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【狂愛注意】ただ、ひたすら俺と君の物語を紡いでるだけ…  作者: ChaCha


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10/13

没落令嬢と執事

窓の外、夕闇が屋敷を飲み込んでいく。


かつてあれほど眩かったシャンデリアは、

今や冷たい鉄の塊として

天井にぶら下がっているだけだ。


……可愛い。


床に膝をつき、

屈辱に震える君のうなじ


かつて俺が、その一歩後ろで、

決して触れることを許されなかった聖域。


「……信じられない、という顔だね。お嬢様」


俺は、君の家の全資産を買い叩いた書類の束を、

君の目の前にバラバラと撒いた。


床に散る紙の音が、

君のプライドが砕ける音のように響く。


「この屋敷も、君の着ているその絹のドレスも。……その薄い唇から漏れる呼吸のひとつまで。今日から、すべて俺の管理下ものだ」


君が、弾かれたように俺を睨みつける。


涙を溜めたその瞳。


ああ、いい。

ずっと、これが欲しかったんだ。


俺はサイドテーブルに置かれていた、

君の象牙細工の扇を手に取った。


君が社交界で、

俺のような「下僕」を遮断するために使っていた盾。


……パキッ。


無造作に二つに折って、足元に捨てる。


「もう、君を隠すものは何もないよ」


俺は、君が大切にしていた宝石箱を開け、

中身をテーブルにぶちまけた。


きらびやかな指輪やネックレス。


その中に、一つのロケットペンダントがある。


「あ……っ、それは、返して……!」


君が手を伸ばすが、

俺はその細い手首を無慈悲に掴み、背中へと捻り上げた。


グ、と力が入るたび、

君の小さな悲鳴が俺の鼓動を跳ねさせる。


「誰の写真が入っているの? ……お父様? それとも、君に求婚していたあの若造?」


カチッ、と蓋を開ける。


そこには、

君の幼馴染だという男の肖像。


……ふふっ。


邪魔だな。


俺は中身を引きちぎり、

暖炉の火の中に放り込んだ。


青白い炎が、

君の過去を、

俺以外の男の記憶を、

跡形もなく焼き尽くしていく。


「君の視界に映る必要のないゴミは、俺が全部掃除してあげる。これからは、俺が選んだ服を着て、俺が選んだ宝石をつけ、俺の名前だけを呼ぶんだ」


「……ひどい……、こんなこと……」


「ひどい? ……いいや、これは『整理』だよ。君の時間は、もう全部、俺のものなんだから」


俺は跪く君の背後に回り込み、

耳元で深く、その匂いを吸い込んだ。


恐怖で強張った肌から、

逃げ場を失った甘い香りが立ち上る。


「逃げられると思っているのかい?」


俺の手が、

ドレスの背中のファスナーを

ゆっくりと、わざと音を立てて下ろしていく。


ジ、ジ、ジ……。


一目盛ひとめもりごとに、

君の理性が剥がれ落ち、

震えが身体全体に伝播していくのが分かる。


「……君が君であるための証明書はすべて、俺の金庫の中だ」


ドレスが肩から滑り落ち、

白い背中が露わになる。


俺はそこに、

所有の印を刻むように、深く歯を立てた。


「……っ……!」


「いい声だ。……あんなに見下していた執事に、こんなに簡単に身体を熱くして」


俺の指が君の喉元に回り、

その激しい鼓動を指先で愛撫する。


君は、俺の腕の中で小刻みに震えながら、首を振る。


「責任、とってくれるよね?」


「俺を、こんなにも狂わせたんだ。……一生かけて、その身体で、俺をなだめてもらうよ」


俺は、君を強く抱き上げた。


「さあ、寝室へ行こう。

……君の新しい『日常』が、あそこで待っている」


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