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私は諦めない

作者: 阿修羅
掲載日:2018/06/03

 私は啓太けいたとは気づいたら一緒に居ました。公園で二人してブランコに揺られながら会話することが、小学生のころ私の密かな楽しみでした。



 小学校中学年からそれぞれの男子・女子グループと分かれてしまいましたが、公園でその日にあったできごとを二人して面白おかしく話し合うことは続きました。


 小学校を卒業した後も同じ中学校に入学しました。その頃には、彼との接点は少なくなってしまいました。彼は地元の道場に通っているようでした。


 私は小学校五年の頃には自分の気持ちを自覚し、彼に相応しい女の子でありたいと考えていました。そのためにも、女性雑誌を読んだり、友人からかわいいくなれるアドバイスをもらったりしていました。鈍感な彼のことですから、気づいてはくれないとは思いましたが。


 自分から攻めの姿勢が大事だとは思いましたが、彼から来てほしいという乙女チックな自分がいたということは否めません。


 気が付けば私の視線の先には彼が居ました。いつも黙々と勉強をし、自分の世界をしっかり持っている彼が羨ましい気持ちもありました。私はというと、他の人に置いて行かれることが怖く、時には自分に嘘をつき、仮面を被った生活でした。


 中学校生活では自慢ではありませんが、数人に告白されました。私はこの時に、啓太への気持ちを再確認させられることになりました。


 正直、一回誰でもいいから”付き合う”という体験をしようとも思いました。周りの子もそうでしたしね。でも、この気持ちにまで仮面をつけてしまえば私が私でなくなると思い、なんとか思いとどまりました。イケメンの先輩に流れで付き合いかけたのはいい思い出です。


 彼がいつも一人でいる点については安心感という名の独占欲が働いていました。


 でも、私は知っています。彼が努力家で、周りがどの様に評価をしようと自分の道を突き進む強い精神力があることを。 


 中学二年の時、一度だけ彼と進路について話をしました。いつものブランコで揺られながら私は彼の進路先の高校偏差値の高さに驚きました。


 それからは大変で、彼と同じ高校に入りたい一心で勉強をしました。

 

 努力は実り、合格通知をもらえました。家族にはまさか受かるとはと失礼なことを言われたぐらいです。


 彼と登下校で一緒に居られることが最大のご褒美になりました。たまに彼に、「好きな人できた?」とい言ってみては「いるよ」なんて言われることを恐れたりもした。彼がはぐらかしてしまうからこの話はうやむやになる。私は、


「あれ?私って、嫉妬深い怖い女?」


なんて、思ったりしました。


 いつもテストで学年のトップにいる彼が輝いて見えました。勉強で追いつけないなら部活で自分が輝けるように努力をしました。人づてに彼が文学部に入ったことを聞いて、テニスコートから見える文学部の窓をときおり意識したりもしました。


 高校でも彼以外に告白されることがありましたが、その度に「部活に打ち込みたい」と断り続けました。


 私たちが高校二年生になりましたが、関係が発展することはありません。だから私は、県大会後に私の気持ちを伝えようと思います。


 まずは県大会、そして啓太あなたへの告白です。文学部の窓を視線を送り、「私はあきらめない」と誓います。






++++++県大会後

 

私と彼はいつもの公園でー。







 

 読んでくださり、ありがとうございました。

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