*一般的な兵士の平均ステータスは総合値で100です。
元おっさんin異世界
主人公の容姿設定は後書きに
ではどうぞ?
「う、うぅん…はっ!此処はどこ!私はだれ?!」
「お?やっと気が付きやがったか、お前さんは国境侵犯で逮捕されたから、この囚人と収容所送りだ。」
私が気がつくと身体が自由に動かない、手と足が鎖で繋がれている様でジャラジャラと重苦しい音を立てるだけで外れる気配が無い。
「無駄な事はやめとけや、女の囚人はお前さんと凶悪犯のコイツだけだから一緒にされちまったんだろうが……あんまり騒ぐと殺されるかもしれねぇぞ?……なんせコイツは街の監獄を破壊して看守を殺した重罪人だからな?」
「ヒッ!………わ、分かりました……でも、私…記憶が無いのですが…どうにかならないでしょうか?」
私は何で国境侵犯なんて罪で拘束されているのか分からずに記憶喪失したフリをして聞いてみた
「残念だが、お前さんがどんなに別嬪さんだったとしても俺には長年連れ添った女房が居るから誘惑はされんぞ?」
別嬪さん?おいおいおっさん何言ってんだ?……
……ん?そう言えば声が高かった気が……
……おや?この視界に映る豊かな双丘は…いったい?
「そろそろ着くからおとなしくしてくれよー、暴れるとそれだけ罪が重くなるからなー」
「へっ?」
現実を受け止められず呆然としていると、どうやら目的地に着くらしい、自分が出したとは思えない高くて透きとおる様な間の抜けた声が自分の喉から発せられた。
「大丈夫だって、お前さんはそんなに重い罪にゃあならん筈だからおとなしくしてりゃあすぐにお天道さんを拝めると思うぞ?」
そう檻馬車の従者のおじさんが言うと、何台もの檻を載せた馬車が重苦しい門を通り、中世の城塞の様な建物に入っていった。
「どちらが凶悪犯の……こっちだな…悪かったな、姉さん?明らかに姉さんよりこっちの方が凶悪そうだもんな?」
馬車が停まると、青い軽鎧を着込んだ金髪の若そうな兵士が紙を見ながら檻に近付く
兵士の青年は私を見てからもう1人の…白い長い髪をした女性?が、分厚い眼帯、全身に拘束具、更には私が繋がれている鎖の比じゃないくらい……鎖の中に埋もれているかの様な姿を見て私に謝り、私の鎖を外してくれた。
ーガラガラガラ……ー
「……あ…」
会話がなかったとは言え、ずっと同じ馬車に揺られていた女性が連れて行かれるのを見た私が声を漏らすと、
「あの女は、明日の裁判次第だけど……おそらく死刑だろうなぁ……なんせ看守長で領主様の息子だった奴を殺してその前にも村人を滅多刺しにして殺した凶悪犯らしいからなぁ……あの娘、知り合いなの?」
「いいえ、いいえ!知りません!ただ同じ馬車に乗ってたので気になっただけですので!」
共犯者にされては堪らないと全力で否定すると若い兵士は苦笑しながら「こっちだよ?」と他の囚人達が入っていく建物に案内してくれた。
「…………ん?…………あれ?……おい?、そっちのリスト見せてくれ。」
「えっ?何で?…まぁいいけど……はいよ。」
「なぁ……ちょっといいか?……お嬢さん、悪いんだが名前を聞いてもいいか?」
建物に着くとカウンター席に座らされてキョロキョロ周りを見渡すと、囚人達は対面にいる兵士に調書の確認をされている様だった。
私の番だと思って身構えていると私の対面の兵士が調書のリストをペラペラめくり、首を傾げる。
そして、横に座る兵士に調書を借りてまたペラペラめくり首を傾げながら唸る。
何度か同じ動作を繰り返した目の前の兵士は徐に私の名前を聞いてくる。
「名前ですか?……私の名前は……!…メディナ……メディナ・アールテイカー…です……たぶん?」
私は思い浮かんだ名前を兵士に告げる
すると正面の兵士は困った様に、
「アールテイカーさんだったか?申し訳ないんだが…貴女の名前がリストに載ってないんだ…何かの手違いだとは思うが規則なんでな?問い合わせはしておくからちょっと奥の部屋の水晶で犯罪歴とかを調べさせてくれ」
頬をかきながら奥の部屋へ行く様に言ってきた。
少し躊躇していると奥の部屋から赤い髪をポニーテールに纏めた凛々しい女性兵士が現れる
「ベルフラウ五等騎士、お呼びにより参上致しました!」
「うむ、ご苦労様…手違いだとは思うがこのお嬢さんの名前も容姿もリストに無くてな?規則なんで水晶でチェックさせて貰うんだが、この場所ですぐに呼べる女性騎士がお前さんだけだったんでな?休憩中悪いが付き添いを頼む。」
おおっ!女騎士!くっ殺だ!くっ殺!
などと喜んでいたが、赤い髪の女騎士は視線を私の目から少し下げる、途端に忌々しそうに睨まれて急に周囲の温度が下がった気がした
「随分と美しい銀髪と青眼ですが、どちらかの貴族様ですか?」
「…い、いいえ…恐らく違うと思います……記憶が無いので分かりませんが……」
尚も冷たい視線と威圧的な口調だった女騎士は記憶喪失だと言うと急に、
「え?記憶喪失?隊長、この方はいったいどんな罪でここに送られたんですか?」
「いや、だから何で此処にいるのかわからんからお前を呼んだんだが……とりあえず水晶で照会すれば最低限の情報は分かるだろうから頼んだぞ?」
そんな会話を目の前で見ていた私は、くっ殺女騎士改めベルフラウさんに連れられて奥の部屋へ入った
「先程は失礼しました、此処には犯罪者以外はほとんど来ないので貴女も凶悪犯だと思って失礼な態度をとってしまいました。」
「いいえ、私は気にしておりませんのでお気になさらず。」
凶悪犯…というか貴女絶対私の胸見て敵意を覚えましたよね?だって貴女の胸部装甲……だいぶ薄…
「…!ん?何か…凄く不愉快な?…まぁ貴女には申し訳ないけど規則なのでこの水晶に触って「ステータスオープン」って言ってもらっても良いかしら?」
やばっ!何その感知能力!?貧乳センサーでもついてるの?
と、とりあえず!この水晶触れば良いんだよな?
「ステータスオープン!……あら?」
「どれどれ………………へ?…………………………あー、ちょっとだけ此処で待って頂いてもよろしいでしょうか?あーー、えぇと…大丈夫です!アールテイカー"様"に犯罪歴がない事は分かったから、いえ、分かりましたから!」
触れた水晶から1枚の紙の様なものが出てきた、それを見たベルフラウは顔色を青→紫と変えていき頭を抱えてしゃがみ込む
何かやばい犯罪歴でもあったのかと思い、聞こうと身を乗り出すとベルフラウは壊れたおもちゃの様な反応をしながら私にここで待つように、
「絶対に動かないで下さい!絶対ですよ!」
と叫びながら部屋を出て行く
外にはまだ隊長さん達が調書を取っているだろうと、私は今ベルフラウが出ていった扉に耳をつけて聞き耳を立てる。
「た、たたた、たた、隊長ぉ!あ、あの人というか、あの御方やばいですよ!見てください!こ、これ…あの御方のステータスです!」
「落ち着けベル、素が出てるぞ?なんだ?前科でもついてる…のか…………おい、ベル?このステータスってモノホンか?水晶壊れてない?……これってうちの国力全部足したって魔力……届くか?」
読んでいくうちに顔色が悪くなっていく隊長に追い討ちをかけるようにベルフラウが首を横に全力で振り、赤いポニーテールで覗きに来た兵士をバシバシ叩きながら
「隊長、そこじゃ無い……種族…種族欄を…」
自慢のポニーテールで兵士をノックアウトしたベルフラウはガタガタと震えながら、隊長の持つ水晶から印刷された能力表を指差す
ーステータスー
種族 ハイエルフ
名前 メディナ アールテイカー
Level 1
生命力 60
魔力 5680000
攻撃力 5
防御力 8
魔法攻撃力 15(+5680000)
魔法防御力 25(+5680000)
速力 5000
運 10
スキル:雷魔法
「おいおい…嘘だろ?ハイエルフって……絶滅したんじゃ無かったのか?……と、とりあえずベル、お前はあの方を急いで応接室までご案内するように…っ!ちょっと待て!あそこ使ってないから埃とかやばい…おい!お前ら!急いで準備しろ!……そこで伸びてる馬鹿も連れてけ!」
隊長が檄を飛ばすと兵士達は最低限の人数を残して駆け足で部屋を出ていった、それを見送る隊長は、
「エルフ様を拘束しただけで首が飛ぶかもしれねぇのに……ハイエルフ様とは……ツイてねぇなぁ……」
「えっ?隊長ぉ……私クビになるんですか?せっかく兵士になれたのに……」
どこか諦めたような顔で空を仰ぎ見る、そしてベルフラウは涙目で解雇は嫌だと訴えるが、
「ベル…お前が勘違いしてそうだから伝えておくが、兵士を辞めさせられる訳じゃ無いぞ?」
「へっ?……良かったぁ〜〜、もうっ!隊長が変なこと言うから驚いたじゃ無いですかぁ〜」
隊長なりの冗談か…と思って安心していると、隊長はベルフラウの両肩をガシッと掴み真剣な顔になって、
「ベル、お前故郷に両親と妹居たよな?……手紙書いとけ…」
「へっ?手紙でしたら、つい先日仕送りと一緒に出しましたが?」
隊長の言っていることの訳が分からずにベルフラウが答えると隊長は一言
「俺が言ってるクビが飛ぶっていうのは解雇とかじゃなくてな………………"物理的に"首が飛ぶって事だ……要は斬首って事だな…………ははっ、何とか俺の首だけで済めば良いが……」
「え?」
その一言を聞いたベルフラウは理解できずに間の抜けた顔で固まってしまった。
身長165cm
体重55kg
B85W56H86
髪色 青みがかった銀
髪型 ロングストレートで毛先だけ天然でウェーブがかかった様な髪型(不思議癖っ毛)
眼の色 青
現在の
ーステータスー
種族 ハイエルフ
名前 メディナ アールテイカー
Level 1
生命力 60
魔力 5680000
攻撃力 5
防御力 8
魔法攻撃力 15(+5680000)
魔法防御力 25(+5680000)
速力 5000
運 10
スキル:雷魔法