*お帰りはこちらで……よろし……くないですよね?
続きモノ
地味に仕事が舞い降りる今日この頃……
それでもやっぱり前よりは……
ふふふ……
意味はないので本編をどうぞ?
叫び声に反応したねねに殺されそうになったり、その大声で起きたランテルが暴れてアイリスにまた気絶させられたりという一幕はあったが、メディナと他3人はランテルという荷物を担いだまま歩く
「少しお待ちを…………どうぞ、これで繋がりましたので…」
長身のアイリスが滝の前で立ち止まり、呪文の様なモノを唱えると滝が中央から真っ二つに割れて中にぼんやりと光る道が現れる。
「貴女も早く、この道は直ぐに消えてしまうので。」
アイリスに急かされたメディナは、心の準備も出来ず滝の裏の幻想的な光の道を進む。
「あの宿は、資金稼ぎの為にエルフが極秘で経営する唯一の宿屋なのよ!さすがに外貨獲得しとかないと…モニングがくれるお金だけに頼ってたらエルフが餓死しちゃうからね!」
「ははは、そんな宿に1回目で当たるなんて私は運がいいんですねー…。」
どんな確率?!と落ち込むメディナを気にすることなく、エリザベートは宿の自慢を続けドヤ顔のまま歩く……私凄いだろう……と。
「……着く……我は先にコレを預ける……」
道の先に建物が見えるとねねはランテルをコレと、言って一度持ち上げてから凄い速さで駆け出す。
「すごく速いですね……さすが忍者……」
「ん?ニンジャ?というのは分かりませんが、ねねの速力は3000も有りますので確かに速いですね…たぶんになりますが。この国内でも5本の指に入るかと……獣人自体が少ないのと、エルフは魔法主体、人は技術主体になるので身体的にあそこまでの速さに到達できる者は少ないので……」
「へ、へぇ……ソウナンデスカ……」
ねねの速さに感心しているとアイリスがそう教えてくれる。
あれ?…………私のステータス欄の速力って幾つだっけ?…………確か魔力の高さで掠れてたけど3000より高かった気がする……
また規格外な自分の力を知り、そういえばなんだかんだで自分の性能限界を試した事ないなぁ…と気がついたメディナは、アイリスに適当な相槌をうちながら何処かで試してみよう!と決意する。
「さぁ!着いたわよバカ魔力!コレが私達の隠れ家よ!」
「ちょっと使いづらい面もありますが、私達エルフは魔力が豊富に有りますので何とか最低限ですが施設も使用できますので…」
「あ、あぁ…………こ、コレは…………」
歩いて近づくにつれて建物がかなり巨大だという事に気がつく。
それを見たメディナは驚愕で目を見開く
それは、昔に見たお台場の巨大ロボが余裕で何百体…いや、都市丸ごとでもいくつか入るだろう巨大な建造物…………明らかにこの剣と魔法の世界には似つかわしくない巨大で硬質な質感の……
「何でここに宇宙要塞がっ!!!」
「おや?コレの事をご存知でしたか……それでしたら貴女はこちら側のエルフか……遠い親戚でしょうか?」
「これの記録は、代々うちの家系にしか伝わらないからね!なーんだ!心配して損したわ。」
剣と魔法のファンタジー世界の幻想的な光が満ちる洞窟を潜り抜けた先には、某アニメに登場する巨大な宇宙船?が鎮座していた。
メディナがあまりの驚きにそのモノの名を叫ぶと、エリザベートとアイリスはそう言って完全に警戒心を解いた。
あまりの衝撃に固まっていると、
ーバシッン!ー
と、エリザベートに頬を叩かれて気を取り直したメディナ
そのあまりの再現度に感動して全体を眺めながらエリザベートとアイリスに着いていくメディナ
「…あっ!あれは何ですか!」
「あれ?……あぁアレは魔力で動く自動人形よ、確かドワーフ達と人族が共同で作った魔道具?だっけ?」
「あれは!?アレは何ですか!?」
「あちらは魔力で動く補助鎧です、ただ……この施設が起動するほどの魔力が溜まっていないので現在はただのガラクタですが……」
船内に入ると、アニメやゲームで見た様なウキウキするものが多数存在していて、メディナは目を輝かせてエリザベートとアイリスに質問する。
「アレ「もうっ!アレは?アレは?うるさーーーいっ!!」…は?」
一歩進むたびに質問してくるメディナにイラっとしたエリザベートがメディナの言葉を切って騒ぎ出す、アイリスも遂に耐えきれなくなったか…という表情で苦笑しながら、エリザベートを宥めようと手を伸ばす。
「きーーっ!だいたいあんた!コレ古代の遺物だって知ってる割には無知なのよ!何よ!その偏った記憶喪失ぅ〜〜!」
「いひゃい…いひゃひへふほ、へひひゃへふはふ。」
アイリスの手が届く前に、奇声を上げながらメディナに飛びついたエリザベートは、メディナの口に手を入れ両方とも引っ張りながら怒りを表す。
両頬を引っ張られる形になったメディナが必死に抗議するがエリザベートには届かなかったのか、アイリスに引っ剥がされるまで続けられた。
「……ふぅ、さすがに入り口からここまで開閉すると疲れるわね……アイリスお願い…。」
「分かりました、では…」
船内に入ってからはずっとエリザベートが先頭を歩いて扉を空けていたが、苦しそうに肩で息をし始めた頃、アイリスに扉の開閉をお願いした。
「…もしかして…ここの扉の開閉には魔力が必要なんですか?」
「ええ、私達エルフは魔力が有りますので中に入れますが、人族の魔力ではここの扉を一つ開けるだけでも大変でしょう……それに私達とてここの施設を起動させる程の魔力は無いのでこの先の都市跡地で畑や養殖をして暮らしているだけですので……」
疑問に思ったメディナが質問すると、アイリスはそう言いながら扉を開ける。
「わぁ…………何処か不思議な光景ですね……」
「そうですね…ここに見える廃墟の構造物ひとつとっても私達には解明できない技術が使われているようですので、あ、お連れの方はこの先の集落にいるはずですのでご案内を致します。」
扉の先にはこの世界とはかけ離れたSFでサイバーな廃墟が乱立しており苔や蔦に覆われている。
そして、その少し先に白い煙が見える、室内で焚き火?換気は大丈夫か?と思っていると、煙が外側に吸い出されていくのが見えたので安心して、ずんずん歩いていくエリザベートに追いつく様、メディナは少し走った。
「みんなーっ!ただいまー!」
エリザベートが大声で叫ぶとテントの様な物から耳の長い美形の人々が出てきて歓声をあげる。
「ひめさまー、きょうはどんなぼうけんしたのー?」
「エリザベート様お怪我はありませんか?」
「エリザベート様、いつも薬の材料をありがとうございますじゃぁ……」
「ひめさま、わたしおはなのかんむりつくったの!あげるぅ!」
先程まで不機嫌だったエリザベートは笑顔を浮かべながら一人ひとり対応していく、子供から花冠を受け取る時など、
「ありがとう、大事にするわね。」
と、メディナが遭遇してから、今の今まで見たこともない笑顔で受け取っていた。
「姉さんは、普段はすこしアレでも慕われていますので……わがままでイタズラ好きで…ずぼらで、片付けが出来なくて……どうしようもないエルフですが、やることはやるので……」
その光景を眺めるアイリスは、普段のとんでもない行動しかしない姉の姿を幻視して握り拳を作り、苦虫を噛み潰した様な表情をしていた。
……ふと、メディナはそう言えばランテルはどこにいるんだろう?と辺りを見回す。
エリザベートが歓待を受けている更に先で綺麗なエルフの女性達に囲まれて鼻の下を伸ばしているのが見えた。
…………それの光景を見たメディナは、何故かすごくイラっとした。
こめかみをひくひくさせて、依然としてでれでれしているランテルに何故か無性に腹が立った。
コロナ禍の中自粛が続く毎日の暇潰しになっていれば幸いですね。
最近は仕事なくなった後輩や学生さんに飯を作る毎日……
働いてた店は来月まで持つのだろうか?
ではまた次回