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探索者は  作者: 小町通
8/11

動き

「なんで、アイツがいないんだよ」


周りを見ながら素直な疑問を宙に問う。

勿論その問いの答えは返ってこなかった。


「アイツ…… まだ神社で何かしているのか。一体なに……を?」


昨日は無かったように思えるテーブル、その上に見覚えのある札とチョークが置いてある。

そう、俺が此方に来るときに使ったアレだった。

寒気がした。


「なんで、こんなもんが。ん?」


横に手紙がおいてあった。



シンアイなる貴方へ。

貴方はきっと元の世界へ戻りたいと思っているでしょう。

けど、それは不可能。

何故なら、能力が貴方を奪ったから。

けれども、貴方はその能力から人間を手に入れた。

そんな勇敢で素敵な貴方にご褒美です。

それの使い方は、わかるでしょう?


あと、貴方は能力持っている幻想というもの。

きっと帰れたとしても少したてば戻ってくる可能性もあるでしょう、帰ってきたときは私にもご褒美を下さいね。

ちなみにそれは拾い物なのでテーブルの上にあるもので最後です。

くれぐれも粗末にせぬよう。


いってらっしゃい。




俺は声が出なかった。

彼女がこんな丁寧で気持ちの入った文章を俺に向けて書くことに感動した、訳ではない、と思う。

もしかしたら、彼女を信じた自分の英断に感動しているのかもしれない。


だが、今は自分の感情の行方などを考えている場合ではない。






心底驚いた、まさか八雲紫が紆余曲折を辿らずに話し合うとは。

きっと、ねちねちと遠回しに牙城を立てていくのだろうと思っていたが、とんだ思い違いに終わった。


これならば早くは済むだろう、結果がどうなるかなぞは知らないが。


「ええ、そうねぇ。 私も聞きたいことがあるのよ」


彼女の目線は八雲紫を捉えていた、さっきまでの薄く笑う柳のような顔ではなかった。

八雲紫は何を思うか、目をずらしてしまう。


「貴女ならわかっているとは思うけど、外来人の数が多過ぎるのよねぇ」


ピクリ、八雲紫は彼女に向きなおす。

今までの自分の考えが間違っているのではないか、そんな可能性を突きつけられたからだ。

何故、何故。


「私もその話を聞きたかったのよ」


いいや、これはハッタリかもしれない。

負けじと言い返す、殺人現場に犯人が戻ってくるとは言わないが、はぐらかす為の布石かもしれない。


「それなら早いじゃない、貴女なら目星はついているんじゃない? ハンニン」


八雲紫は聞き逃さなかった、最後の言葉。

怒りや悲しみや憐れみが混じった言い方。

嫌というほど聞いていた発音、彼女は明らかに。


「…それを言えば、何をするの」


もちろん


「殺す」


神社の境界内は凍てついたように寒くなる、凍てついたように風が止み、鳥のさえずりも聞こえなくなった。


「そう、なら。 言えないわね」


閃光が走る。

それは八雲紫が張った結界が発したものなのか、今、その結界を砕くと言わんばかりに放たれた弾幕が発したものなのか。

博麗霊夢は神社に結界を貼りながら思うのであった。


「あんな威力、私の結界で防げるかしら」

この呟きは誰にも聞こえなかった。


あとがき(ネタバレ、作者の解釈等色々な要素が含まれています)

今回から不定期ではじめることにしました。

自分の表現力の低さで伝えきれないことを主に解説していきたいと思います。

テーブルの上にあった御札とチョーク、一体誰のものなのかはさておき。

実はあれは紙さえあれば誰でも作れるものなのであれが最後ということではないです。

御札自体に力が…長くなるのでやめておきましょう。

主人公はそれには気がついていないみたいですがね。

名前については、もうしばらく主人公と彼女の名前は出てきません。

若干、主人公の名前はわかっていますけどね。


"彼女がこんな丁寧で気持ちの入った文章を俺に向けて書くことに感動した、訳ではない、と思う。

もしかしたら、彼女を信じた自分の英断に感動しているのかもしれない。"


ここは主人公なりの照れ隠しというか、この主人公はひねくれもので人付き合いはてんでダメです、あまりできた人間ではありません。

最初に犬もどきと戦ったのはテンションが上がっていたんでしょうね。


彼女が怒っている理由ですが…

次の話あたりでわかると思います。


こんな感じであとがきを綴っていくので、感想等で「あの場面なんなの死ぬの」「意味不明なとこあるんですけどなんなん」と言ってくれれば、自分自身の解釈で紐解いていきます。

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