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しいていうならお前の横を歩いてるのが魔王  作者: たぴ岡
ゴォォォール! 栄えある優勝者はっ……by解説
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「もっともっと地底で槌振るおれたち」

六、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 おれスラッシュ!



七、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 ふむ……



八、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 ふむ……



九、連合国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 ふむ……



一0、魔都在住の特筆すべき点もないライオンさん(出張中


 ふむ……


 さすがに本家本元の聖☆剣は違うな……

 人間が浸食魔法をここまで使いこなせるとは思えんが……


 それにしても、この強度ときたらどうだ……!

 傷ひとつ付いていない!

 完璧じゃないか!?



一一、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 だめだな



一二、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 ああ、だめだ



一三、連合国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 うむ、まるでなってないな……



一四、魔都在住の特筆すべき点もないライオンさん(出張中


 なにが不満ですかこんにゃろー!


 

一五、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 空のひとをかばうわけじゃないが……


 これ以上の出力を人間に求めるのは酷だぞ

 まず分子という概念がないし、仮にあったとしても知識だけではな……


 そもそも分子結合に干渉できるという前提で進めるなら

 魔法でコーティングするしかないだろ



一六、連合国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 元より人間にそこまでは期待してない

 水平線を見て、あそこから先は凹んでるんだなぁ……(ぽや~ん

 とか本気で考えてるような連中だぞ。おそろしい……


 そうじゃなくて、硬すぎるんだよ

 性能は高ければいいってもんじゃない



一七、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 そういうことだ

 いまの一撃で傷ひとつ付かないようだと、まったくお話にならない

 おれたちの目的は最強の鎧を作ることじゃない

 最高の鎧を作ることだ



一八、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 左様……

 不完全からしか芸術は生まれない

 揺らぎの中にこそ真理はある

 真理とは、すなわち芸術だ

 芸術とは、すなわち爆発だ



一九、魔都在住の特筆すべき点もないライオンさん(出張中


 爆発?

 いや、言いたいことはなんとなくわかるんだが……


 おもむろに酒びんを取り出しながら言われてもな……



二0、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 !?


 おい


 おい。お前ら


 ひとに辻斬りみたいな真似させといて

 なに飲んでんだてめーら!?



二一、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 アルコールなめんな!



二二、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 おこられた!?


 ちょう理不尽!

 なめてもねーし……


 聞けよ!

 飲み干すな!



二三、連合国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 ふむふむ……


 ほほう……



二四、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 アルコールなめんな!



二五、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 もう聞いたよっ!


 この酔っぱらいどもが……

 なんかおかしいと思ったら、揃いも揃って出来上がってやがる……



二六、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 子狸バスター(仮)よりも先に、おれたちが完成しちまった

 ……てコトだな



二七、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 だまれ!



二八、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 酔ってません



二九、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 その時間差やめろ!



三0、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 うん?


 うん



三一、連合国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 ん?


 おう



三二、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 お?


 ん~……



三三、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 みょ……



三四、魔都在住の特筆すべき点もないライオンさん(出張中


 みょ?



三五、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 みょ……


 みょっつ三世



三六、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 だれ!?



三七、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 え? だれ?



三八、連合国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 え? おれ?



三九、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 え? なにが?



四0、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 子狸か!



四一、王国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 子狸じゃねーよ!



四二、魔都在住の特筆すべき点もないライオンさん(出張中


 そこはレスポンス早いんだな……



四三、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん


 なにこの混沌とした河……



四四、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 あ?



四五、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん


 やだ、ガラ悪い……


 庭園の

 歩くひとが負けたぞ



四六、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 ふうん……

 意外だな

 王都のが折れたか

 いや、そうでもないのか


 まあいいさ

 大局は変わらん


 それだけか?



四七、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん


 驚かないんだな


 お前、歌人のこと知ってたの?


 なんで黙ってるかなー……



四八、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 お前、コピーだな?


 なにがあった?



四九、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん


 いや、気になったから


 いま反省会と称して勇者さんのお説教大会が開催されてて

 なんとなくリアルタイムで一緒に聞いてる



五0、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 紛らわしいことすんな!


 そして、おい! そこのつの付き! そことそこのつの付きも!


 こん棒を振り回して踊るな! 歌うな!



五一、連合国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 子狸じゃねーよ!



五二、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 くどい! だまれ!


 レクイエム・毒針!



五三、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 おれカッター!



五四、魔都在住の特筆すべき点もないライオンさん(出張中


 この酔っぱらい、じつに機敏である



五五、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 ちっ……

 わかったよ


 海底の

 おれが危惧していたのはべつのことだ


 歌人がアリア家の刺客じゃないかと疑ってたんだよ

 だから、心理操作するときに歌人を対象から外した

 操作されたふりをするならよし……

 そうでなければ、次の手を打つつもりだった


 アリア家をあなどるなよ


 感情を制御できるってことは

 必要とあらば、どこまでも非情になれるってことだ


 王都のは、人選を誤ったのかもしれん……


 つまり……



五六、帝国在住の現実を生きる小人さん(出張中


 だからといって子狸でもねーよ!



五七、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中


 ごめん、ちょっと黙らせてくるわ



 注釈


・浸食魔法


 対象に浸食し、操作する魔法。スペルは「グレイル」。

 その性質から変化魔法エリアに対しては優位を誇るが、レベル差を覆すことはできない。

 一方、盾魔法ディレイは「外部からの干渉を弾く」魔法であるため、浸食魔法とは完全に均衡する性質がある。

 ただし内部からの干渉には無力であるため、変化魔法と連結した場合は、その限りではない(変化の性質を取りこんでしまう)。

 なお、人間たちには「浸食」と言ってもぴんと来ないらしく、「槍魔法」もしくは「貫通魔法」と呼ばれている。

 結果的には同じことなのだが、ミクロの領域ではまったくべつの現象が起きている。

「槍(貫通)魔法」が問答無用で相手を殺傷せしめる貫通力を持つのに対して、「浸食魔法」は「対象を浸食」「浸食した対象を操作」という二段階の工程を踏む。

 これらの違いがあきらかになってしまうと、二番回路の存在にまで思索が及んでしまう恐れがある。

 そこで魔物たちは「念動力」や「魔力」といった概念を人類に流布した。「念動力」とは、つまり効果を限定した「浸食魔法」を指して言う。

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