Grabuge(騒乱)
突如起こった、繁華街方面での爆発。その原因に、マサト達には思い当たる節があった。
―――ドドドドドッ……
大通りに、まるで巨大な地響きの様な音が轟いている。
いや、様な……ではない。
事実地面は揺れ、地の底からは地鳴りが轟き、まるで小刻みな地震が休むことなく続いている様だった。しかもその揺れと轟音は港の方から市街中心部へ向けて移動している。
この怪現象は、よく聞くと何か人の様な声も聞いて取れる。
―――それは住民の悲鳴だろうか。
「……てー!コノヤロー!」
「逃がすんじゃねーぞー!」
「おい、こっちに回り込め!」
―――どうやら違う様だった。彼等は誰かを追いかけている様だったのだ。
しかしその人数は尋常では無い。大通りを埋め尽くす様な人の群れが、巨大な津波の様に砂埃を巻き上げて、一直線に進んでいる。いや……、
―――何者かを、大挙して追い掛けているのだ。
「ちっくしょーっ!やっちまったー!やっちまったよー!」
その巨大な人のうねりを引き連れる様に正しく人波の先頭では、金髪の美しい女性がその容姿にそぐわぬ言葉遣いで、必死になって彼女を呑み込もうとする津波から逃げ続けていた……。
―――事は五時間程前に遡る。
繁華街の探索を買って出ていたリョーマは、商用地区の真ん中を一直線に突き抜ける大通りを眺めて目を輝かせていた。大通りは露店、商店で埋め尽くされており、まるで祭りでも開かれている様な賑わいを見せていたのだ。
巨大な港町であるピエナ自治領は、それこそ他大陸にある自治領から特産品が集まり、それを活かした店舗が多数立ち並んでいるのだ。そしてそこを行き交う人達も港湾関係者が多く、それぞれに他国の珍しい逸品に目を遣り、珍味に舌鼓を打っているのだった。勿論ピエナ自治領に住んでいる人達も、その恩恵にあやかっている。
そうしてこの通りは、オストレサル大陸随一の賑わいを誇っていたのであった。
そんな大通りを前に、リョーマの目が煌かない訳が無かった。
早速一番近くにあった露天商を覗き込み、見た事が無い食べ物を購入、歩きながら頬張っていた。
「おお!なかなかイケるな!コレッ!」
その味に彼は大満足だった様だ。
ユックリと言うには余りにも遅すぎるペースで、彼は食べ物片手に大通りを進んでいく。常に周囲へ目を巡らせ、彼の首が真っ直ぐ一点に固定される事が無いのは、周辺に注意を払っている訳でも、彼本来の目的である……と思われる、情報収集に耳を傾けている訳でも……無い。
彼の好奇心が少しでも、一つでも多くの露店、商店、そこで扱う品々、食べ物飲み物を見逃すまいと、持てる力の全てを発揮しているからであった。
この時点で彼の頭の中に、探索の「たの字」も残っていなかっただろう。彼は何事にも自分の好奇心を優先させる癖があり、これほど彼の心を刺激する場所に赴いてしまって、本来の目的等と言う些事に気持ちを割く余裕等ある筈が無かった。加えて「アイシュならば何とかしてくれる」と言う楽観論が思考の大半を占めていると言う事もある。この一点からも、如何にリョーマがアイシュに頼り、そして彼女に頭が上がらないのか窺い知る事が出来るだろう。
「ようよう、姉ちゃん。一人なのか?俺達と飲みに行かねーか?」
人が集まればそれだけ騒動のタネも多く転がっている物だ。耳をすませば、大勢の人々が作る喧騒の中に怒声も含まれている。
そしてリョーマは、この上ない程騒動を引き寄せる容姿をしているのだ。
ただこの様な事はリョーマにしてみれば日常茶飯事で、このピエナ自治領に到着した、その日に起こした騒動を考えてもその事は良く解るだろう。当然そう言ったナンパをあしらう術も彼なりに有している。
「あー、飲まないし行かないし。それに俺、男だから」
彼等の為に足を止める事もせず、リョーマは彼等の脇を擦り抜けた。
だが多分に飲酒をしているであろう男達が、その一言で引き下がるなど到底有り得ない事だった。
「おいおい、ちょっと待てよ姉ちゃん。そんなつれない態度はねーじゃねーか」
リョーマの前に回り込んだ男達が、執拗なモーションを彼に仕掛ける。それもリョーマには予定調和だった。この手の輩が、断りを入れてすぐに引き下がった例はない。
「いいからそこをどけよー。折角楽しんでるんだ。揉め事を起こしたくないんだよー」
顔には満面の笑みを文字通り作っている。しかし雰囲気までは抑える事が出来ない様で、彼が抱いている憤懣が多分に漏れだしている。
その事に例え酒精にやられていた男達も、そのただならぬ雰囲気を感じ取っていた。だが酒の勢いと言う物は、往々にして歯止めを外してしまう物である。リョーマの態度に苛立ちが含まれていると感じ取った男達だが、そこで引き下がると言う選択肢を取らなかったのだ。
「おーっとー!この姉ちゃん、顔に似合わずキッつい事言うなー。でもそう言う顔も堪らなくソソる物があるよなー!……なぁ?」
リーダー格と思しき男が、リョーマに顔を近づけてそう言った後、仲間達に同意を求めて振り返った。同じ様に酔いが回ってる男達は、にやけた顔を隠そうともせずに各々同意する。彼等の行動が、今までリョーマがあしらって来た輩達とまるで判を押した様に同じだったので、彼はその端正な顔に本当の笑みを混ぜ込んでしまった。
その途端、周囲の空気が一変した。少なくとも絡んできたゴロツキ共はそう感じ、一様にたじろいでしまったのだ。
「なー……俺は“退け”って……言ったんだけどなー……」
リョーマは特に怒気を纏った訳でも、脅した訳でも無い。それは彼の表情の変化が物語っていた。彼の表情は、先程から一向に変化していなかったのだから。
それでもリョーマの声に込められた気勢、所謂“気”に、彼等は怯える物を感じてしまったのだ。
声を発する事も無く、リョーマの正面から道を開ける男達。
「ありがと。じゃーなー」
前方が開けた事で、先程までの害された気分から立ち直ったリョーマは、軽く彼等に言葉を残して再び歩き出したのだった。
しかしこれがリョーマの身に起こったトラブルの全てでは無い。彼が露店を一つ覗いては、出て来ると共にこれと同じ様な事が繰り返して起こるのだ。
だがリョーマと言えば、イチイチこんな事に気を揉んでいては、それこそ人の多い華やかな場所に等行き様がない。全て同じ様に対処して、次々に店を除いては、珍品を手に取り、珍味に舌鼓を打ち、美酒を口にしていった。
リョーマが大通りに到着して、すでに三時間が過ぎようとしていた。
その間に、二十回に届かんとする酔っぱらい共の誘いをかわし、結構な量の飲酒をしていたリョーマは、流石にほろ酔いで良い気分となっていた。足取りが怪しくなると言う事は無かったが、顔は上気し、鼻歌交じりの上機嫌だった。
この時点で彼の脳裏には目的の「もの字」すら残っていなかったのだが、最初から緊張感も使命感すら希薄だったのだから仕方が無いのかも知れなかった。
日も暮れ始め周囲も薄っすらと暗くなりつつあったが、大通りには色取り取りの照明が灯り始めており、それが逆にこの通りを更に煌びやかな物にしていた。
カラフルな光が彼の顔を照らし、その美しさを不思議な明暗で浮かび上がらせている。彼女の表情は、まるで終わらない祭りを眺める子供の様に、益々キラキラと輝いた眼差しを湛えだしていた。
数多のゴロツキ共が彼に声を掛けてはあしらわれていく中、時には彼と意気投合する輩も出て来る事がある。
「おー!?姉ちゃん……じゃねーな?あんた男か!?随分と別嬪な兄ちゃんだな?」
彼を一目で「男」と見抜いた男が声を掛けてきた。
リョーマは、頭ごなしに女性と決めつけて接せられる事に苛立ちを覚えても、自分を男だとして接する者には、例え相手が酔っぱらいであっても寛容になる。
「へー!あんた、俺の事が男ってすぐに解るんだな!?」
それまでに声を掛けて来ていたゴロツキ共には流石に辟易していたリョーマとしてみれば、今日初めて気軽に話せる相手の登場だった。勿論リョーマが飲酒しており、随分と高揚していた事も否めないが。
「おー!そりゃー俺はその辺りに精通してるからな!どれだけ綺麗でも、男か女かだなんて、一目で見抜けちまうってもんだよ!」
リョーマが結構な量の飲酒をしていなければ、その男が口にするニュアンスに違和感を感じていたかもしれない。だが酒が齎す弊害と今までの鬱憤から、彼にすぐそれを見抜く事は出来なかった。リョーマ達は忽ち意気投合して盛り上がり、連れだって店を回る事になった。
それこそ多種多様な食べ物と飲み物を提供する屋台が、通りに沿って所狭しと店を構えている。酒類も色々で、味や度数も数多く取り揃えられていた。その全てを網羅しきるとでも言うかの様に、リョーマとその男は飲み歩いて行った。
事態に変化が生じたのは、さしものリョーマも随分と酒が回った頃だった。
元々ほろ酔いだったリョーマだが、自分の事を一目で男と見抜いた“話の分かる”男と意気投合して、楽しく屋台を飲み回れば入って来る酒の量も飛躍的に上がる。
「おい、大丈夫か?少しその陰で休憩しよう」
若干足元が怪しくなって来たリョーマに、男は心配そうに声を掛ける。
「ライ……ライジョーブ!まらまら、序の口らろー……」
足元だけでなく、口調まで怪しくなって来たリョーマの呂律は上手く回っていない。
勿論彼は完全に呑まれてしまった訳では無い。寧ろ雰囲気に流されるのを楽しんでいる様でもあった。
自分の意識にしっかりと目を向け、頭の中にグッと一本筋を通せば、今は酒精に握られている朦朧とした意識や千鳥足も、すぐに自我で掌握する事が出来ると認識していた。
ただ今はそれをする必要が無いとリョーマは思っていた。楽しい雰囲気を、流されるままに楽しむのも一興。そう考えていたのだ。
「ほら……こっちの物陰に……」
リョーマは大丈夫と言ったはずだが、流石に酔っぱらい口調では説得力が薄かったのだろう。共に楽しんでいた男は、リョーマに肩を貸して人気のない路地へと彼を誘導していった。
確かに羽目を外し過ぎたかと、彼の言葉に抵抗する事無く付いて言ったリョーマだったが、僅かに垣間見た男の瞳に、頭の中の警報が鳴り響いたのを聞いた。
「ああ……この辺で良いよ……」
僅かに覚醒させた意識で、表情と言葉の手綱を取り戻したリョーマの立ち居振る舞いに、男は小さく舌打ちを打ったように聞こえた。
「良いから奥に来るんだよ!」
突如として豹変する男の態度。彼はリョーマが男だと知っているし、それを踏まえた上で今まで付き合っていたのだ。今更態度を変える意味が解らなかったのだが……。
「……お前……男が好きか、どちらもいける口……だったのか……?」
ここで漸く、リョーマは男が口にした事に思い至った。
―――俺はその辺りに精通しているからな……。
―――男か女かだなんて、一目で見抜けちまう……。
つまりそう言う事だったのだ。両性愛者は兎も角、同性愛者ならばリョーマが男かどうか等、恐らくその「臭い」で解ってしまうのだろう。
「……ああ、その通りさ。強いて言えば、俺は可愛い男が好きなんだけどな。という訳でここは大人しく付いて来た方が身の為だぜ?この奥には仲間も控えてるしな。痛い目に遭いたくはないだろう?」
本性を現した彼の表情には先程の気さくな笑顔は無く、歪んだ笑みを汚らしく浮かべるだけだった。一気に興醒めしたリョーマは、酔いを完全に覚ませて、冷淡な眼差しを目の前の男に向けた。
「……楽しかったけど、ここまででいいや……じゃあな」
目の前の男にそう答えて、リョーマはクルリと踵を返した。男にしてみれば、さっきまでヘベレケだったリョーマが突然覚醒し、冷え切った視線を向けハッキリとした口調で答えた事に気後れしたが、すぐに我へと返り急いでリョーマの肩を掴んだ。
「おっと!そのまま返す訳ないだ……イテテテッ!」
リョーマの左肩を掴んだ男の左手首を、彼は右手で握りこんでいとも簡単に捻じり上げた。流れる様な所作で行われたその動作に、男は何故自分の腕が取られて、自分が押さえ込まれているのかすぐに理解出来なかった。しかし本当に痛かったのであろう、彼の声を聞きつけ奥に控えていた彼の仲間達が数人、奥の暗がりから現れた。
「て、てめーっ!何やってんだ!」
「こいつっ!とっ捕まえろ!」
まるで映画に出て来るチンピラそのままのセリフを吐いて、男の仲間達がリョーマに襲い掛かる。
リョーマは彼等の動きを冷静な目で判断し、僅かに先んじている男目掛けて、今まで押さえつけていた男をぶつける様に解放した。正面衝突を起こした男二人は同時に悲鳴を上げて倒れ込む。広くは無い路地裏で、目の前の男が急に倒れ込み、襲い掛かっていた男達の動きが大きく鈍った。
リョーマは即座に間合いを詰め、次に近い男の手を取り、彼の力が掛かっている方向とは逆方向へ僅かに捻りを加えた。反射的に抵抗を試みる男の力を感じ取ったリョーマは、今度は男の力に併せて大きく強く捻り上げた。面白い程簡単に、男はリョーマの目の前で一回転して背中から地面に打ち付けられた。
一瞬で三人の男が地面に倒された光景を目の当たりにした最後の男は、自分の取るべき行動に躊躇して動きが止まる。更に間合いを詰めたリョーマは、彼の胸倉を掴み僅かに自身の方へと引いた。やはりそれに抗おうと体に力を込めた男の動きに合わせて、今度は彼を後方へと倒れる様に突き放した。自身の力とリョーマの力が合わさって、受け身が取れない程強烈に後方へと倒れ込んだ男は、強かに後頭部を打ち付けて転げ回った。
リョーマにしてみればこれは、武術と言うよりも護身術に近く、素人相手に使う初歩的な組技だが、その余りに的確で無駄のない動きは、相手に反撃も受け身すら取らせる事は無かった。
合計四人の男が地面に伏している事を見て取ったリョーマは、クルリと体を通りに向けて、別段慌てる事も逃げる様な素振りも見せずに、ユックリと歩を進めたのだった。
しかし、物事は腕力のみで解決すると言う物では無い。
通りに出て、何事も無かった様に屋台での飲食を楽しみだしたリョーマを追って、先程の男達が更に仲間を増やして追いついて来たのだ。
ここでリョーマが彼等から逃げれば、これ以上事態が大事になる事は無かったはずだった。しかし彼はこれを迎え撃ってしまう。
リョーマもまた、自治領内では魔法が使えないに等しい。しかし彼は「暁流拳術」の使い手である。郊外であっても高位の魔法士である彼を抑える事は困難だが、自治領内であっても彼と対等に渡り合える人間など稀有だろう。多少腕に覚えがある程度では物の役にも立たないのだ。
案の定、追って来た男達はリョーマに全て無力化される事となった。
しかし争いが起こった場所で、当事者達だけで事が済まされると言う事もまた、稀な事である。
リョーマが直接手を下した訳では無いが、露店を破壊された店主や、争いに巻き込まれた人々が、男達やリョーマに詰め寄ったのだ。
ただ文句を言うだけならば、リョーマも手を出す事は無かっただろうが、中には胸倉や肩を掴む輩も現れ、彼はウッカリとその者達を投げ飛ばしてしまう。
それを幾度か繰り返している内に、周囲一帯には喧嘩を行う人だかりが出来てしまった。
その中心で大立ち回りを繰り広げ出すリョーマ。そこへ警備隊が鎮圧に乗り出して来た。
しかし場所がこの街随一の繁華街。酒毒に気持ちが向上している者が多く、警備隊の静止する声もすぐには聞き入れられなかった。警備隊は争いの中心で立ち回っているリョーマを静止しに掛かった。
ここで大人しく―――以下略。
リョーマは反射的に、肩を掴んだ手を取り投げ飛ばしてしまう。それが警備部隊員と確認する事も無く。
―――ピリリリリリリッ――――!
犯行の意志がありと見做され騒乱の中心にいたリョーマは、瞬く間に警備部隊が敷いた包囲網の中心にやられた。重厚な布陣を引く警備部隊の外側には、リョーマにやられた男達が鋭い眼光を光らせて取り巻いている。
ここで―――以下略。
反射的に捕まる訳にはいかないと思い至ったリョーマは、取り囲む人混みの一部を力尽くで強行突破し、今更ながらにその場から脱兎の如く逃げ出したのだ。
気付けば通りの住人達全てから恨みを買い、チンピラ集団からも付け狙われ、警備部隊からは指名手配を受ける破目となったのだ。
雪だるま式に面白いぐらい事態を大きくしてしまったリョーマは、流石にこれ以上手を出す訳にもいかず、ただひたすらに「暁流体術」の全てを駆使して逃げの一手を取った。
―――しかし、時すでに遅し。後悔先に立たず。覆水盆に返らず、である。
―――事態は両厳の火が如く、トラブルがトラブルを呼んだ。
リョーマを追う警備部隊は、緊急車両を動員して包囲網を狭める事に躍起となった。
しかし素早く動き、時に気配を見失うリョーマに、警備部隊の追跡は難航を極め、東奔西走を余儀なくされる。
そして、不意に路地から現れたリョーマを追う為に急ターンを敢行した緊急車両に……対向車線を走っていた別の緊急車両が衝突、炎上を起こしたのだ。
この事態はリョーマの責任とは言えないかもしれない。前方不注意、危険運転は警備隊員の責任だと言える。
だがそれも、リョーマを追跡していた上で起こった事故である。当然恨みの矛先はリョーマへと向いたのだった。
―――チュッドーンッ!
更に運悪く、衝突した車両は炎上、爆発したのだ。これもリョーマの責任とは―――以下略。
幸い軽傷で済んだ警備隊員達は、すでに車外へと脱出しており犠牲者は居なかったが、混乱を極めた彼等の通信は更に混迷へと向かわせるものだった。
「逃走中の容疑者は警備車両を破壊!尚も逃走しております!繰り返す……」
「隠密裏」に、ピエナ自治領の現状と、そこに駐留するガルガントス魔導帝国の動向、そしてこの大陸を出る船に付いての情報を知るだけの行動であったはずが、今やピエナ自治領を巻き込んで大騒動になろうとしている。
リョーマは群衆と、チンピラ達と、警備部隊から逃げながら、どうやってアイシュに言い訳するかだけを必死に考えていたのだった。
逃げるリョーマ!追うピエナ自治領市民群!はたして彼は、この包囲網を突破できるのか!?それ以前に、どうアイシュに言い訳をするのだろうか!?