フリフリの服はデフォルトです……装備を変更出来ません(物理的に)
続きモノ
メディナの服は……ゴブリンのスレイヤーな神官さんのをイメージして下さい。
ではどうぞ?
冒険者生活が始まる前に終わったメディナが崩れ落ち、半泣きになっていると、ロイテストが小さな手をメディナの肩に乗せて苦笑しながら、
「メディナちゃん?勘違いしているようだから言っとくけど、メディナちゃんは普通の冒険者登録ができないだけで、ちょっとだけ特別な冒険者登録は出来るんだよ?」
「…特別な冒険者?それって普通の冒険者と何が違うんですか?」
「うーん……リバー君が起きてれば良かったんだけど…寝ちゃってるから私が教えてあげよう!……メディナちゃんの為に。」
ババア呼ばわりされて締め落としたことを無かったことにしたロイテストが人差し指を立てて、どこからか出した眼鏡と白衣を装着して説明を始めた。
内容は
普通の冒険者は、基本的に自分で自由に依頼を受けて達成する事によって報酬が貰える、国は基本的にそこに関わらない。
特別な冒険者の場合は、能力値がズバ抜けて高い者が冒険者になる時に、焦げ付いている依頼を国、又は国が認めた人物が特別な冒険者に直接依頼出来るようにするシステムである。
このシステムは本来、国が対処しなければいけない問題を押し付けてしまおうという冒険者にとって不利益しか無いシステムであったが、いつでも金銭的に困っていて資金援助を国から受けている冒険者ギルドには断ることが出来ない悪しき制度だ。……との事
「例えば……先月私が頼まれて狩ったのは……王都の東側の森に巣を作ったドラゴンの討伐……3ヶ月前は山間部で氷の王フェンリルの撃退?要は……金出してやってんだから手ェ貸せや!……って事かな?」
メディナが熱心に聞いていると、「でもそれじゃあメディナちゃんいいようにこき使われるだけだしなーー、…うーん……リバー君、カモン!」
と元気にロイテストが呼ぶと条件反射か、飛び起きたリバーゼがロイテストの足下にひざまづく
見た目はロリッ子にひざまづく変態親父だが……
「…………り、了解です姐さん!…………ノルアド!ノルアドは居るか!!テメェ毎度毎度!文句言われるこっちの身にもなりやがれ!」
「ん?ギルド長?デュフフ、ぼ、僕がな、何をしたってぇ?ロイテストたんがぼ、僕をお呼びで?デュフフ…よ、喜んで!」
ロイテストに耳元で何かを囁かれたリバーゼが部屋を全力で出ていくと酒場の隅で凄い放送禁止な顔をしていた随分とオイリーな肉の塊を連れて来た。
「ロ、ロイテストたんおひさー、き、今日は、な、何の御用な、なのかな?」
「面倒いから口調を戻せノルアド、ここに居るのはお前の事を知っている奴だけだからな。」
「?で、でもぉ?そ、そこの、え、エロフとメイドちゃんはし、知らない顔だぞぉ?」
オイリーな男はロイテストを見て片手を上げて軽い感じで挨拶をする。
口調を戻せとゴラムが声を掛けるとメディナとメイド服姿のねねを警戒しながら顔をしかめる。
「大丈夫だってノー君ちょっと仕事をお願いしたいだけだから!」
「ま、まぁロイテストたんがそう言うなら話を聞こうか?」
ちょっとこっちへ、とノルアドを手招きして呼んだロイテストが耳打ちすると今までの5倍は気味の悪い笑顔で鼻息を荒くしたノルアドがメディナの周りをグルグルと回りながら全身を舐め回すように見つめる。
「おおっ!コレは…………ウチの嫁にも劣らない絶大なステータスの香り!……スンスン…すんすん…ロイテストたんやウチの嫁とは違って魔力ですな?デュフフ……」
「ひっ!……って?何でそれを?ロイテストさん?」
はたと動きを止めたノルアドが、今度は鼻をヒクヒク動かしてメディナの匂いを嗅ぎ出す
メディナはその光景を目の当たりにして鳥肌が全身から沸き立つのを感じ、ロイテストに抗議の目を向ける
「私はノー君にこの子見てあげて?ってお願いしただけだよ?」
「おほーーー!!ロイテストたんが我輩を呼んだと言うことは!!そう言うことですな?………………むーーーー……あったですぞ!ささっ!エロフ殿、コチラを……」
ロイテストが首を傾げながら喋ってない事を告げ、ノルアドが何か納得したように更に興奮する。
興奮したままポケットに両手わ突っ込んだノルアドが何かを見つけ、ポケットから出した。
「……ひぃっ!………………ゆ、指輪……ですか?……」
「そそ、ノー君はこの国一番の魔道具作成者でね?私もそれとは違うヤツだけどしてるんだ……あっ!ゴラム君との結婚指輪は別だけどね?」
メディナが恐る恐る目を開けると、ノルアドが両掌に指輪をいくつも取り出していた。
状況が掴めないメディナが混乱しているとロイテストが手袋を外して両手の指にビッシリと着いた無数の指輪を見せてくれた。
ニコッと笑いながら、左手の薬指の1番下の指輪を撫でているロイテストは幸せそうだ…
「じゃなくて!何でこうなってるんですか!」
「まぁまぁ、とりあえずその指輪全部付けてみなって…あっ、ランテル君宜しく。」
「えっ?俺?……まぁ……いいけど…………」
動揺したメディナが大きな声を出すと、ロイテストに勧められたランテルがちょっとだけ躊躇しながら近づいて来る。
「デュフフ、坊ちゃん、ど、どうぞ。」
「あ、あぁ…ありがとう?お前も相変わらずだなぁ…その口調直せって言ったのに……」
「デュフフ、ウ、ウチの嫁はこの口調を、す、好きみたいだからオッケーですぞ?」
顔見知りなのかランテルが談笑しながら指輪を全部受け取る
……この口調が好きな女性って変態なんじゃ…………
と、考えているうちにランテルがメディナの目の前に立ち
「ごめんなさいメディナさん、痛かったら言って下さい。」
……おいランテル……その言葉何か違わないか?……
「……付けましたけど……コレでどうするんですか?」
「おお、終わったか、なんか随分と顔が赤いが熱でもあるんじゃないか?」
ランテルが無言で手を握り、真剣な顔でじーっと見つめながら指輪を付けるものだから動揺して顔が熱くなっていたメディナは誤魔化すようにジト目で部屋を見渡すとリバーゼが茶化すようにそう言ってくる。
ロイテストとノルアドもニヤニヤしていてすごくウザい。
「まぁいい、とりあえずもう一度水晶板に触れてもらえるかな?」
「…いいですが……………はいコレでいいでしょうか?、……あら?」
リバーゼに言われるまま水晶板に触れてステータス表を印刷したメディナが数値を確認すると
ーステータスー
種族 エルフ
名前 メディナ アールテイカー
Level 3
生命力 2060
魔力 5680
攻撃力 35
防御力 38
魔法攻撃力 150(+5680)
魔法防御力 250(+5680)
速力 500
運 10
スキル:
雷魔法
炎魔法
氷魔法
召喚魔法
(ファイヤハウンド・アイスハウンド)
数値が下がっていた。
「おーっ、さすがノー君!あの蛇ヤローを嫁にした男!アホみたいな魔力が人並み?に。」
「デュフフ、恐悦至極。」
「まっ、コレならランテルより下のCランクで登録できるな…じゃあ書類作ってくっから待っててくれ。」
どういうことかいまだに理解出来ていないメディナがキョロキョロしていると、
「あぁ、そうかメディナさんしらないから……このノルアドはステータスを抑える事に興奮を覚える特殊性壁の持ち主でね?ステータスを抑える研究をしていたら国一番の魔道具作成者になってたって変わり者なんだよ。」
そう紹介されたノルアドを改めて見たメディナは、
……どう見ても、一昔前の秋の葉な原っぱにいたヤバい奴にしか見えなかった。
「デュフフ、お、俺の嫁は世界一!!」
……見えなかった……。
天才魔道具作成者……オタク系
コレの嫁は変態……異論は認めぬ。
ではまた次回