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千年皇国の戦略魔法師(エクストラ)  作者: 綾部 響
第二部 第二章 【再会】
38/62

蹂躙

突如牙を剥いた謎の美青年。彼の一方的な“蹂躙”が始まった……。

 ガルガントス帝国軍監視所内は、蜂の巣を(つつ)いた様なパニックに陥っていた。

 それとは知らず招き入れてしまった虎によって、兎の群れが次々に蹂躙されていたからだ。

 美しい顔立ちに僅かな笑みを浮かべて、攻撃を仕掛けて来る帝国兵を返り討ちにしている様は、どこか嬉しそうにも見える。

 所々で沸き起こり勢いを増している火災に、煌めく金髪が彩られ、赤金色と言う世にも珍しい彩色を施している。だがもし、彼の髪がその色であったとしても、とても似合っていた事は間違いない。

 髪だけではない。彼の抜ける様に白い肌も炎の色に照らされて美しい赤色に染め上げている。

 もし第三者が客観的に見れば、本来普通に美青年だった彼が、炎の色彩を得て更に妖艶な美青年へと変貌を遂げたと、ウットリとした眼差しで魅入っていた事だろう。

 だがその場に居合わせている当事者達にとってはそれどころでは無い。

 味方が、同僚が次々と殺されていくのだ。それも信じられない位アッサリと、である。

 勿論、如何に兎と比喩されようが、彼等とてただ黙ってやられる様な事は無い。

 ここに集められた帝国兵達は、ピエナ自治領へ陸路からの侵入を阻む為の人員である。十二聖天や部隊長とまではいかなくとも、全軍より比較的能力が高い者を集められていた。

 その能力を、ただ一人の青年を足止めする為だけに全力で行使する。

 ある者は炎弾を、ある者は氷塊を、ある者は彼の足元から土槍を、鎌鼬を、空気弾を。

 大よそ考えられる全ての、そして全力の攻撃を以て彼を倒そうと、いや、彼の足止めを試みようと敢行していた。


 だがそのどれもが成功する事は無かった。


 彼は監視所内を、無人の野を征くが如く“ユックリと歩いている様に”見える。

 そんな彼に浴びせかけられた魔法攻撃は延べ二百回を超えている。

 だがその内の“二割程度”は、彼が展開する強固な防御障壁を突破する事が出来なかった。

 ドーム型に展開された彼の防御障壁は、足元も含めて彼を全周囲から完璧に防御していた。帝国兵の攻撃に、彼の表情が歪む事は無かったのだ。

 ただ、そのまま攻撃を射かけ続ければ、単純な足止めならば出来ると考えるだろう。防御障壁を移動しながら維持する事の出来る人物は、今の所まだ知られていない。

 防御障壁を展開している内はその場に留まるより他ないのだから、ただ彼の足止めをするだけならばひたすら魔法攻撃を浴びせ続ければいいのだ。勿論、それだけの魔力が続けばと言う注釈が付くのだが。

 だが単純にそれだけでは彼を留め置く事が出来ない理由は、残りの八割が防がれた理由に起因している。


―――“魔法が当たらない”のである。


 通常、放出系の魔法は、本人の認識で照準を付ける。つまり、視認した物がターゲットとなるのだ。そして、ターゲットとなった物に対して、高速で射出される。

 それは決して目で追えない程の速度では無い。常人でも、自身に向けて撃ち出された魔法を認識して、数メートル程度ならば回避行動を取る事は可能だ。

 だが、前述の通り魔法は視覚で標準を付ける。数メートル程度の回避ならば、放った魔法士がその動きを追える限り、魔法が即座に方向修正を掛けて、ある程度ならば追尾する。これでは逃れようがなく、それ故に防御障壁にて防ぐのが一般的となっている。

 また、高速移動の魔法で逃げ切ると言う方法も取る事が出来るが、それには相手が放つ魔法のスピードを正確に把握していなければならない。放出系魔法の速度は、魔法士のランクで大きく変わる。また、同一ランクであっても魔法力の違いで随分と違いが出る。

 最初から逃げの一手で高速移動魔法を用意していれば、相手が魔法を放った瞬間に離脱する事も可能だが、当然反撃の機会も無くなってしまう。また、そう言った理由で、放出系魔法が放たれた瞬間に、高速移動魔法を発動して回避すると言う事も難しい。

 

 しかし今、基地内の帝国魔法士達に絶望を与えている彼には、魔法を当てる事が出来ないでいるのだ。帝国兵から放たれた魔法の八割強、つまり殆どの魔法が彼を捉える事無く霧散してしまったのだった。

 間違いなく彼を視止めて魔法を放った筈であるにも拘らず、魔法は彼と全く別の位置で着弾する。いや、霧散してしまうのだ。

 魔法は使用者が認識している間のみ具現化が可能だ。自身の魔力を使用して具現化を行っているのだからそれも当然だ。そして、認識から外れたり阻害された瞬間、その具現化能力を失う。目標を失っても具現化し続ける意味が無いからだ。

 今まさに、一人の帝国兵が彼に目掛けて魔法を放とうとしている。

 彼をしっかりと視認し、標準を付けて魔法を放った。彼に向けた掌から、巨大な火の玉が出現し、それと同時に射出された。

 ―――瞬間、彼の姿が“ぶれた”。

 最も表現し易い言い方をするならば「二つに分身した」だろうか。

 そして、帝国兵が照準を付けた彼に着弾した、と思いきや、火の玉はその彼をすり抜けて、その後方で霧散したのだ。

 魔法を放つ直前まで、間違いなく一つだった彼の姿は、魔法が着弾する時には二つとなり、使用者の認識を惑わしているのだ。それこそ彼に魔法が当たらない理由だった。

 

 ザシュッ!


 そして、彼に対して魔法を使った報いはすぐに現れる。

 ―――自身の“死”を以て。

 今もまた、彼に対して巨大な火の玉を放った帝国魔法士の胸を、彼の手刀が貫いていた。確認するまでも無く、即死だ。

 

 ドサッ。


 その背中まで貫通した手刀を、まるで血糊を振り払うかの様な仕草で地面へ打ち捨てる。

 すでに彼の右手は、幾人もの血を吸って真っ赤に染まっている。しかし彼の表情は、まるでまだ吸い足りないと言った様に、うっすらとした笑みが消える事は無い。

 その姿を見た帝国兵、特に年齢の若い者はすでに恐慌をきたしている。小隊長らしき人物の指示も、まともに聞いている様な素振りが見受けられない。

 彼の四方八方からは、悲鳴に似た怒号が飛び交っているが、それが広がる程、彼への攻撃が少なくなっていく。まともに統率が取れないのだ。

 だがそれで、彼の歩みが止まる事は無い。彼が蹂躙をやめる理由にはならなかった。

 彼はユックリと、次の獲物へと歩を進める。

 ―――と、突然彼の歩みが……止まった。

 そして、忌々しそうに、肩越しに上空へと目を向けた。そこに見えるのは監視所のあちらこちらから湧き上がっている黒煙と、その先に見える空を覆わんとする黒い影。


「……畜生どもめ……漁夫の利を得ようってのか……」


 彼は吐き捨てる様にそう呟いた。

 次の瞬間、彼に向けて再び魔法が射かけられた。今度は放出系では無く、捕獲系の魔法であり、彼の足元を中心に半径五メートル程の魔法陣が急速展開した。

 この魔法が成功すれば、彼の足元から植物の蔓が無数に出現し、対象者を捉えて動けなくしていた事だろう。

 だろう、と言う言葉の通り、帝国兵の捕縛魔法は彼を捉えるには至らなかった。魔法陣が出現した瞬間には、彼の姿はもうその場になかったからだ。捕縛系魔法は効果範囲こそ広い物の、発動までに若干のラグがあり、避けると言う点においては放出系魔法よりも時間的猶予がある。しかしそれも、十メートル近く瞬時に移動できる技能を有していればの話であり、やはりこれほど簡単に回避されると言う物では無かった。

 そしてやはり、魔法を使った帝国兵は、彼に胸を貫かれて絶命した。

 

「いけ好かない奴らだ。俺を利用しようって性根が気に食わねぇ」


 足元に崩れ落ちる帝国兵を一瞥し、再びポツリと独り言ちた。

 彼が目の前にいる帝国兵では無く、上空で旋回している魔獣プリバシャルへ対して不快感を露わにし、その思考が囚われた瞬間、彼の後方より組織だった魔法攻撃が放たれた。

 複数種類の魔法が彼に向かって放たれる。彼の死角から完全な不意打ち攻撃だ。

 だがそのどれもが、彼に着弾する事は無かった。彼は防御障壁を展開して、今度は避ける事無く全て防ぎ切った。僅かな魔力の動きにも敏感に、そして瞬時に対応出来る、恐るべき技量だった。

 ―――そしてまた一人、帝国魔法士が胸を貫かれて絶命した。

 しかも今度は、その亡骸をその場に放置する事は無かった。彼の手刀から発した冷気が、瞬く間に手刀で貫かれたままの死体を凍りつかせ、即座に氷粒と変えてしまったのだ。

 

「ヒ……ヒィッ!」


 目の前で人が斬殺される。遠隔攻撃による魔法で人を殺める事は、結果として同じであっても直接手を下すより“殺人”と言う行為が希薄に感じられる事は事実だ。対象からの距離が離れれば離れる程、血生臭さから遠ざかる物だ。

 だが、今目の前で繰り広げられているのは、魔法による攻撃と言うよりも武器による直接攻撃に近い物がある。死の気配、血の臭いと言った物が身近に感じられるこの行為は、未だ戦争を知らない帝国兵士達に恐怖を植え付けていた。

 ましてや、その殺された肉体が、瞬時に塵も残さず消え去るのだ。

 そこに生きていた、存在していたと言う証すら残す事も出来ずに、消し去られる様を目の当たりにした兵士が、小さな悲鳴だけしか上げる事が出来ずに立ち竦んだとしても仕方のない事だった。

 だが、そんな事に思い悩む必要もなかったのだ。

 次の標的は、その帝国兵だったのだから―――。

 その兵士も、胸を貫かれて即座に絶命した後、彼の腕から発した炎に呑まれて塵一つ残さず消し去られてしまった。

 その様子を遠巻きに見ていた残存兵達に、もはや抵抗する気力など殆ど残っていなかった。帝国兵側の攻撃は当たらず、防御障壁を打ち破る事も出来ず、こちらの兵士のみが胸を貫かれて殺されてしまう。そして今度は、死体さえ残してくれないのだ。

 それを見て意気消沈する帝国兵とは裏腹に、慌ただしく色めき立つ集団があった。

 上空や崖の上で、それまでの争いを文字通り“高みの見物”していた魔獣プリバシャルの集団だ。

 彼の攻撃で幾度も帝国兵が消し去られるのを目撃し、慌てて行動を開始したのだ。

 

 イメージとして、魔獣は生きた獲物を好んで喰らうと思われているが、実際の所はそうでも無い。獲物が生きていようが死んでいようが関係ないのだ。

 逸早く“死者の臭い”を嗅ぎつけたプリバシャルの群れは、その舞台となる帝国軍監視所の周辺に群がっていたのだ。

 そして彼が築きだす死体の山を、彼が去った後頂こうと言う腹積もりだったのだろう。

 当初は目論み通り事が進んでいた。だが予想外の出来事が起こり始めた。

 彼が帝国兵を、死体もろとも“消し去ってしまう”のだ。

 それまでは野生に生きる生物の勘が、監視所への手出しを躊躇わせていた。だが、彼が暴れてくれたお蔭で、後は数の力でどうとでもなる。大量の獲物にあり付ける筈だった。

 しかし、獲物を消されると言うのであれば話は別だ。早急に彼を止めなければならない。

 本能に忠実な野生の魔獣は、即座に彼を止める事を全体の意志として決定した。

 そしてその行動は速かった。

 上空から、崖の上から、一気に監視所へ向けて、いや、彼一人に向けて、全プリバシャルが滑空を開始したのだ。

 

「へっ……畜生め……」


 その気配を即座に感じ取った彼は、そう小さく呟いて魔力を高めて行った。

 尋常では無いその高まりに魔獣も、周囲の帝国兵も気付いていたが、どうする事も出来ない。

 戦意を喪失し、呆然とする帝国兵には、彼を止めようと言う気概が沸き起こらなかった。

 そして滑空を始めている魔獣プリバシャルは、その数が多すぎるせいで全体の抑制が効かず、停まる事も戻る事も出来なかったのだ。




「なんだ!?」「なに!?」「これは!?」


 マサト、アイシュ、ユファは三人同時に声を上げた。

 監視所内から突如として、驚く程の魔力が高まったのだ。そしてその発生源に彼等は心当たりがあった。

 マサトが「索敵」を用いて感じ取った、十二聖天に匹敵する程の魔法力を持つ者。彼の本領が解放されたのだと理解した。


「とにかくここはまずい!アイシュ!ユファ!」


 マサトの呼びかけで、彼の肩へ掴まるアイシュとユファ。それを確認したマサトは、残る力を振り絞らんと「飛影」を使って高速移動を行い、監視所から大きく離れた。

 彼の残った体力では、数百メートル後退するのが精一杯だったが、ひとまず安全圏だと思われる位置には退避出来た。それにあまり離れすぎると、何が起こったのか確認出来なくなる。

 改めて監視所方面に眼をやったマサト達は、異様な光景に息を飲んだ。

 魔獣プリバシャルの(おびただ)しい群れが、監視所全体を覆い尽そうと迫っていた。

 青空を黒く塗り潰す程の群れが、今は監視所に殺到していく。その数はマサト達が想像していた以上だった。

 

「プリバシャルが……あんなに……」


 その光景を目撃したアイシュが絶句する。


「うむ。我の想像以上の数じゃ……あれ程生息しておったとはな……」


 それに応えるユファの言葉も驚愕を含んでいた。目の前に見えるプリバシャルの群れに比べれば、マサト達が蹴散らした数など本当に微々たるものだと思わせたのだ。

 ―――その直後。

 まさしく降下して来たプリバシャルの前衛が監視所に取り付いた直後、監視所内で高まっていた強力な魔力が一気に膨れ上がり、巨大な爆発を引き起こした。

 一気に周囲を巻き込んだ爆発は、瞬く間にその規模を拡大して、半径二百メートル程になろうかと言う巨大な火球へと姿を変えた。

 その爆風は数秒後にマサト達の元を襲った。


「……クッ!」「キャ―――!」「……なんという……!」


 三人は身を低くしてその爆風をやり過ごす。アイシュとユファはガイストのままでは飛ばされてしまうと感じたのか、即座に実体化を果たしてマサトにしがみ付き、彼に顔を埋めて耐えていた。

 大地を削り、崖を抉り、上空から殺到していたプリバシャルの殆どを巻き込んで、ドーム型に展開したその火球は、おおよそ数秒顕現した後に、まるで何事も無かったかのように消え失せた。




 ―――その爆発が起こる数十秒前。

 上空から群れを成して滑空して来るプリバシャルの群れ、その気配を明確に感じ取り、彼の口角はこれまでよりも更に吊り上がった。

 彼の魔力は、今までにないと言う位に膨れ上がっている。それを感じ取った周囲の帝国兵が顔を青くして、動きも取れず、声すらも出せない程に。

 当然急速に近づいていたプリバシャルも気付いていた。彼に近ければ近い程、その威圧感に晒されている筈だ。

 だが重力の恩恵を受けて滑空している状態では、急制動を取る事も儘ならない。それに後方からは何十、何百と言う同胞が殺到している。もしここで止まっても、後ろからの玉突き衝突で、結局は地面に叩きつけられてしまうだろう。

 そこまで考えたのかどうか定かではないが、先頭付近のプリバシャルは止まる素振りも見せず、初志貫徹、彼に向かって急襲を続けた。

 

「お前達にくれてやるのはエサじゃねぇ!死、だ!」


 プリバシャルの先頭集団が、彼に手の届く位置へと辿り着こうとした瞬間、彼はそう大きく咆哮し、力を溜め込んで握りしめた右手を、思いっきり地面に放つ。


「地の底より来たりて全てを灰燼と化せ!爆花山!」


 同時に呪文を詠唱し、唱え終わるのと同じタイミングで地面に己の拳を叩きつけた。

 瞬時に発動した彼の魔法は、地面に叩きつけた拳を中心に四方へと亀裂を生じさせる。そして地の底から爆発を引き起こしたかの如く、周囲の岩盤を(めく)りあげ、それらを岩塊と化し、灼熱の火球と共に周囲へと広がった。

 まるでそこから噴火でも起こった様な現象を引き起こし、巨大な火球は周囲数百メートルを消失させた。当然それは上空にも及び、彼の元へと飛び寄って来ていたプリバシャルを、彼から近い順に消し去っていったのだ。

 最後方のプリバシャルは、急旋回で回避する事により何とか難を逃れた様だったが、その数は十数匹に留まり、その殆どが大火球に呑み込まれたのだった。

 彼が魔法を発動して僅か十数秒後には、その場に彼以外の動く者が存在せず、彼を中心に巨大なクレーターが出来上がっていたのだった。




「……これやると、うっかり落ちるから嫌なんだよなー……」


 爆心地の中心で、“空中に留まりながら”、乱暴に頭を掻きむしって彼は呟いた。

 その物言いは「やっちまったー……」と言えば最もシックリと来るだろうか。

 彼が放った強大な魔法は、その場にあった監視所と帝国兵士は勿論、道の両側にそそり立っていた崖を大きく削り取り、上空にいたプリバシャルの大半を消し去った。それだけでは無く、彼の足元にも、深さ数百メートルの巨大なクレーターが出現させた。

 自身の魔法で自身が傷つく事は無い。自身の魔力を用いて顕現した、いわば自身の一部分でもあると考えればそれも納得出来ない話では無いのだが、明確な理由は判明していない。

 だから今回、彼自信を中心として作り出した大火球に巻き込まれても、以前チェニー=ピクシスやマサト自身がエクストラ魔法を発動した時も無事だったのだ。

 だが、彼の足元にあった地面はその範疇では無い。都合よく自分の足元だけ残っていると言う事は無く、彼は自分の魔法によって出来た穴で“転落死”しない様に、魔法が効力を無くすと同時に飛行魔法を発動したのだ。

 ただ「嫌だ」と言いつつ躊躇なくその魔法を使用した事から考えても、本心から反省や後悔している様には見えない。事実彼の眼は、先程の事を深く考えている様子は伺えず、彼が中空に留まっている地点から東方を見つめていた。

 ここからは何かを、誰かを窺い知る事は出来ない。ただプラティア平原へと続く街道が続いているだけだった。

 だが彼は、何の迷いも無く東の方へと飛び去った。



東方へと飛び立った美青年。その先には、到底戦闘を行う事が出来そうにないマサト達が。強力な力を持つ青年との、運命の会合が果たされる。

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