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東の街イタプル

翌日、ログインするとそこは乗合馬車の停留所だった。

馬車から降りて、停留所の敷地内から外に出る。


「あ、エリザ。おはよう」


いつも通り私より早くログインしベンチに座っていたサンドラが挨拶してくる。

いつもの金属鎧は脱いでいて【巨大化】スキルで幼稚園児ぐらいの大きさになってるシエロを膝に乗せて抱き締めている。


「サンドラおはよう。ねぇシエロまた大きくなった?もう鷹よりも大きいじゃん」


「ふふっ、いいでしょ?巨大化させてればさせてるだけ経験値が入ってレベルが上がって更に大きくなるのよ?愛情を注げば注ぐだけ育つ感じで癒やされるの」


サンドラがシエロを見てうっとりとしてる。

・・・なんかサンドラの闇を見た気がする。


「私もアインとラメドに【巨大化】スキルを取らせれば2メートルとか3メートルぐらいの体長に大きくなるのかな?ちょっと興味が出てきた」


「そのうちNPCみたいに会話が出来るようになったりしてね」


「え・・・それは嫌だな。ペットは人間の言葉を話さないから良いんじゃないの」


私が答えるとサンドラはそれが意外なようで反論してくる。


「ペットと話したいってのはペットを飼う人の総意だよ?ペットに向かって話し掛けた事がない人は居ないよ?」


「いや、それは一方的に妄想で話すから楽しいんだよ?実際に話してきたら嫌だって」


「えっ?そう?」


「そうだよ?アインとラメドが『黙れ小娘!!』とか『魔物を殺して平気なの?』とか言ってきたら嫌でしょ?」


「そんな発言する時点でアインとラメドはグレてるか病んでるかしてると思うの。エリザの育て方のミスだと思うよ?」


「だからペットが話さなければ育て方の失敗を自覚する事は無くて済むでしょ?」


「育て方を失敗する前提で語られても・・・」


「おっはよう。あれ?2人ともどうしたの?」


「ちょっとサンドラと嗜好の違いを話してて」


「あ、なんか面倒くさそうだから詳しくは話さなくて大丈夫だよ?それよりこれからどうする?」


私たちがここ東の第2の街イタプルに来るのは初めて。

街の中を観光しても良い気はする。


「ねぇ、何気に徒歩で来た事が無い街に乗合馬車で来るの初めてじゃない?とりあえずどんな魔物が出るか見て見たいな」


「それなら街の東側、第3の村がある側で狩りしたら良いんじゃない?」


どうせ狩りをするなら強い魔物を狩った方が経験値的にもドロップアイテムの売り値的にも得だもの。


「エリザ・・・私たち昨日は王都に戻ってそのまま乗合馬車に乗ったからふざけたスキル設定のままじゃない?それで村側のフィールドで狩りはちょっと怖いよ?」


そうだった。

昨日は紅雲と蒼波の第3陣の2人に付き合うのにスキル編成を弄ってたのを忘れてた。


「たまには昨日みたいにみんなでダラダラ狩りするのも良いね」


突然ヒルデが思い出したかのように昨日の感想を語り出した。


「突然どうしたの?ヒルデ。いつもはトッププレーヤー目指して!!とかスキルのレベル上げ命みたいな事を言ってるのに」


「いや、だってさ・・・私たち学校が始まって圧倒的にログイン時間が廃人の人たちと差が出るんだもの」


確かにそうだ。

平日は夜しかログイン出来なくなって昼間もログイン出来る廃人の人たちとはプレー時間で差が出てしまう。

・・・と言うか夏休みの間は私たちも廃人レベルめログインしてたのが今考えると我が事ながら軽く引く。


「ねぇ、話を元に戻すよ?とりあえず街の王都側で狩りをするって事で良い?」


「サンドラ、やけに拘るねぇ?」


「実はもう少しで【投げ斧】と【投擲】のスキルがレベル30に成りそうだから集中的に使ってレベルを上げちゃいたいの」


そう言う事なら仕方が無い。

お互い様、持ちつ持たれつなんだから。


私は街の西側、つまり王都側の門をくぐり抜け狩りにでる。

東の街のまわりの景色は、南の街とは違って地面が草に覆われてなくて土がハッキリ見えてる荒野。

ところどころに申し訳程度に草が生えてるだけだった。

木や背の高い草が無いだけ見晴らしがいい。

目を凝らしてまわりを探すと動いてる魔物を見付ける。


「うわっ!?なにこれ?」


頭が刃になってる蛇のようなモノが3匹こちらに気付きやってくる。


「エリザ、騒いでないで前衛お願いね?その魔物はスピアスネークって名前で、捨てられた槍に魔力が宿って命を持った設定の魔物って攻略サイトに書いてあった」


設定って。

まぁ、私はフレーバーテキストを読むのは嫌いじゃ無いけど、このゲームどこでそんなの見れるんだろ?

そんな事を考えてると柄の部分が蛇のようにウネウネとうねらせながら槍蛇がこちらにやってくる。

動きがまんま蛇の動きの槍の魔物。

うん。ちょっと何言ってるか分からない。

柄の部分がウネウネ動く時点でもう槍じゃないと思うんだけど。


「うおっ!?」


突然、槍蛇が3匹同時に穂の部分をこちらに向けて飛んできた。

所詮、蛇の亜種だと思って舐めてた私は間一髪、身体を捻ってそれを躱す。


「あぶな・・・ソイルボール!!」


私は魔法を放つが線の細い槍蛇には当たらない。

ヒルデも長弓で矢を放つが当たらない。


「ヒルデ、流石に長弓は無理でしょ?魔法を撃ってよ!!」


「魔法は精霊が勝手に撃つから手動では撃てないよ!!」


精霊は気まぐれで使えない。

頑張って乱射する時もあるし、今みたいに全く撃たない時もある。本当に気まぐれなのだ。

スキルレベルが上がればこのムラッ気も無くなり、立ち回りも上手くなるだろうか?


「サンダーアックス!!」


サンドラは投げ斧に雷魔法を纏わせて、それを槍蛇に向かって投げ付ける。

見事命中し槍蛇が雷魔法の効果で痺れ一瞬動きが止まる。

そこを私がメイスで頭を潰すように殴り付けると槍蛇は光と代わる。


あと2匹。


「『集中』!!」


ヒルデが長弓の技を使って矢を放つ。

見事に穂の部分に命中するが倒す程のダメージは入ってない。

そう思った瞬間、精霊が放ったライトスピアとダークスピアが槍蛇に命中し槍蛇は倒れた。

そして残り1匹も順当に倒し戦闘は終了した。  


それからもブロンズゴーレムや動き回る竹など他の地域では見かけない魔物を倒しスキル上げをする。


「このスキル編成だとこの場所が適正って感じがする」


「私もそう思う。今日はここでずっと狩りだね」


「今晩。宿屋に行ってスキル変更するまではね」


「じゃあ明日はガチのスキル編成で街の東側で狩りをしようか?」


「そこは聞くまでもないでしょ?1回はちゃんと魔物と戦って、そこがどのぐらいの強さの狩場は調べておかないと」


暗くなるまで狩りをした私たちは、東の街の冒険者ギルドで魔物のドロップアイテムを売ってお金に換えてから、近くの宿屋に部屋を取った。


「う~ん、クランハウスの建て替えまでは長い道程になりそう」


宿屋の食堂で夕飯を食べながら雑談する。


「それはあれ、第3の村の付近の魔物のドロップアイテムは高く売れるからそっちで稼いだ方が良いと思う」


「アイアンゴーレム狩り、私たちで安定して狩れるのかな?」 


「ん・・・まずは私たちが第3の村付近で安定して戦えるようにここでスキルを成長させないとねぇ」


「あ・・・私も今日の戦闘で【魔力up】【詠唱短縮】の2つがレベル30に成ったから入れ替えたいけど入れ替えるスキルを持ってないんだよね。何か取らないと」


一応、純魔法使いってロールでやってるんだから魔法スキルを取るか、それともメイスや棍などを使う接近戦で役立つ補助スキルを取るか悩むところ。

・・・スキルを何取るか悩んでると、ある事を思いだした。


「あっ、王都に戻ったら魔法ギルドに行ってチーノ婆ちゃんに魔法が連射出来なくなった事を相談しようと思ってたのにスルーしてこの街に来ちゃった・・・」




────────

記念すべき100話目なのにグダグダですみません。



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― 新着の感想 ―
[一言] gdgd感がこの三人らしくてよいかと。 キビキビ攻略しだしたらお前ら誰だってなりそうですw
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