる。


「一応、全員【収納術】スキルを進化させて【収納術Ⅱ】にしてるから【収納】に入る量が大きく増えてるからね」


「最初の頃は持てなくなってリュックサック使ってたよね」


「あの頃はなぁ・・・。採掘で取った重い鉱石は【収納】に入れてリュックサックにら軽い薬草系を入れた方が持ち運びが楽って気付くまでは大変だったよな」


キョウさんとアーヤさんが昔話に花を咲かせる。

あれ?これ話が長くなるやつか?

・・・この2人、妙に仲が良い気がする。距離感とか色々と。

ノッチさんとレイレイさんはどう感じてるんだろう?


しかし【収納術】か。

興味はあるスキルなんだけど私達は採取しないからな・・・。

採取するのとその時間を魔物狩りに使うのとどっちが儲かるんだろ?


それからも何度か魔物討伐と採取休憩を挟み本日のログアウトポイントに到着した。


「それでは一旦休憩してリアル時間の午後1時に集合しましょう」


ノッチさんの仕切りで一時解散になる。


「じゃヒルデ、遅刻しないようにね」


「あのね・・・最近はエリザの方がログイン遅いからね?」


「もう2人で底辺争いしてないで早くログアウトした方が早く御飯食べられるよ?」


お互いに声を掛け合ってそれぞれテントに入りログアウトする。


昼食を食べ再びログインすると、既にサンドラとヒルデはログインして焚き火の前に座って話していた。

サンドラは既に毎朝の儀式になってる中型犬ぐらいに巨大化したシエロを膝の上にのせてナデナデしてる。


「ヒルデ、サンドラおはよう」


「ほら!!やっぱりエリザが一番ログインが遅かった!!」


「何を言ってるの?まだ集合時間の40分ぐらい前じゃないの。遅刻はしてないからね?」


FEOはゲーム内の時間は4倍に加速してるからリアル時間でログインが1分ズレるとゲーム内の時間では4分ズレる。

リアル時間で待ち合わせ時間の10分前にログインするとゲーム内の中で待ち合わせ時間まで40分も待たなければならない。

地味に待ち合わせにはこの仕様は不便なんだよねぇ。


「エリザ、おはよう。エリザはテントの中でもアインとラメドと一緒に寝てたの?」


「そうだよ。川の字になって寝てるから微妙にテントが狭く感じるけどリアルじゃ出来ないから癖になるよ。サンドラもシエロを抱いて寝てるよね?」


「そりゃそうよ。鳥を抱いて寝るなんてそれこそリアルじゃ出来ないんだから。羽毛布団だよ」


「あんたら・・・少し特殊な性癖に成っていってる自覚ある?」


サンドラと話してたら、ヒルデが呆れたような目で私とサンドラを見る。

ふっふ。本当は羨ましいんじゃないの?ヒルデ。


フォレストキーパーの4人も次々とログインしてきて、時間になったので出発する。


「アイン!!ラメド!!索敵お願いね」


まだ日の出前で薄暗いので私とサンドラは腰からランプをぶら下げ、ヒルデは手にランプを持っている。

索敵の要のシエロは鳥目なので暗い中での索敵は不得意だ。


「ねぇ、サンドラ。シエロに【暗視】みたいなスキルを取らせたら?」


「ん・・・考えた事はあるんだけどねぇ。ヒルデが光魔法を取ってるから光源の魔法が使えるじゃない?だからそこまで必要ないかなって。それにシエロが鳥目じゃなくなったら没個性にならない?」


「・・・いや没個性とか何言ってるか分からないから。しかもヒルデの光魔法は精霊化させたせいでレベルが下がってて光源の魔法を使えないし・・・」


そんな私たちの話を聞かれたのかノッチさんが光源の魔法を使ってくれた。

・・・うーん。地味にちょっと恥ずかしい。





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