「おれ魔物だけどたまには善行してみる」part2
四七、火山在住のごく平凡な火トカゲさん
子狸が巣に帰ったと聞いて
四八、古代遺跡在住のごく平凡な巨人兵さん
子狸が巣に帰ったと聞いて
四九、海底都市在住のごく平凡な人魚さん
子狸が巣に帰ったと聞いて
五0、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん
まさかのファイブスターズ登場に
おれの胸が高鳴る
五一、火口付近在住のとるにたらない不定形生物さん
ご近所さん現る
おれ赤面
五ニ、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん
同じく
形容しがたい
この気持ち
五三、火山在住のごく平凡な火トカゲさん
ばか
照れるなよ
おれまで照れるだろ……
五四、海底都市在住のごく平凡な人魚さん
人間はいないけど
おれはいるよ
それじゃ……だめか?
五五、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん
!?
お前ら……
いつから見てた?
おれたちの河を監視するの
よせって言ってるだろ!
もー!
五六、王都在住のとるにたらない不定形生物さん
おい
おい。子狸に相談されるおれの身にもなれ
本当
お願いします
五七、古代遺跡在住のごく平凡な巨人兵さん
親に似ず素直に育ったようで
おれ感無量
五八、かまくら在住のとるにたらない不定形生物さん
素直というか……
おれは子狸の将来が不安でならない
ときに
スターズはひまなの?
ここ二年くらい人間ががんばってるって
よく耳にするけど
五九、古代遺跡在住のごく平凡な巨人兵さん
おう
さっき
そのことで話してた
緑のひとは
そこそこ忙しいらしい
海のひとは
……まあ察してくれ
おれは
逆にひま
なんか見た目でコミュニケーション不能みたいに思われてて
ちょっと凹むわ
六0、火山在住のごく平凡な火トカゲさん
おれは
忙しいっていうか
家が観光名所みたいになってる
レベル3のひとたちが
いちばん忙しいみたいだ
サービス精神旺盛だからかな?
六一、海底都市在住のごく平凡な人魚さん
うむ
見習うべきかもしれんな
おれなんて
いつも河の底に沈んでるからな……
物理的な意味でも
六二、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん
やめようぜ……
切なくなる
山腹の
見てるか?
スターズが駆けつけてくれたぞ
みんな
お前を応援してる
六三、山腹巣穴在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中
もちろん見てる
お前ら
ありがとう
お前らの声援を
勇気にかえて
真夜中の山村に
おれ参上!
六四、王都在住のとるにたらない不定形生物さん
待て!
子狸が
巣穴を出た!
六五、火口付近在住のとるにたらない不定形生物さん
!?
六六、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん
!?
六七、古代遺跡在住のごく平凡な巨人兵さん
ッ……!
星空が綺麗だ!
六八、かまくら在住のとるにたらない不定形生物さん
!
星空が……綺麗だ!
六九、火山在住のごく平凡な火トカゲさん
ああ……!
星空が綺麗だ!
七0、海底都市在住のごく平凡な人魚さん
星空が綺麗だ……
七一、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん
うん……
心が洗われるようだ……
七ニ、管理人だよ
お前ら
何やってんの?
七三、火山在住のごく平凡な火トカゲさん
管理人さんこんばんは!
七四、火口付近在住のとるにたらない不定形生物さん
こんばんは!
今日も男前ですね!
七五、かまくら在住のとるにたらない不定形生物さん
こんばんは!
あれ!?
なんか昨日より背が……
あ、そうか!
成長期ですもんね!
七六、古代遺跡在住のごく平凡な巨人兵さん
本当だ!
いやあ……
この調子じゃ、おれなんてすぐに追い抜かれちゃうな
七七、管理人だよ
…………
まあいいや
ごめん
ちょっと寝てた
お前ら
あんまり夜更かしするなよ
おやすみ
七八、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん
おやすみなさい!
七九、海底都市在住のごく平凡な人魚さん
おやすみなさい!
八0、王都在住のとるにたらない不定形生物さん
よし
巣穴に戻った
八一、火山在住のごく平凡な火トカゲさん
ふう
八ニ、火口付近在住のとるにたらない不定形生物さん
ふう
八三、空中庭園在住のとるにたらない不定形生物さん
ふう
子狸め
びびらせやがって
まあ
おやすみだな
山腹の
すまんな
そっちはどうだ?
八四、山腹巣穴在住のとるにたらない不定形生物さん(出張中
順調だ
と言いたいところなんだが……
村人を全員
捕獲し終えたところで
こいつ
貴族か?
剣士だ
女の子に挑まれて、応戦中
どうしてこうなった……
お前ら
助言求む
注釈
・河
魔物たちの相互ネットワーク上に展開されている仮想の掲示板を指して言う。
やりとりは基本的に文字列で行われるが、本人の許可があればリアルタイムで五感を共有できる。
「河」はいくつもある。
・レベル
魔物たちの設定上の強さを示す値。
魔法の開放レベルと同意義であり、たとえば「レベル5の魔物」は人前でも遠慮なく「レベル5の魔法」を使ってもいいことになっている。