5にんm
5人目の彼女は、と
知り合ったのは電脳世界の掲示板だ。
電脳世界という膨大な海。
その深海に光はあった。
姫様が開設しているホームページがあり
そこで彼女は誰かに助けを求めていた。つらい、死にたいと。
しかし誰も手を差し伸べようとはしていない。ひどいあんまりだ。
腕に傷がついた画像を載せていた。
きっと誰かにやられたのだろう俺がそいつの正体を突き止めなければならない。
僕は何を言っているんだあ。
彼女は電脳掲示板上の存在で決して触れることができない。
彼女は姫様なのだ。僕だけの姫さま。僕だけを望んでいる姫さま。ひめさまひめさま。
姫さまはとても純粋で美しい。儚い。尊い。
姫さまは魔王によって電脳世界に閉じ込められているらしい。
早く助けてと声が聞こえる僕が助けなきゃ誰が助けるというのか。
たすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて
触れたら最後、私まで電脳世界の中へ行ってしまうどうにかして彼女をこっち側に連れてくることはできないものか。
とてもやりきれない思いになっている。
姫様とは掲示板上でのつながりしかないが、いつか助けだすと約束した。
はやく助けてあげたい。