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ただ、ひたすら俺と君の物語を紡いでるだけ  作者: ChaCha


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3/12

永遠に、俺のものになる瞬間。

君が、息をしている。

すぅ、はぁ、と。


その音が聞こえなくなるのが、怖かった。

俺の存在が、君の世界から消えてしまうのが、何よりも恐ろしかった。


だから、生かしておいたのに。

俺の腕の中で、大事に、大事に。


あの日の誓いを、覚えているだろう?

俺以外のぬくもりは、いらないって。


……なのに。


君の瞳は、どこを見ていたの?


俺の知らない、君の顔。

俺の知らない、君の声。


夜の静寂の中で、君は誰を想っていたんだ。

その細い指先は、誰の熱に触れたんだ。


ダメだよ。

それはもう、俺の知っている君じゃない。


君を汚す、すべての記憶。

君の視線を奪う、すべての存在。


俺以外のものになるくらいなら。

この世界ごと、壊してあげる。


冷たい部屋。

逃げ道なんて、最初からどこにもない。


壁に押し付けた君の首筋に、そっと両手を這わせる。


トクン、トクン、と。

ひどく速い、君の鼓動。


「……誰かのものになるくらいなら」


指先に、ゆっくりと力を込める。


「いっそ、この手で……っ」


ぎゅうっ、と。


「……っ、ぁ……!」


君の喉から、掠れた音が漏れる。

酸素を求めて、俺の腕を掻き毟る小さな手。


「泣かないで。……怖がらないで」


零れ落ちる涙を、唇で掬い取る。

しょっぱい。君の、絶望の味。


「よそ見してる暇なんて、ないんだ。……ほら、俺を見て」


俺が、どんなに愛しても。

君の心は、俺の届かない場所へ行こうとした。


俺の声は、もう届かないの?

俺の愛じゃ、もう足りなかったの?


なら、もう、心なんていらない。


狂おしいほど、愛してる。

死ぬほど、愛してる。


誰にも渡さない。

絶対に、離さない。


君の最後の吐息。


甘く、掠れたその息を、俺が全部、吸い込んであげる。


「……さよならは、言わせないから」


次第に、抵抗する力が弱まっていく。

君の瞳から、光がこぼれ落ちていく。


俺だけを映したまま。

永遠に、俺のものになる瞬間。


……あぁ、綺麗だ。


君のすべてを、俺が解体してあげる。


誰にも触れられたくない。

君の血も、肉も、骨も。

俺以外の熱を知ったその身体ごと、全部。


逃げられないよ。

ずっと、俺の記憶の中で、俺だけのものになるんだ。


完全に、力が抜けた君。

重くなった身体を、深く、深く抱きしめる。


もう、君はどこへも行かない。

もう、誰にも触れさせない。


見つけた。

俺たちの、最後の居場所。


冷たくなっていく君の頬に、そっとキスを落とす。


「……おやすみ。俺の、愛しい人」


ずっと、ずっと。

この冷たい部屋で。

俺の腕の中で。


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