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9/29

*始まりは突然…なの?

続きモノ


進まぬ進行……都市にたどり着くのはいつの日か……


ではどうぞ?

兵士の情報により、憂鬱な気分で宿に向かうメディナを気遣い、


「メディナさん、宿の従業員だったらそこまで気にする必要は無いんじゃないですか?…そんなに沈まなくても…」


「分かってない…………ランテルさんは分かっていないのですよ!……模擬試合であんなアザが付くまで戦うのは戦闘狂か何も考えてない子供くらいです……あぁ、こんな事なら無理にでも次の村へ……はっ!今から預かり場に戻って馬車を……」


ぐずぐすと歩くメディナを宥めながら歩いていると、宿の目の前に辿り着く


「勿体無いからやめましょう……っと、着きましたよ?諦めて入りますよ。」


「あぁ、待って……」


尚も嫌がり、右腕にしがみつくメディナを引きずる様に左手で、宿の扉を開けたランテルは店の中を見て驚く


「うわ……すごいお客さん多い、宿空いてればいいけど…」


「…………本当ですね、これなら…期待しても大丈夫でしょうか…じゃあとりあえず空室かどうか確認してきますね?」


扉の中は人でごった返しており、料理の載ったテーブルがいくつも見えるが全て埋まっていた。

宿の活気を見たメディナが、安心したのかほっと一息ついて、ランテルとカウンターへ向かい宿の空きを確認しに行く。


「……おい?あの姉ちゃんきれーだなぁ…御伽噺の女神様か……」


「いやいや、オメェのカァちゃんの方がキレーだろ?だったよう、聞いてくれよ!こいつのカァチャンこの間……」


満席のテーブルの何処からかメディナ達の話をする声が聞こえ、あるテーブルでは中年の男性達がお酒?を飲み、笑いながら、


「わぁ……綺麗な女性(ひと)横のお兄さんもカッコいいけど、何処かの貴族様かしら?」


「あぁ、というか…今まで見た人の中で1番美しい……おい…男の方結構出来そうだな?」


「ふむ、あの金髪の男はなかなかの手練れだな…歩き方が乱れない…あの若さで相当な修練を積んだのであろう。」


「……本当…………あぁ……あの綺麗な青い眼…上から見下されて踏まれて罵られたい……」


「「「……え(ム)っ?」」」


また、あるテーブルでは若い弓士の女の子と剣を持った男、厳つい顔をした老人とローブを纏った女性の冒険者4人組がメディナ達を見ながら、知らなかった仲間の性癖に驚いているのを聞き、歩いていると宿のカウンターに辿り着いた。


「あら?…どなたもいらっしゃいませんが…宿の方はどちらでしょうか?」


「はーい!……ちょっと待っててーー!……」


カウンターが無人だった為、備え付けてあったベルを鳴らすと、奥から明るい元気な返事が返ってくる。


「はーい!6番テーブルお待ちどうさま!………お待たせしました!…わぁぁ…きれーなおねーさん…………あっ、いらっしゃいませ!本日はどの様なご用件でしょうか!」


声が聞こえた扉から両手に大量の料理を持った、背の小さい茶髪の右だけをサイドテールに結んだ女の子が飛び出してくる、小走りでテーブルに向かい器用に両手に持った6皿の料理を並べて一礼。


そして、カウンターに走ってきた少女はメディナを見て見惚れてぽーっとしたが直ぐに立て直し用件を聞く。


「あの、こちらの宿に空きはあるのでしょうか?私たちはエームへ向かう途中で、本日は馬が疲れていた様なのでこちらで宿泊したいのですが…」


「あっ!ご宿泊ですね、ちょっと待ってくださいね?……」


メディナが口を開くと、野次馬根性丸出しのテーブルに座っている人々が静かになり、少女が台帳をめくる音以外聞こえなくなる。


「…………何か、注目されている様ですね?」


「…はい、おそらくですがメディナさんが見たことも無い美人だから気になっているのか…と?」


衆人環視に合っているメディナが、あえて聞こえる様にランテルに向かって喋るとランテルが顔を見ながら感想を述べた。


ランテルの言葉が終わるか終わらないかという時、メディナの顔が嫌そうになり、ランテルは機嫌を損ねたか?と内心冷や冷やしながら言い切る。


「私が美人って……ランテルさん、いい歳した人が揶揄うのはあまり良いこととは思えませんよ?」


初日以降鏡を見ていない為、容姿がどうなっているか忘れたメディナは、中年のおっさんに何てこというんだ、とランテルに向かって冷たく吐き捨てる様に言う


「……あった!…ん?おねーさん、空きありますよ!」


周囲まで異様な空気に包まれてしまい、嫌な静けさが漂い始めた酒場を救ったのは宿の少女だった。


少女は台帳から顔を上げてメディナに言うと異様な空気は霧散する、ランテルは未だジト目で睨み続けるメディナを避けて少女に確認する。


「どうもありがとう、それじゃいくらぐらいかな?」


「うちはお一人様一泊2食付きで銀貨1枚、素泊りなら銅貨8枚だけど…食事が銅貨2枚だから食事付けた方がお得ですよ!」


ランテルの質問に少女は元気に答える、ちゃっかりと高い方をお勧めしてくるのは商売上手な様だ。


「じゃあ2部屋お願いするよ、銀貨2枚で良いのかな?」


「えっ?ごめんなさい、今日はあと一部屋しか空いてないんです…でもでも!おねーさんとおにーさんは恋人さんですよね!ベットも大きいからお2人でも充分寝られると思いますよ!」


ランテルが2部屋をお願いするが、部屋がツインベッドの部屋1つしか空いてなかったようだ、悪意のない笑顔でメディナとランテルを交互に見た少女はそう大声で言いながら勧めてきた。


……静まりかえった満席のテーブルの前で……


「他に宿もありませんから!じゃあご案内しますね?……あっ、私はエリザベスと申します!ご用がありましたら気軽にエリーって呼んでくださいね!」


じゃあ、出発!、と歩き出したエリーに連れられて、顔を真っ赤にしたランテルとそれをまだジト目で睨み続けるメディナは部屋に向かった。



「夕飯はサービスでお持ちしますから少し待っててください!……では、ごゆっくり〜。」


ーパタンっー


案内された部屋は寛げる椅子が二脚とテーブルがある部屋で、ランテルとメディナはとりあえず座って地図をテーブルに広げて今後の予定ルートを確認する。


「ここがアーサー監獄城塞で、6日経って今はこのイスリギの村です。」


「へえ、この村少し行くと海があるのね?ちょっと見てみたい気もするけど……」


「やめておいた方がいいです、メディナさんが助けた行商人が言ってましたが、今海岸付近に海竜が出るそうなので近づかない方が無難です…………まぁ、メディナさんなら倒せるかもしれませんが…こっちから手を出さなさければ人を襲うことも無いそうなので無闇に刺激しない方が……」


海と聞いて興味を示すメディナに、ランテルは申し訳なさそうに諭す、そこまで行きたいわけではないメディナは争いの種になりそうな情報を教えてくれたランテルに感謝の意を示して海行きを諦める。


「ここが目的地のエームで、街に着いたら先にギルドまでご案内します、俺の実家はそのすぐ先の鍛冶屋なんで泊まる場所が必要ならうちに泊まるといいですよ。」


「そう、………ふぁ〜…ありがとうございます。……それじゃあ、もう遅いし…そろそろ寝ましょうか?」


話の途中でエリーが運んできた夕飯を食べ、途中から眠そうに目を擦っていたメディナは、髪の毛先をくるくると弄りながら眠そうに言い、ベットに腰掛ける


「へっ!あっ!そ、そうですね!えっと…それでしたら私は床に寝ますので。」


「えー…いいじゃないですかぁ…ふわぁ〜………いっしょにねましょ〜〜…んみゅ……」


馬車の中では、仕方なく共に寝たことも有るが、身体は離れていたし、何より時折いい匂いがしてそれだけでも理性を保つのが大変だったランテルは断ろうとする。


「いいの〜……ねるの〜……わたしとねるの……いや?」


しかし、ランテルの服の袖を握りしめて離さないメディナが、普段しない様な子供のような言葉使いで言ってきた為、ランテルはメディナに続き諦めてベットに横になる。


ランテルがベットに横になると、メディナの綺麗な銀髪がベットに広がり、まるで月の光に飛び込む様な印象を受ける


「ふふふ〜……ふかふかぁ〜……きもち…………………」


「くっ!静まれ俺!!ランテル!しっかりしろ!お前は騎士だ!…………そう…………我慢…………気合……ぐっ!……」


そのままスヤスヤと眠りについたメディナの横で、ランテルは必死に自らの欲望と戦っていたが……2時間ほど頑張ったところで急に眠気が襲ってきて眠りについた。











ーガチャッ……パタ……ー


メディナとランテルが眠っている部屋に誰かが入って来る。


その人物は音を立てない様にそろそろと歩きながら2人が眠るベットへ近づいて行く。


「…………すぅ……すぅ……………………といれ………ん?」


「?!『ガタッ』しまった!」


侵入者が月の光に照らされてギラリと光ナイフを、メディナに突き立てようとした時、メディナが目を覚ました。

驚いた侵入者は驚いて部屋の椅子を倒してしまいガタッと大きな音がする。


「!?だれ!?」


物音で完全に目が覚めたメディナがナイフに驚いてベットから飛び退く。


「ちょっと!ランテルさん!起きて!」


「無駄よ、その人には薬を多めに盛ったから朝まではぐっすりだから………それよりあんた、エルフでしょ?しかも相当強い魔力持ちの……一体何のためにここに来たの?…私達を殺す為?……」


メディナがランテルを起こそうと声を上げるがダメな様だ、襲撃者がメディナをエルフと理解したうえで襲っていることが分かり、なおも憎しみのこもった声で語りかけてくる。


「……殺すって……何でそんなこと…」


「白々しい!そんな強い魔力!アイツらの実験体でも持ってなかった!と、言うことはあんたが黒幕でしょ!」


全く身に覚えのない言い掛かりに若干苛立ちながら対峙して居るとメディナの背後に気配が現れて何かが首に付けられてしまう、そこに目だけを向ける。


「…動くな……動けばそのまま首を掻っ切る。」


首筋に大振りのナイフをあてがわれたメディナが降参、と手を挙げる、月明かりが部屋を照らし出して見えた正面の襲撃者は、


「あんたが主戦派の回し者だってネタはあがってるんだから!洗いざらい吐いてもらうわよ!」


髪の色がピンク色に変わった宿の少女エリザベスであった。


一応書けましたので連投


暇つぶしの一助になれれば幸いです


ではまた次回

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