*ここでこうきたかぁっ!
続きモノ
昨日投稿したつもりがボタン押し忘れて消えていたようで……( ; ; )
昨日は親戚の子を面倒見てたので確認し忘れてました。
反省…
では、どうぞ?
静まりかえった宿の中をエリザベス、メディナ、謎の忍者、そして忍者に背負われているランテルが続く。
「あの〜…出来ればコレは外して欲しいのですが……」
「できるわけないでしょ?あんたみたいなバカ魔力持ち自由にさせてあげる訳ないじゃない!」
訳も分からず付けられた、皮張りの黒い首輪を持ち上げてエリザベスに聞いてみたメディナは「馬鹿じゃないの?」と一蹴され、背後の忍者がメディナの背中に突き付けている刃物にも力が加わるのが分かる。
「……大人しくついて来い……我等は奴らとは違う……直ぐに殺しはしない…………お前が奴らの仲間でなければだが……。」
背後の忍者から男か女かも分からない声で囁かれたメディナは諦めて大人しくエリザベスの後について宿の外の森へと向かった。
「姉さん!何で勝手に!危険だとは思わなかったのですか!」
森に入って少し歩くとエリザベスが、高層ビルくらい大きな岩の前で立ち止まり、上を見る。
シュタッ、と音も無く降り立ったのは黒いロングヘアーの糸目の女性で、エリザベスの両肩を掴んで前後に思いっきり揺さ振る。
「ほえぇ!ご、ごめんなさっ!いっ!ねねっ!だけじゃっ!なにかっ!あったときっ!たいへっ!んっ!……」
「私達がどれほど心配したと思ってるのですかっ!……だいたい姉さんは昔から…………あの時も…………そういえば……昔から……」
突然始まった姉妹?喧嘩にメディナが驚いていると
「……いつもの事…………気にするな………。」
「「はぁ…………はぁ……はぁ……」」
途中から取っ組み合いの喧嘩になり、忍者さんが何処からか出してくれた座布団に座り、これまた出してくれた煎餅をかじりながら観戦する。
ランテルは近くの草むらに転がされていたが両手両足はしっかりと拘束されていたのでとりあえず放置、夜が明け始め朝日が差し込んできた辺りで姉妹喧嘩は終了した様だった。
「……はぁ……はぁ、とりあえず…ねね、その娘の首輪外していいわよ…こっちが呆れるくらい無警戒で…のほほんと差し出された…お茶啜って煎餅かじってる奴が…奴らの手先な訳無いから…ね。」
「……ふぅ…そうですね、私も先程から何度も隙を見せてみたのですが1度も反応されず…むしろ途中から完全に楽しんでいる様でしたし……」
「ふぇ?」
息を直しながら近づくエリザベスがねね、と呼ばれた忍者に言うと、カチャリ、という音と共にメディナの首輪が外れ地に落ちる。
エリザベスの後からついてきた黒髪の女性は同意しながら呆れた様な顔で見つめてくる。
メディナは、確かに途中から可愛い女の子と綺麗な女性のキャットファイトを楽しんでいたが指摘されると急に恥ずかしい気持ちになり、
「そ、そんな事はありませんよ?」
と、顔を真っ赤にして否定するが…座布団に座りお盆に載った茶を飲みながら煎餅に手を伸ばす姿は、完全に休日の笑点を見るおじいちゃんの様で説得力など……まるでなかった。
「で?あんた何なの?エルフ領でも見た事ないし…第一にそんなバカ魔力持ってる奴がいたら何処にいたって感知出来るでしょうし……」
首輪は外されたが、自分より小さいエリザベス、ランテルと同じかそれ以上背の高い黒髪の女性、暗くてよく見えなかったが、ねねと呼ばれる黒ずくめの女性忍者に囲まれるメディナ
腕を組んだり、武器を構えていなかったらハーレムルートに入ったか?と期待しただろうが、今のところそんな気配は微塵も無い。
「私…記憶が無くて。『チャキッ!』ちょっと待って!話を聞いて!お願いします!」
「待ってくれねね、この方が我々を殺す気ならとっくに殺されている、正直なところ…あの首輪ではこの方の魔力の半分も抑えられてはいなかったからな…話を聞こう。」
「……まぁアイリスがそう言うなら……『チャキン…』……むぅ……」
弁明の為記憶喪失だと言うと、クナイみたいな刃物を目の前に突きつけられるが、アイリスと呼ばれた黒髪糸目さんが止めてくれる、渋々とクナイをしまったねねは、瞬きもせずに唸りながらメディナを凝視する。
「……そうね……バカ魔力解放すればいつでも反撃出来たのにしなかったから不審に思って……このままワームトラップまで連れてって苗床にしてやろうかと思ったんだけど…」
「……我も賛成…………敵なら即殺…準備してた……」
敵ではないと分かってもらえたのか、落ち着けるところまで案内してくれるというアイリスさんについて行く道中に、エリザベスとねねが何か昼食のメニューを決める様な軽さで話す内容が気になり、
「あの〜、そのワームトラップって何でしょうか?」
「ん?そうね、記憶喪失なら知らないか…ワームトラップっていうのは、エルフの天敵のマジックイーターって言う魔力を食べる昆虫型モンスターを養殖した場所に連れてって新しい苗床にする事よ。」
「エルフでは有名なんだけどなぁ……」と、笑顔で話すエリザベスを見て……苗床……異種姦……しかも苗床エンドの危機………いざとなったらサンダー○ラッシュで……、などと逃げる算段を始めたメディナを見たアイリスが苦笑しながら、
「大丈夫ですよ、姉さんがその話を貴女にしている時点でそこに連れて行く気は無いでしょうから…心配しないで下さい。」
クスッ、と笑うアイリスから、ぷりぷり怒ったような調子で先頭を歩くエリザベスが振り向く
「だいたいねぇ!どこをどう見たってエルフのあんたが正体隠してる私の所に来た時点で怪しさ満点なのよ!………美男美女だから両方ともエルフかと思ったらあんただけだし……男の方が強そうかと思って薬多めに仕込んだのに……」
振り向いたエリザベスは、ランテルを担いだねねを挟んで、3番目を歩くメディナにビシッと人差し指を刺し怒った様に喋り続ける。
「そうよ!封印の首輪で半分とかっ!ありえないんですけど!?エルフで最大値って言われた女王の私ですら、下位の攻撃魔法しか撃てなくなるのに……あんたの魔力なら……最上位どころか禁術クラスだって撃てるじゃない!……」
「反則よ!!ありえない!」と、叫び続けるエリザベスに、
「……ねねは悪くない…………全てはエリザベート様の案………」
と、ぼそっ…と呟くねねの肩で、ランテルはぐるぐる巻きの姿のままで担がれているが起きる気配が全くない。
ん?……さっきから…………どこかで聞いたことがある様な……ない様な…………。
アイリス……エリザベート……ねね…………エルフ………女王?………はっ!、まさか…………
「……っいうのに、ほーんとありえないわあんた、そりゃぁ主戦派のクソ共かと思うじゃない?」
あっ、これヤバいやつだ…、どこかで聞いたことあるはずだ……なにせ……。
「でもあんた、主戦派でも私達側でもないエルフなんて……いったいどこ出身なのよ、このはぐれエルフ!」
エルフの件は3人の秘密にしましょう………
そんなことを言ったのはいつだったか…………
今目の前にいる方々は…………
「ちょっと!聞いてんの?あんたまさかエルフのくせにエルフ領の領主だったこのエリザベート様を知らなかったとか言うんじゃないでしょうね!?」
ベルフラウが私とバラストに漏らした……
凶悪な軍隊の様なエルフに追われている……
「……非戦派エルフのトップぅぅぅぅっ!?!!?!」
色々と追いつかなかったメディナは髪を振り乱し、両手で頭を抱えながら、森全体に響く様な大声を上げた。
廃エルフ外伝"魔力がほぼ無くなった灰エルフ"
も、短編としてコツコツ執筆中
書けたら投稿しようかな(p_-)
ではまた次回