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事実は小説よりファンタジー……あ、ここがそうか……

続きモノ


冒険者ギルドに行きたい今日この頃……


進まん!……がとりあえず書く!


ではどうぞ?

「じゃあ少し店の中を見ててください、お袋と親父ならメディナさん以外のエルフでも普通に対応するんで、じゃ、ちょっと馬を置いてくるんで。」


そう言ってメディナとメイド服姿のねねを置いて、ランテルは店の裏側へ去って行き残されたメディナとねねは、


「じゃあ、お店の中に行きましょうか?」


「そうですね、待っていても……だいぶ注目されてしまっていますし…」


予想外の大きな建物にメディナが呆然としながら提案すると、ねねは目線だけを動かして周囲の様子を探り注目されている事を確認しながら了承する。


ー…カラカラカラーン!ー


高級宿の様な扉を開くと、そこに広がっていた光景は…まさにファンタジー、壁一面に飾られた装飾を施された剣から、武骨で装飾一つない実用重視の斧、うっすらと輝いているのは魔法の杖だろうか?とにかくファンタジー世界の武器屋!だった。


「あら、いらっしゃいませ、綺麗なお嬢さんが何をお求めで?」


高級そうな店だからか人はまばらだった、メディナはここまでの品揃えの店は今までなかったのでおのぼりさんの様に目を輝かせて様々な刀剣類を眺めていると、自分よりも若くみえる…日本の中学生の様な見た目の金髪赤眼の少女が話しかけてきた。


「こちらの店員さんでしょうか?旅先で使っていた魔法の杖にヒビが入ってしまったのでちょっと見させていただいておりました、コレより丈夫な物はどれでしょうか?」


「魔法の杖にヒビが?……ちょっとお借りしてもよろしいですか?」


メディナはここへ来る途中の山道で魔獣の群れを撃退した際、完全にひび割れした魔法の杖を少女に見せる。

魔法の杖にヒビ?と疑問顔になった少女に杖を渡すと、杖を上から下まで眺め、ヒビが入った箇所を重点的に確認している様だ。


「…どうもありがとうございます、…因みに…この杖はどちらで買われたんですか?結構良い物なので参考までに教えていただければ…」


杖の確認が終わったのかメディナに杖を返す少女、その質問にメディナは素直に、


「旅の行商人の方からですが…ほとんどただ同然の金額だったと思いますよ?魔獣から助けたお礼だと言われたのですが、申し訳ないので手持ちのお金を支払っただけですので。」


そう回答した、すると女性は納得いく答えだった様で、笑顔になると女性はぽんっ!と手を叩き、何かを喋ろうとすると、店の正面入り口からランテルが入って来て、


「お袋ただいまー、あっ、もうメディナさんと仲良くなったの?」


と、言う。




ん?おい、この金髪爽やか系イケメン……お前今、この娘の事……なんて言った?


「あら?ランテル遅かったわねぇ?お母さん手紙貰ってから毎日ご馳走作ってたのよ?……あら?あらあら?……」


「いや、ごめんって何せ色々あったんだから…お袋?どうした?…………」


ランテルを見た女性は、仲の良い兄妹のように会話をしていたが、ふと、メディナをの顔を二度見して眼を丸くする。

会話の途中からある一点をガン見する()を不思議に感じて問い掛ける。

少女が気がついたのはメディナの頭部の()()()()



…………沈黙が流れる……他のお客さんも少女が凝視している点に気がついて、触らぬ神に祟り無し……と、静まりかえっていた。


「その耳、エルフさんかしら?エルフのお客さんは珍しいわねぇ…そういえば……貴女、うちのランテルと仲が良さそうですけど………っ!あら?あらあら!お父さん呼んでこなくちゃ!……」


エルフ耳と店に響く声で叫んでから店の奥に走って行ってしまった、他のお客も「エルフに関わるとろくなことがない…」などと口にして、そそくさと店の外に出て行ってしまい、残ったのはメディナとねね、ランテルの3人になってしまった。


「お袋も慌ただしいなぁ…ん?メディナさん、どうしました?」


ランテルが慣れたように店のカウンターからお茶を出して準備し始めると、メディナが口をパクパクさせながら目が点になっているのが目に入り何事も無かったように質問する。


「あ、あの……ランテルさん?……さっき私がお話ししていた方は……」


「あぁ……うちのお袋若く見えるでしょ?俺が物心ついた時から一切外見変わらないんですよ、確か…ハーフドワーフだったかな?今じゃドワーフだけじゃなくてハーフでもすごい珍しい種族らしくて…」


笑いながら先程の少女を母親だと宣うランテル、「そういや俺ってクォータードワーフか?だからあんまり歳とらないのかな?……ははっ!」などとお茶を飲みながら笑っている。


「……アレが母親ですか…………」


「……肯定……事実は小説より奇也……」


メディナが呟くと、続いてねねが驚いて口調が元に戻っていた。


「そ、そういえば……ランテルさんってお幾つなんですか?」


「ん?俺ですか?…………隊長と同い年だったはずだから………今36ですかね…あ!来月誕生日だから37ですね!お袋は20歳で俺産んだって言ってたかっ!!…………ぐはっ……」


歳とらないのかな?と言ったランテルの発言が気になったメディナはおずおずと聞いてみる。

メディナの予想通り前世の自分より歳上で驚く、続けて母親の年齢を言おうとしたランテルが、言葉の途中で巨大な何かに吹き飛ばされて壁に叩きつけられる。


「もう……ランテル君わぁ…お母さんの歳を勝手に喋らないでくれるかな?かなかな?」


声の先をゆっくりと顔を振り向いて確認すると、そこには熟練の職人を思わせる白髪まじりの体格の良い初老の男性と……

目のハイライトを消した先程の少女(母親)が片手を何かを投擲したような格好で立っていた……


「あれ〜?コレくらいで伸びるとは鍛練が足りないね〜……バラスト君はうちの子を甘やかしてたのかな?かなかな?」


少女は近くにある2メートルはあろうかと見える大槌を片手でひょいっと持つと叩きつけられて崩れ落ちているランテルにスタスタと歩いて近づいていく。


「…うーん…ハッ!ま、待ってお袋!違う違う!俺が言おうとしたのはいつも綺麗なお袋でうれしいなぁ!って言ってたんだ!本当だ!……ねっ?そうですよね?メディナさん!」


ランテルの前にたどり着いた金髪少女は赤のハイライトの消えた目でニヤッと笑い大槌を振りかぶる。

気がついたランテルは必死に弁解しようとメディナに目で合図しながらそう聞いて来る。


「そ、そうですよ?こんなに綺麗なお母さまで素敵ですね?と話していたんですよ…そうですよね?ねね?」


「こ、肯定……」


あんまりにも必死なランテルに同情して、メディナとねねが伝えると、少女は大槌をゆっくりと床に置いて、


「…な〜んだ、ランテル君がまたお母さんの悪口言ってるのかと思ったよ♪そうじゃないなら良いんだ!……改めましてこんにちは、ランテルのお母さんのロイテスト・オーランドだよ!コッチは旦那様のゴラム・オーランド君!カッコいいでしょう……あげないよ!」


ぴょんっと、音がしそうな感じで初老の男性に飛びつき自己紹介をしてくれた……


「事実は小説よりファンタジー……あ、ここファンタジーだ……」


と、メディナは呟いた。


……蛇足だが…ロイテストさんの目のハイライトは戻っていた

感想頂きましたが……ランテル君は道案内のモブだったんですが……


思ったより動かしやすいのでレギュラーキャラクターに昇格しました。


コレからもどうぞ宜しく?


ではまた次回…

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