*あれってレールガ○っていうよりサンダ○ブレークだよね?
書けたので続きを
TS要素は薄いかと思いますが仕様ということでご勘弁を
ではどうぞ?
アーサー城塞監獄……それはモニング王国が誇る最高の城塞にして国境守備の要
凶悪な囚人も魔法の枷で従わせて戦わせることが出来、城に詰めている兵士も精鋭揃いで一度戦争が起こればこの城塞から救援が出される程層も厚い
隣国のイニング帝国、ランチャー共和国が幾度か攻め寄ってきたこともあるが不敗、魔の森の魔物にも阻まれて城塞自体にたどり着けたことすら少ない
そのアーサー監獄城塞から煙が上がっている…そしてかなり遠くから見ても森が一直線に焼け、その先の城塞の壁が破壊されている。
監獄城塞に1番近い村には魔法で遠くまで見られる望遠鏡と物見櫓がある、当然強い光と音が聞こえたモニング王国兵士が監視している
「…た、大変だ…どこか分からないがアーサー監獄城塞が攻められている?!……急いで知らせなきゃ!」
兵士は急いで支度をすると、引き継ぎもそこそこに馬で王都に向けて走り出した。
「あーーー……その…なんと言えばいいのか………えっとですね、何というか……その…羽虫を…えいっ!ってやろうとしたらこうなってしまった…というか……」
冷や汗を拭いながらしどろもどろ話す銀髪青眼のハイエルフを見る兵士達の眼には恐怖しか無かった。
「貴様らは羽虫同然だ!こんな扱いをするならいつでもこの城壁や森と同じ様になぎ払うぞ!」
と、言われているのかと思ったからだ。
ここで双方のエルフに対するイメージの違いを説明しよう
先ずはメディナ、こちらは異世界に来る前に読んだラノベやアニメの知識からエルフというのは優しくて綺麗、言わば天使のようなものだと思っている…………貧乳だけど…と、
そしてこの世界の人間が持つエルフのイメージは、強い魔力を持つ傭兵国家の強者…プライドが高く、弱者と金の無い者を見下すエリートソルジャー……要するに悪魔の類だと
このイメージの違いから、能天気異世界転生TS廃エルフと、この世界の一般的なエルフのイメージしか無い人達で齟齬が起きていた。
どちらかと言えば軍事国家であるイニング帝国に多いエルフ、モニング王国にも1人だけいるがその人物は王城で宮廷魔導師長をやっている
最初にこの城塞の隊長が危惧したのはメディナがその宮廷魔導師長の関係者では無いか?と疑ったことから始まった。
それにそれ以外だったとしても、エルフとなればどんな結果になるかは簡単に想像できる、よくて斬首…悪ければ一族郎党諸共だ…
そんな極限状態の中、何気ない理由…飛んでいる虫を魔法で落とす……で、森と壁を破壊したのだ…先程のセリフと笑顔が相まって恐怖しか与えないだろう。
「あら?……何か反応がおかしくないですか?すごく怯えられているような……」
メディナがキョトンとして首を傾げた
「っ!ひいっ!!まだ死にたくない!」
「お、おた……お助け下さいぃぃ〜〜!!」
「…………は、ははは、やっぱりだめだ〜〜…お姉ちゃんはお空に旅立ちますぅ……」
いくらちょっと…………ちょっとと言ったらちょっと!力加減を間違えただけでここまで怯えられるかな?メディナが不思議そうに顎に右手の人差し指を添えると何人かが逃げ出した。
「………申し訳ありませんアールテイカー様、こちらの不手際の責任は全て私にあります…どうか…どうか私の…バラストの首で怒りを収められますようお願い致します!!」
もはや恐慌状態の兵士達と囚人達の波を掻き分けて隊長、と呼ばれていた中年男性が、困惑するメディナの前で頭を地面に擦り付けながら土下座する。
「えっ?…あの?…もしもし?……何であなたが謝ってるんですか?……どちらかといえば……謝るのは私の方だと思うのですが………」
「…どうか!どうか部下だけ…は?……」
周りは騒がしくて聞こえていないようだが足下で土下座しているバラストと名乗った隊長はエルフにあるまじき発言を聞いた気がして顔を上げてぼかんとしていた。
そして、メディナも同じ様にぽかーんとした顔で、土下座を続けるバラストと目線を合わせた。
「いやっ!ほんとに申し訳ない!まさかエルフ様が檻に入れられて来るとは思ってもおらず!……本当に申し訳ない!」
「えぇ、誤解が解けて何よりですが…私、少し前の記憶が曖昧で、もし宜しければ私が何故檻に入れられたのか教えていただいてもよろしいでしょうか?」
何とか誤解が解けて、先程までとは一転した扱いを受け案内された応接室でソファーに腰掛け、対面のソファーに座る隊長のバラストと赤い髪のくっ殺騎士ベルフラウの2人から話を聞く
「それがですね?おかしな話なんですが……貴女が拘束されたという記録が一切残ってないんです…それこそ貴女と一緒の馬車に拘束されていた魔女は、あまりに危険なため絶対に1人で輸送しろ!とまで記載されていたくらいで…」
「じゃあメディナさんは何かの手違いって事で解放ですね!いや〜、私なんか本当に遺書書いて家族に出しちゃいましたよ……隊長が脅かすから!」
応接室で話をしてからずいぶん打ち解けたベルフラウが、テーブルに頬杖をつきながらバラストをジト目で睨む
「それにしても……私は、その様な恐ろしい者として扱われていたのですか……加減を間違えて壁を壊してしまったのは申し訳ありませんでしたが……」
2人から世間一般のエルフの印象を聞き、困惑するメディナ
「そうですよ!結構前なんですが、私の暮らしていた村にエルフが立ち寄ったことがあったんですが……村に着くなり「俺はエルフだ!魔法で村を滅ぼされたくなかったら一番でかい家に1番綺麗な女と美味い飯を準備しろ!」って叫んだんですよ?」
「ベル…様を付けろ様を…何処で聞かれてるか分からんからな?……まぁアールテイカー様ならば大丈夫だと、妙な安心感があるのはわかる気がするが……」
ベルフラウが、興奮気味に身を乗り出してその時のエルフのモノマネをしながら言うと、バラストが宥める様に言いながら周囲の気配を探る。
「……でも…いくらエルフだからって…そんな事出来ないでしょう?……村を滅ぼすって言ったってそんな簡単に……」
「……いや、出来る…」
ベルフラウの発言に疑問を持ったメディナがそんなバカな事出来るはずが無い、と言おうとした。
すると、バラストが声を潜めてそれを否定する。
「おそらくだが……ベルの村でその騒ぎが起きたのは5年前位だよな?」
「えっ?……はい、多分…5年か6年前だったと思います…………あの事件があった後だったので……」
「あの事件?何があったの?」
バラストがベルフラウに問うとその通りだと答える、この世界に来たばかりのメディナがどんな事件か聞くと、
「モニング王国の五大都市の一つだった…アーサーワン…この監獄城塞から1番近くにあった都市の襲撃事件だ……国外にはおそらく、伝わっていないはずだがな…王国民は皆知っている。」
「…襲撃事件で国民しか知らない?何故ですか?」
もう一度、周囲に誰もいないことを確認したバラストは、角刈りの頭をテーブルに近づけてメディナとベルフラウにしか聞こえない様に声を潜めて喋りだす。
「ベルも詳細は知らんだろうし、この際教えておくが……他言無用で頼む……国外でも情報通の奴なら知ってると思うが、エルフのアールテイカー様がこの話を知らないとなると、他のエルフに会った時にどう接すれば良いか分からないだろうし、参考要素の一つとして覚え置くといい」
「……お願いします。」
凄く真剣な表情のバラストに前置きされたメディナとベルフラウは、バラストに顔を近づけてしっかりと話を聞く
「先ずは、……8年前、このアーサー監獄城塞の近くにはアーサーワンという大きな都市があった…」
「えっ?隊長、この近くには村しか無いですよ?いつも買い出し大変なんですから、そんな都市があるなら教えてくれてもいいじゃないですか!」
バラストの言葉に反応したベルフラウが憤慨して口を挟む
「待てベル、とりあえず話を聞け……俺は都市があった、と言ったんだ……結論から言えばその都市は滅び、今は僅かな家屋と店舗が残るのみだ……」
「えっ?五大都市の一つ…だったんですよね?それが……そんな風に……」
バラストの言葉を聞いて都市がそこまで衰退する原因にエルフが関わっていることに気がついたメディナはそれだけで恐ろしく感じた。
能力値は上昇しても水晶で更新されなければ分からない設定なので、知らないうちに増えているかも?
水晶更新してから能力値も更新します。
ではまた次回。




