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7/29

*秘密は墓場まで……無理でした_| ̄|○

続きモノ


各話のサブタイトルは主人公の気持ちをあらわしてます


主人公メディナの戦法は、いのちをだいじに


一択です。

「えっ?メディナさん大丈夫ですか?治療魔法使える人連れて来ますか?」


急に頭を抱えて唸り出したメディナを心配そうに覗き込むベルフラウ、それを手で制し


「いや、大丈夫ですから……お願い、少しだけで良いから大人しくしていてください……少し情報を整理したいので……。」


「?…はぁ、分かりました…大丈夫ならいいんですが…。」


訝しげな表情をしたベルフラウに、待つように伝える。

そしてメディナは頭の中で先程()()()()()()()情報を整理していた。


先ず……エルフが恐れられているのは強い魔法が使える人間嫌いな派閥が主導権を握っているからで……


そして、このモニング王国は…その主戦派エルフに脅迫されていて好き勝手されてて…


……最後に、一番重要なのは恐ろしく強いエルフに狙われている非戦派の居場所を私が知ってしまったという事……コレはおそらく聴いてしまった時点でアウト…


「……ッ!…そうだベルフラウさん…貴女、この話私以外の誰かに喋った?」


僅かな期待を込めてメディナは、ぽけ〜っと突っ立っているベルフラウに問う


「えっ?してませんよ?だってアイリスさんが絶対に秘密だって言ってましたから!…………………あーーーっ!!言っちゃったぁ〜〜!!……どうしよ……え、え?え!え?!えぇ!?……」


期待は脆くも崩れ落ち、案の定口止めされていたのかベルフラウは赤いポニーテールを振り乱し両掌を自分の頬に当て絶叫し始める。


「……チッ!…」


ー……バチッ!…ドタン……ー


騒ぎを聞きつけて人が集まることを危惧したメディナは舌打ちすると、右手にスタンガン程の電気を発生させてベルフラウの首に叩きつけて気絶させる。


「コレで大丈夫なは……ず…………あ、……」


メディナは、気絶させたベルフラウが倒れるのを抱き抱えてソファーに横たえて一息つこうと振り向いた時、入口の扉の前で困ったように指で頬をポリポリ掻いているバラストと目が合った。


「あーー…悪いんだが…何でこうなったのか説明を求めてもイイかな?」


そう発言する目の前の騎士は困った顔ながらも、有無を言わせない迫力があった。








「……たい!痛い!隊長!痛い!…ふえぇ〜メディナさん助けっ、イタタ……」


「…………よーするにだ…このバカ娘が!アールテイカーさんと俺に!恐ーいエルフ様達が!血眼になって探してる奴らの情報を漏らしてしまった…と?」


人払いをしてもらってから、どうせなら巻き込んでしまおうと考えたメディナが、バラストに先程の話をする。

心の底から嫌そうな顔をしたバラストは、「あれ?私は何で?」と、気が付いたベルフラウを手で招き寄せる。


手招きされたベルフラウが「いつの間に隊長が?」と、口を開こうとすると、両手に握り拳を作ったバラストがベルフラウの背後に周りこめかみに握り拳を当て、何てことしてくれんだ!…と怒り任せにグリグリと押し込む。



「はぁ……これは本当に…どうしましょう?」


ベルフラウの悲鳴を聞きながらメディナは今後の事を改めて考えていた。








「…はぁ…はぁ…ふぅっ!……まぁ、聞いちまったもんはしょうがねぇ…で?アールテイカーさんはさっきの話聞いてどうすんだ?俺としては正直言って主戦派とやらに媚び売って非戦派?の奴らを突き出した方が賢いと思うんだが?」


10分ほどグリグリとしていたバラストが、ベルフラウの頭から手を離すとメディナに向かって発言する


「だ、駄目ですよぉ!そんなことしたらエリザベートさんやアイリスさん達が殺されちゃ、っ!…むぐぅ……」


「バカ娘、声が大きい、…………大丈夫か、人払いしているとはいえ…事がことだから用心するに越したことはない…ベルも少し落ち着け。」


バラストが安易な解決法を示唆するとベルフラウが騒ぎだす、バラストは冷静にベルフラウの口を抑えて耳打ちして様子を窺う……()()気配はない様だ。


「確かにそれが一番簡単な解決策だと思います……しかしながらバラストさん、もし貴方が主戦派のエルフだったとして……私達を生かしておくと思いますか?」


「…………先ず、事実確認が出来た瞬間に殺されるだろうな…メディナさんはハイエルフだから歓迎されるかもしれないが…俺とベルはまず間違いなく殺される、断言できる。」


メディナが髪を一度かきあげてから、ベルフラウを羽交い締めにしたままのバラストに問うと、バラストは少し考えて断言する。


「えっ?何で……喋ったら殺されないんじゃ……」


羽交い締めにされているベルフラウの顔色がどんどん悪くなっていく、最後には血の気がひいて青を通り越して白くなり始めている。


「ベルフラウさん……例えば…例えばよ?もし、人を何とも思っていないような国が、貴女をスパイとして捕まえました…貴女が故郷を長年虐げていた人物だったとしたら…その国は貴女をどうすると思いますか?」


「?…牢屋に入れます?」


「無駄だよメディナさん…ベルは根っからの善人で、囚人からも好かれる変わり者だからな…悪感情なんてもんはどっかに置き忘れて来たんだろうなぁ……。」


キョトンとするベルフラウを他所に、メディナとバラストは今後をどうするか2人で話始めた。



「とりあえず国は絶対駄目だ、一部の人間以外は信用できん、特に軍は殆どの奴がビビって俺達をエルフに売りかねんからな…」


「すると、現実的なのはこのままこの3人が黙っているのが1番かと思います……現在詳細を知っているのはベルフラウさんだ「アイリスさんとは北の森の滝の裏で会うんだ!隠れ里の入り口だから!」け…………だったんですがね………。」


2人で話しているのがつまらなかったのかベルフラウが話に割って入ると決定的な情報をまたもや聞いてしまう。


ーガンッ!(バチィッ!)ー


「もうどうしようもねぇ…メディナさんの意見以外無さそうだな?一番の問題はこのバカ娘が、他の誰かに漏らさないかって事だけなんだが……」


「そうですね……この娘が…………無理、でしょうね?」


静かになった部屋の隅で、大きなタンコブを付け、身体から煙を上げてピクピクしているベルフラウをいないものとして扱う


「……正直不安しかないが、このバカ娘は俺がここで面倒見よう、曲がりなりにも俺の部下だしな……だが、あんたはどうする?もしよければ信頼できる奴のところに紹介状を書いても良いが…」


「本当ですか!記憶がないのですごく助かります!……でも、良いんですか?私だったら牢に幽閉して監禁くらいしてしまう気がしますが?」


此処から出してもらえないだろうと思っていたメディナが嬉しそうに返事をすると、バラストは諦めたように溜息を吐いて、


「壁と森を吹っ飛ばした魔法を見たが…あのレベルの魔力を抑えられる拘束具は、このアーサー監獄城塞どころか王城にすらなくてな…はっきり言って敵対されたら迷惑だから恩を売っておこうってだけなんだがな?」


ははっ、と疲れた笑いを浮かべながら言うバラスト

渡りに船とばかりに、メディナがお願いをすると1枚の紙を渡してくる。


「これは何でしょうか?」


「というか、始めからこれを渡しに来たんだ…これは、ここから十日程馬車に揺られて行けるモニング王国4大都市の1つ、開拓都市エームの冒険者ギルドへの紹介状だ。」


メディナが受け取ると「あんなこと聞かなきゃここまで本音を言わずに済んだはずなんだがな?」と、言いながらもう一度溜息をつくバラスト


「では、ありがたくいただいて…どうやっていきましょう?」


メディナは、先程の問題を一時的に忘れ、馬車で十日の道のりをどうするかを考え出した

外出自粛の一助になれば…幸いです。


TS?あぁ……トイレとか風呂の葛藤は別のTS系を見てお楽しみ下さい


では、また次回








……ストック書けたらまた21時ごろに……

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