毎日、俺に逢いに来てくれる君。
毎日。
欠かさず。
俺に、逢いに来てくれる君。
レジの内側から見える、君の姿。
カゴの中には、君が好きなお菓子と、好きな飲み物。
……あ、今日は新商品もチョイスしたんだね。
そういう小さな変化に気づけるのは、世界で俺だけだよ。
「こちら、お試し用です。どうぞ」
「わあ、ありがとうございます!」
少しだけ多めに、君の袋に忍ばせてあげる。
花が咲いたみたいに、笑顔で喜ぶ君。
……可愛い。
俺のためだけの、笑顔。
コンビニというこの場所で、待ち合わせ。
俺はずっとここで待ってる。
君が、毎日会いに来てくれるのを。
君のバッグで揺れてる、あのキャラクターのキーホルダー。
俺からプレゼントしたやつ、今日もつけてくれてるね。
一番くじの当たりは、全部、君のものだよ。
次のイベントだって、
君のために1等クジはもう、俺の手の中にある。
だから、楽しみにしててね。
今日も、ここで待ち合わせ。
時計の針が、いつもの時間を指す。
そろそろ来るかな?
胸が高鳴る。息が浅くなる。
ウィーン、と。
自動ドアが開く音がした。
あっ!
きた!
反射的に口角が上がる。
君を迎え入れようと、一歩踏み出して――。
……。
ちょっと待てよ。
は???
誰だよ、その男。
なんで。
どうして。
俺との、待ち合わせ場所に?
君の隣に、見知らぬ男がくっついている。
肩が、触れ合っている。
笑い合って、同じカゴに、親しげに商品をいれて……。
……っ、は?
カゴの中に、無造作に放り込まれた小さな箱。
『うすうす』って……。
なんだよ、それ……。
視界が、真っ赤に歪む。
耳鳴りが、うるさい。
レジの電子音が、遠く聞こえる。
許さない。
許さない許さない許さない。
……殺す。
この男を、殺す。
あんな汚い手で君に触れる男。
あんなもので、君を、穢そうとしている男。
俺の君を。純粋な君を。
守ってあげなきゃ。
俺が、あのゴミから君を守ってあげなきゃ。
ギリッ、と奥歯が鳴る。
カウンターの下で、
カッターナイフの柄を、指が白くなるほど握りしめた。
息が、荒くなる。
はあ、はあ、と喉の奥が鳴る。
ねえ。
「……っ、」
なぜ。
どうして。
一緒にレジに並んで、すぐ目の前に俺がいるのに。
今日は、なぜ、俺を見ないんだ?




