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ただ、ひたすら俺と君の物語を紡いでるだけ  作者: ChaCha


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2/12

毎日、俺に逢いに来てくれる君。

毎日。

欠かさず。

俺に、逢いに来てくれる君。


レジの内側から見える、君の姿。

カゴの中には、君が好きなお菓子と、好きな飲み物。


……あ、今日は新商品もチョイスしたんだね。

そういう小さな変化に気づけるのは、世界で俺だけだよ。


「こちら、お試し用です。どうぞ」


「わあ、ありがとうございます!」


少しだけ多めに、君の袋に忍ばせてあげる。

花が咲いたみたいに、笑顔で喜ぶ君。


……可愛い。


俺のためだけの、笑顔。


コンビニというこの場所で、待ち合わせ。


俺はずっとここで待ってる。

君が、毎日会いに来てくれるのを。


君のバッグで揺れてる、あのキャラクターのキーホルダー。

俺からプレゼントしたやつ、今日もつけてくれてるね。


一番くじの当たりは、全部、君のものだよ。


次のイベントだって、

君のために1等クジはもう、俺の手の中にある。


だから、楽しみにしててね。


今日も、ここで待ち合わせ。


時計の針が、いつもの時間を指す。


そろそろ来るかな?


胸が高鳴る。息が浅くなる。


ウィーン、と。

自動ドアが開く音がした。


あっ!

きた!


反射的に口角が上がる。

君を迎え入れようと、一歩踏み出して――。


……。


ちょっと待てよ。


は???


誰だよ、その男。


なんで。


どうして。


俺との、待ち合わせ場所に?


君の隣に、見知らぬ男がくっついている。


肩が、触れ合っている。


笑い合って、同じカゴに、親しげに商品をいれて……。


……っ、は?


カゴの中に、無造作に放り込まれた小さな箱。


『うすうす』って……。


なんだよ、それ……。


視界が、真っ赤に歪む。


耳鳴りが、うるさい。


レジの電子音が、遠く聞こえる。


許さない。

許さない許さない許さない。


……殺す。

この男を、殺す。


あんな汚い手で君に触れる男。

あんなもので、君を、穢そうとしている男。


俺の君を。純粋な君を。

守ってあげなきゃ。


俺が、あのゴミから君を守ってあげなきゃ。


ギリッ、と奥歯が鳴る。


カウンターの下で、

カッターナイフの柄を、指が白くなるほど握りしめた。


息が、荒くなる。

はあ、はあ、と喉の奥が鳴る。


ねえ。


「……っ、」


なぜ。

どうして。


一緒にレジに並んで、すぐ目の前に俺がいるのに。


今日は、なぜ、俺を見ないんだ?


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