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おかあさんといっしょ……

続きモノ


絶賛戦力強化中


能力拘束の意味は……無い……


ではどうぞ?

「よーし!これでお前たちもエームの冒険者だ!……って、エルフの嬢ちゃんどうした、ぼーっとしてんぞ?」


国一番の凄い人には見えないデュフフ、もとい、ノルアドが胡散臭すぎて呆然としていたメディナのもとにCランクの冒険者証のドッグタグのようなプレートがリバーゼによって渡される。


「あ、ありがとうございます…………。」


「まっ、こいつが不審者にしか見えないのは同感だ……店はカミさんに任せきりでいつも飲み歩いてるヒモ扱いのろくでなしだからな……コイツのカミさんもカミさんで、ド変態だがな?被虐趣味だったか?……」


メディナがリバーゼから冒険者証を受け取る際に、同意しながら何か物思いにふけるように目を閉じてポツリと一言漏らす。


「デュフフフフ、う、ウチの嫁に聴かせたら、よ、喜びそうな罵倒、あ、ありがたく伝えますぞー?」


「いや、いらんいらん変態行為は家だけでやってくれ……ギルドにお前らが二人して来たら収拾がつかん……ほんっとーーに辞めてくれ。」


ノルアドの言葉に心の底から嫌そうに答えたリバーゼは、そのままランテルにも冒険者証を渡す。


「ありがとうございます師匠…あれ?俺Bランクですけど?」


「ったりめーだろ?お前あのステータスでCとか俺の判断を疑われるレベルだわ、本当はAでも良いかと思ったんだが……………ッ!……あー、とりあえず最初だしな……こんなもんだ………ろ?……」


冒険者を受け取ったランテルがランクを見てリバーゼに確認すると、ランテルからは見えない位置に移動したロイテストが黒いオーラを纏いながらニッコリとリバーゼに目で合図する。

気がついたリバーゼが冷や汗をかきながら誤魔化し、ランテルの背後に立つロイテスト(悪魔)に確認するように言う。

黒いオーラが霧散したところを見ると正解だったようで、リバーゼは、ほっ…と息をつき安心したようにうなだれた。


……おおっ……これが有名な………


ーオマエヨケイナコトイウンジャナイゾ?ー


だと、その様子を見たメディナが、両手に握り拳を作って身を乗り出すように観戦して興奮していた。



「ゴホン!…そういやエルフの嬢ちゃん、召喚獣登録すんならココでやっちまうから出してくれよ。」


「えっ?」


リバーゼが分かりやすく咳払いをして話題を変えようとメディナに向き直る、召喚獣登録?何ですかそれは?と、言った顔で黙っているメディナの前に、サッと横に移動したねねがリバーゼの視線から遮るように立ち、


「お嬢様は世間知らずですのでよろしければ魔法について教えていただいてもよろしいですか?」


普段の無表情とはかけ離れた天使のような笑顔を浮かべたねねは小首を傾げてそう言うと厳ついリバーゼとランテルが頬を赤く染めた。


「あ?まぁいいが…長くなるぞ?」


「構いません、時間はありますし…ねっ?お嬢様?」


……ランテルにはなぜかムカついたので、スネに蹴りを入れたメディナだったが……


「……っ?…何やってんですかメディナさん?」


「…っ!?…………痛い…(>_<)」


高い防御力を持つランテルの前に盛大に自爆して、蹴りを入れた右脚を手でさすりながら半泣きしていた。



魔法使いの魔法は基本的には使える魔法は幾つかに限られる

火・水・風・土・光・闇・そしてかなり珍しい雷の7種類と失われた重力・時の2種類で計9種類

雷が珍しい理由はまだ解明されていないが、国に1人居れば繁栄すると言われている。

現在の魔法は遥か大昔、魔導技術が繁栄していた頃に始祖精霊という存在が、エルフや人、ドワーフに伝えた魔法が元になっており、当時は敵対していた悪魔に対する対抗手段として広く使用されていた。


敵対していた悪魔が、重力と時の始祖精霊を支配して世界を滅ぼそうとした時、エルフ、人、ドワーフ、獣人、そして裏切った悪魔が協力してなんとかこの大陸を守りきった。

しかし、その際に悪魔に奪われていた重力と時の始祖精霊は失われてしまい、それ以来重力の魔法と時の魔法は使える者が居なくなり、文献や遺跡にもその記述が一切見られず、完全に失われた

長い年月が経った今でも幾つかの始祖精霊は国の護り神として祀られ、また、最高戦力として戦争の抑止力の代名詞として扱われている。

その当時から存在するクウ王国には、土を司る始祖精霊がいることは有名で、1番知られている話が、


"一夜で城塞を作り上げた"


という話で、攻め込んだ国がハリボテだと思い込んで全戦力を投入した結果ほぼ全滅したという逸話が残っている。

他にも進軍中の敵軍の前に地割れが起きて半数が巻き込まれて死亡、戦争を仕掛けた国の王都が砂嵐に呑まれて壊滅した等々土に関しての逸話は事欠かない。


現在の大国と呼ばれる5つの国には嘘が本当かは不明だが始祖精霊が居るそうだ。


それはさておき、召喚魔法というものは存在は確認されているが、どの属性にも当てはまらない無の魔法と呼ばれる謎の多い魔法だ。

第一に条件が分からない……倒せばいいと言うものもいれば、餌をあげたりして仲良くなれば良いと言うものもいる。

しかし、確実ではなく召喚獣として完璧に使役出来る魔法使いはごく稀で、殆どがペット感覚の小動物しか居ない。


「ってぇ訳だが……エルフの嬢ちゃんは……魔獣だよな……その2匹……召喚魔法ってやつはは半端なものが多くて暴れることもあるってぇ話だし……」


「ですよね…私もちょっと怖いです…」


魔獣が暴れる事を危惧したリバーのが難色を示す、メディナも魔獣がまだあまり得意では無い為躊躇していると、


「大丈夫!なんたって私も居るしいざとなったらランテル君を身代わりにして良いからさ?やってみようよ召喚魔法♪」


久々に見てみたいし!犬っころ如き一瞬でプチっていってあげるよ♪と、何処から取り出したのか分からない大きな槌で肩をトントンして、満面の笑みを受けてくる金髪ロリッ子もどきの言葉に部屋にいる全員が絶句した。



「……うーん……では本当に何かあったらお願いしますよ?」


「任せてください!メディナさんは何があっても俺が体を張って護ります!」


不安しかないメディナが、期待で満面の笑みを浮かべたままのロイテスト(金髪ロリッ子もどき)を見てそう言うと、メディナの正面に立ったランテルが、屈託のない笑顔で爽やかにサムズアップする。


「…!?…お、お願いしますよ、じゃあいきます………………出でよ!炎の化身ファイアハウンド!氷の化身アイスハウンド!」


魔力を練ったメディナの足下に魔法陣が現れ魔力が渦を巻いて天井に当たる、髪が重力に逆らってフワフワと浮かび、銀色の波のように波打つ…

そしてメディナが言葉を発した時、魔法陣から眩い光が放たれて部屋全体が光に包まれ……


「むむ?おい、おまえがままか?」


「わーい♪まま〜〜♪」


「「「「………………ハァ?!」」」」


「ハハ…さすがにコレは俺じゃ無理だわ……お袋よりはまだ勝機が有りそうだけど……」


部屋を埋め尽くす様な、3メートルはありそうな大きな狼?が2匹

燃える様な赤い毛並みの目つきの悪いのと、メディナの髪の色に似た青みがかった銀の毛並みの優しい目をした巨大な獣がメディナを覗き込む様に見つめて()()と、呼んだ。


ロイテストをはじめとした、ゴラム、リバーゼ、ねねの4人が予想の斜め上を軽く超えた光景に呆気にとられていると、敵意が無いことに安心したランテルが頬をぽりぽり掻くように呟き、


「はわわわわわわ?!」


そのままじゃれつかれたメディナは、髪をくしゃくしゃにされながら絶賛混乱中だった。

この2匹はまだ子供です…


メディナさんの戦力強化はどこまで続くのか……


それは作者にも分からない……

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