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6/29

*…………そこまでは………聞きたくなかった……

続きモノ


一応ストック書けたのでまた1日2話目投稿します



「……それでベルちゃん、私が聞きたい事は分かりますよね?」


メディナは出来る限り優しい笑顔で問い掛けたつもりだったが、目の前で小動物よろしく震えるベルフラウには地獄に突き落とす悪魔の笑みにでも見えているのだろうか?


「……はっ!はいぃぃ、何でもお聞きください!」


「やっぱり1人だとまだ怖いのかしら……どうしましょう…バラストさんを呼んでもらいましょうか?」


メディナは少しウェーブがかかった髪の毛先を指で弄りながら、直立不動で敬礼を繰り出しながら返答するベルフラウに苦笑しながら呟く


「いえ!なんとか慣れます!……えぇと……エルフの話ですよね?……とりあえず気を悪くしないで下さいね?私が今から言うのはこの国でのエルフの一般的なイメージなので……決してメディナさんを悪く言ってるのではありませんからね?」


最初の凛々しい"くっ殺騎士"のイメージはどこへ行ったのか……いじめてオーラ全開の赤い子ウサギを前に、メディナのイタズラ心が顔を出し、


「……でも私、一応エルフだし……あんまりひどい事言われちゃったら………………ね?」


「…ぴぃっ?!…」


メディナは何気なく不機嫌そうな演技をしながら、ベルフラウをからかう。


反応が面白くて続けていたが、いい加減本題に入る事にして咳払いをして誤魔化してから、


「…ごほんっ!…冗談はさておき、そろそろエルフの事聞いてもいいかしら?」


「ぴっ?…………いたいことしない?」


「しませんよ?……良い子だから聞かせてもらえますか?」


「…こわいこともしない?」


「しま…せんよ?……良かったらこちらのクッキーも差し上げますから機嫌を直して頂けませんか?」


からかいすぎて幼児退行を起こしていたベルフラウが可愛くて少しだけ躊躇してしまったが、エルフの話を聞かないと今後に差し支えると思ったメディナはグッと堪え、クッキーを差し出す。


「…………もぐ……もぐ…………じゃ、じゃあいきますよ?……本当に怒らないで下さいね?……お願いしますよ?……気がついたら首が飛んでるとか嫌ですからね?」


クッキーを食べ終え、まだ少し疑っているのか両手を胸の前で組んで上目遣い…そして涙目のベルフラウ…肩も先程から小刻みに震えながら……、


「…神に誓ってあなたに害は加えません…だから、お願いします」


「分かりました…………たぶん隊長が言っていたエルフの騎士団壊滅事件の後、エルフ達は自治領を傭兵国家として独立する!と、宣言しました。」


なんとか堪えたメディナがお願いすると、ベルフラウは思い出す様に目を閉じて語り始める。












「我々エルフの民は長いこと人間に虐げられ、生きてきた……しかしそれも今日までだ!……愚かな人間共に制裁を!」


「「「「「「「制裁をっ!!!」」」」」」」


「我々エルフから長年搾取して来た人間共に報いを!」


「「「「「「「報いをっ!!!」」」」」」」


「今や我々エルフこそが………………最強の種族、この世界の支配者となるのだ同志達よ…我らエルフが今、この時より、この大陸の支配者だ!!!」


「「「「「「「ウオオオオォォォっ!!!」」」」」」」


モニング王国騎士団を強力な魔法で壊滅させたエルフはモニング王国とイニング帝国の国境に挟まれる形に設定された自治領で演説を行なっていた。


演説を聴いている者は皆、目がギラギラと輝き演説をしている目つきの鋭い金髪のイケメンエルフの一言一言に歓声を上げる


少し離れた所からボロボロで包帯塗れのエルフが、長い黒髪の女性エルフに支えられながらその光景を見ている。


「……ぐっ、私がもっとしっかりしていれば……こんな…事には……。」


「今や我らの派閥はエルフでは異端になってしまいました、おそらくエルドゥ達は非戦派のエルフ達の弾圧を始めるでしょう……我々はその前に自治領外へ脱出します。」


包帯塗れのエルフが悲痛な面持ちで眺めていると、女性エルフが耳打ちする様に小声で言う


「……仕方がない…まさか、エルドゥの奴がここまで人間を憎んでいるとは気が付かなかった……完全に領主だった私の落ち度だ…それでアイリス…ローネは、…私たちの妹はどうなった?」


「……っ!……ローネは…あの日にエルドゥの所に説得に行くと言ってから…消息が掴めていない……それに関しては完全に私の落ち度です、…何が最強の剣士だ、自分の妹1人止められない私が……」


後悔する様に壁に拳を叩きつけたアイリスと呼ばれたエルフは、元領主で姉のエリザベートの前で涙を流す。


「……エリザベート様、アイリス様…ご準備が整いました、どうぞお早く。」


そこに音も無く現れた人影が跪き、森の方へ誘導する。


「お前達にも悪いことをしたな…私の味方なんかしたせいで…追われる立場にしてしまった…」


「いえ、我ら獣人族はこの世界では異端の存在…それを踏まえて保護して頂いた恩は決して忘れません…どうかお早く、追手が差し向けられるのも時間の問題です故。」


包帯の所々から血を滲ませているエリザベートが謝罪をすると、跪く人影は頭に被っていた頭巾を取り、頭にぴょこん!と大きなネコ耳を立たせて感謝を述べる。


「姉さん、ねねの言う通りです…ローネの事も心配ですが……姉さんはまだ派閥の長、ついて来てくれる者を守る義務があります…参りましょう…北の……なら…まだ大丈……。」


「……えぇ、少し弱気になっていたようね、行きましょう…ねね、案内をお願い。」


「御意。」


そうして主戦派エルフ演説が響き渡る中、非戦派の先日まで領主だったエリザベート、斯衛騎士団団長だったアイリスを含むエルフ500人は姿を消した。









「……と、まぁ…こうして主戦派のエルフが各国の戦場に現れては魔法で敵味方関係なく暴れまわってですね?非戦派のエルフ達は逃げ延びて細々と暮らしているんですよ。」


「こうしてって……エルフ達はそんなに魔法が強いなら何で今までそうやって抵抗しなかったのかしら?……だってそんなに力があるならもっと早く動く事も出来たはずでしょう?」


意外と詳しいベルフラウの話にどこか引っかかるものがあったがメディナはひとまず置いて続きを促す。


「いえ、今の様な強さは無かったそうなんですよ?だからエリザベートさんもアイリスさんも不思議がっていましたから。」


「……へぇ…そうなんだだから詳しい……ん?エリザベートさんとアイリスさん?」


「えっ?あぁ、だって非戦派のエルフ達が今居るの私の故郷の村の少し先の森ですから。」


あっけらかんと言うベルフラウだったが、おいおい…それ絶対に厄介ごとに巻き込まれるやつじゃないか……と、警戒心の欠如しているベルフラウに頭を抱えるメディナだった。

実はステータスUPしてるんですけどね?


後でギルド行くまで更新しないのですよ…


ではまた次回。

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