やっと異世界に行ったようです
あぁ、嫌だよぉ、認めたくないよぉ、現実とかなんかの冗談でしょう?
ほら、早くプラカード持って来て
『ドッキリ大成功ぉ!』
って言ってぇ!マジで、頼むから。
「ご主人様、ドッキリじゃありませんよ。」
「さっきから私の心の声読めすぎじゃない?」
「ご主人様の考える事など手を取るように分かりますよ。
第一にドッキリだったらナイフを出した瞬間に誰かしらが出て来ますよ。」
だよねー。
手を取るように分かるのね。すげぇ。
「認めたくない物だな……自分自身の、若さ故の過ちというものを。」
「ご主人様、古いです。……今の高校生は普通知りません。」
じゃあ私達は古いね。……………高校生だけど。ローザは19だっけ?大学生じゃん。
「ふふ、ねぇ?お嬢ちゃんは自分の《門》知りたくないのかしら?」
「知っちゃったら異世界転移されそうなので知りたくないです。」
「ふふ、お嬢ちゃんは異世界転移があると思ってるの?」
うわぁ、え?お姉さんが言う?
一番言われたくないわ。こんな痛いお姉さんにだけは言われたくないね。
「え?お姉さんにだけは言われたくない。」
「ふふ、あるに決まってるわよ。しかも正解よ。」
「え?え?今どう考えてもない言い方だったじゃんッ!」
何?このお姉さん?嫌だよぉー、異世界なんて行きたくなーい!
「ふふ、もうお嬢ちゃんを異世界転移させるのは決定したから説明して行くわね。」
「はいッ!異世界なんて行きたくありませんッ!」
「ふふ、拒否権なんてないわ。お嬢ちゃんは私のおもちゃなのよ?おもちゃはおもちゃらしく言う事を聞きなさい。」
「ご主人様が何にも考えてなかった所為ですね。」
おもちゃになんてなるんじゃなかった。
何にも考えてなかった。
……………なんとなく駄々こねますか。
「嫌だぁ!異世界なんて行きたくないよぉ!
ゲーム、ラノベ、美味しいご飯、治安の良さ!捨てたくないー!なんで生活標準を下げないといけないのッ!嫌だぁ!行きたくないよー!」
私は子供みたいに地面で暴れる。バタバタ。
「………ふふ、お嬢ちゃんにはプライドと言う物がないのかしら?そんな地面で暴れてたら服が皺くちゃになるわよ。」
じゃ、駄々こねるのやーめた。
この服はローザが洗濯してくれたんだからね。
でも行きたくないんだよね。
「プライドなんてないに決まってんじゃん。なんなら土下座しようか?」
「ないのね。土下座はしなくて良いわ。………はぁ、分かったわ。
異世界に行くのは変わらないけど、一つ言う事を聞いてくれたら生活標準を変えないで済むようにして上げても良いわよ。流石にゲーム、ラノベ、食事は無理だけど。」
……それ、四分の三が消えてるんだけど。
それ意外の生活標準が変わらないって事かな?スマホとかパソコンは持ってないしなぁ。
それだったらお願いがどんな物かにもよるね。
お願いが楽そうなら承諾すればいっか。有無を言わせずって感じだったら嫌だけど従うか。死んでも嫌って感じ断わってみて様子見かな?
「どんなお願いなの?」
「私の《眷属》になって欲しいの。そして一つ仕事をして欲しいの。」
やべぇー!厨二病だったー!
お姉さん、サラッと眷属とか言ったー!
ヤバい、ヤバい!メンタルの化身じゃん!
こんな痛い言葉をなんの恥じらいもなく言ったよ!
男子高校生じゃないだからさー、恥じらいを持とうよ。
あと仕事って何?眷属とか言ってるお姉さんが頼む仕事って何?
太鼓持ちとか?ぷっ。
「ご主人様。もっと表情を隠して下さい。めっちゃ分かりやすいです。」
「え?分かりやすい?」
「分かりやすいです。まぁ、普通の人だったら分からないですが此処に居るのは私とシステム様ですから。あと厨二病ではなく事実ですから。
現実逃避は此処らへんでおやめください。」
「え?え?いやだって、だって。ありえないじゃん。
私みたいに一般的にはオタクと呼ばれる人だったら異世界だとか分かるけど普通のJKだったら異世界の『い』の字も眷属も知らないからね?」
現実逃避だってしたくなるって。
「はぁ、今までされて来た事を思い出して下さい。」
「拉致された、ローザと引き離された、急に体が動かなくなった、ローザが急に出て来たかな。」
あと私から鎖が出て来た。………はぁ、現実逃避はやめるか。
異世界転移させるって聞いて頭ごなしに否定しなかったのは私自身も頭の何処かで『ありえる』って思っちゃったのかな?
事実は小説より奇なりってね。よく言ったものだよね。マジで現実ってクソ!
「ふふ、《眷属》と仕事については後で言うわ。今は説明をさせてくれるかしら?」
めっちゃ気になる。このお姉さん、吸血鬼かな?眷属って言ったらそんなイメージがある。
そしたら仕事は血を取ってくる事?ぷっ、あはは、ウケる。
「はいはい、次々説明して下さい。ゲートって言う奴が異能ってのは分かったから、次。」
「ふふ、もうちょっと《門》について説明させてね。」
えぇー、不思議能力って事でしょ?説明いらないって。
「まず《魔法》と《門》の違いね。」
「ちょっと待ってッ!魔法?魔法って何ッ!?アレ?炎とか出す奴?」
どっから出て来たの!?いきなり出て来たんですけどッ!ゲートの話じゃなかったの?マジかぁ、こんなのが続くわけ?マジ?
「そうよ。まず《魔法》とは周りの魔力と呼ばれる物を自分の体に取り込み呪文を唱える事によってその取り込んだ魔力を炎やら水とかにして体の外に出す運動の事よ。」
日本語でおk?
「ワカッタ。」
「そして《門》は自分の中にある力のある事よ。《魔法》と違って呪文を唱える必要もないし場所によって使えないって事もないわ。」
「ワカッタ。」
つまり自分の物か周りから取り組む物かって事?ふーん、分かんないや。
って言うかぶっちゃけどうでもいい。
なんで魔法の話をしたの?必要なくない?使えるわけじゃないのに。
………ローザは話が分かっているのだろうか?なんか澄ました顔でこっち見てるけど。
分かるんだろうね。
「じゃあ《門》と《魔法》については説明したから次はお嬢ちゃんのこれからの事よ。」
やっとですか。
何されるのかな。ローザと一緒なら何だってやるよ。どうせ拒否権なんてないんだし。駄々こねたけど別に叶えてくれるとは思ってもないしね。
…………異世界かぁ。全然楽しみじゃないなぁ。ってかほんとに異世界転移するの?風俗とかに売られない?
どうせならこのまま学園異能系にシフトしない?……あ、駄目?まぁ、言って見ただけ。
「私は異世界に行って何をすれば良いの?」
「ふふ、まず《神》になってもらうわ。そしてクラス転移の準備をしてもらうわ。」
「へぇ、ローザ。私、神になるんだって。」
「おめでとうございます。」
…………はぁ?神?ぷっ、あははははははは、THE厨二!やっば。
クラス転移もマジかぁ。そう言えば勇者になりそうなのが一人いたわ。ウケるわぁ。
テンプレェ!異世界行って神になる!あははははははは!テンプレー。
笑いを堪えるのに必死ッ!もうやめて欲しいわぁ。
「ふふ、安心してちょうだい。《神》になるのは簡単よ。………うーん、そうねぇ、インスタントラーメン作る並みに簡単よ。」
「そんなんで良いの?神。」
「良いわよ。まず《神》になる条件は《門》が強い事。これは適当で良いわ。
そして大勢の人に《神》だと思われる事。この二つよ。」
「大雑把過ぎて実感が無さ過ぎる。」
「ご主人様、分かります。」
あ、やっぱり?実感ないよね。神とか言われてもねぇ?寒ッ!ってなるだけだし。条件も大雑把過ぎるし。
ゲートとか魔法だとか言われても、ちょっと………。
もう何かどうでも良くなって来てるから深く考えれてないんだけど。
だって神になるって言われても全然リアクション出来なくなってる。
お姉さんは何がしたいの?全然実感ないよ。唯一体から鎖が出て来たのは実感出来たけど。
ってかまだ私のゲートを教えてもらってないんだけど?忘れてたけど。
テストをやる気がないのに解いてるみたいなもんだよ。
あの問題を解いてる実感が湧かないみたいな感じで。
うーん、何て言ったら良いのかわかんないけどそんな感じ。………え?分かんない?分かんないなら分かんないで良いよ。
「じゃ、なるわよ。………はぁ、この時のために準備したって物よ。
さ、お嬢ちゃんは私の手を握ってくれるかしら?ローザちゃんも握るのよ。」
え?え?もう?神になるの?何この急展開。まだ全然説明してもらってないよ。
………これだから実感が湧かないんだよ。
「ご主人様はローザの手を握って下さい。システム様とは言えご主人様に触らしたくないので。」
え?なんでもう準備してんの?心の準備は?ないの?
もう私が立ってローザの手を握るだけじゃん。あと私もローザの事を誰にも触らせたくないのに、もう握っちゃってるし。はぁ、手を握るか。
「じゃ、行くわよ。やっとよ、これでラノベの真似事が出来るわ。行く前に聞くけどお嬢ちゃんは普通の家の子よね?なんか事情とかないわよね?」
「事件はあったけど普通だと思うよ。事件が小二の時に起こってそれから少しはおばあちゃんの家にいたからそんな詳しい事は知らないよ。」
「お嬢ちゃんは小二までは普通だったわよねぇ。それがこんなのになるのだから育つ環境って大事よね。」
「せやな。」
さっきサラッと言ったけど、お姉さんはラノベの真似事がしたかったんだ。………クソどうでもいいわぁ。巻き込むなよ、一人でやれよ。
あと家が普通かどうかなんてどうでも良くない?
なんで気になるんだろう?
「ふふ、やっぱり普通の家の子のようね。じゃ行くわよ。ଲֆନշଶեଚgନମ!」
パッと私の目の前の景色が変わる。
「おぉ!みんな、みんなやったぞい!邪神様の降臨じゃあぁ!」
ん?はい?え?何?
私の目の前には人、人、人。人で埋め尽くされていた。みんな赤いローブを着ていた。
足元には何やら魔方陣のような物。そして私は高台のような所にいた。
そして大勢の人の前にいる真っ黒いローブを着たジジイ。顔は見えないけど声でジジイだろう。
ピカッ!ゴロゴロッ!ピカァァア!ザァァァァア!
そしてこの嵐のような雨と雷。
ヤッバいなぁ。
「おぉぉ、なんと言うお美しい姿。………そして、その禍々しいお姿ッ!邪神様じゃ。邪神様じゃあッ!」
え?お美しいはローザの事かな?私?どっち?
そして禍々しい?何 を言っているのだろう?
ピタァァァァッ!
そんな音が聞こえるかのように世界が私の目の前で起きた。雨、雷は途中で止まり、人もピタっと止まっている。
「ふふ、これでお嬢ちゃんとローザちゃんは神として認められたわ。私と一緒ね。」
「そうですね。システム様。これでローザもご主人様も神です。」
え?ちょっと待って?神?お姉さんも神だったのぉ!………うーん、ちょっと察してたからそこまで驚かない。
しかも神だけど邪神ですよ?そこは良いの?私が邪神ねぇ?ウケるわぁ。
それとローザ。ローザ絶対にグルじゃん。
ローザ絶対知ってたじゃんッ!驚かな過ぎだよッ!いつから!?いつからグルなのッ!?
もう嫌になって来たぁ。お姉さんは私の事をだいぶ前から知ってるみたいだし。
もう何なの!?気になる事が多過ぎる!!
あー、もう全然分かんないッ!もういいや!人生、諦めたもんがちってとこあるから理解するのを諦めよ。
頭の中がごっちゃごちゃになって来た。意味不だったら教えて下さい。お願いします。
もう説明が面倒くさいです。
やっと異世界です。全然説明してないのに異世界です。どうしましょう。
学校の宿題が終わってない。やらないと。