2/3
プロローグ2
それから数年の時が流れ、いろいろな問題点も指摘されながらも世界に受け入れられ、
日常の一部となったデジタルダイブ技術は次の段階へと足を踏み入れた。
過去に多くの人々を魅了し、現在手の届くところにある小さな頃の夢、
仮想体験型ゲームである。
「死んで覚えるデスゲーム」
小さな頃誰もが夢見た主人公
みんなの希望を背負い魔王を倒す勇者
魔法の力を使い可愛らしい相棒と共に悪をこらしめる少女
仲間と共に平和を乱す悪と戦う英雄
夜の街を歩き、誰にも理解されない自分だけの正義を貫く反英雄
憧れた、なりたかった、でもなれなかった。
忘れていた、でも忘れてなかった。
小さな頃の大きな夢、今なら叶えられる。
この「デジタルダイバー」さえあれば!!
このキャッチコピーと共に日本で発売された家庭用デジタルダイブ機
「デジタルダイバー」と数本のゲームソフトは、第2次デジタルダイブブームを引き起こした。
次々に発売されるゲームタイトルは、デジタルダイブが始めて世に出たときに比べれば
規模は小さかったが、確実に人々を魅了していった。
それこそ、
おとなもこどもも、おねーさんも
である。